竹元さんの選択肢
もうすぐ暫定副看板娘決定戦C組2回戦。
暫定副看板娘決定戦C組2回戦出場者、竹元さんの控室に向かう俺。
「そろそろ暫定副看板娘決定戦C組2回戦が始まるよー」
そう言って竹元さんの控室に入る。
「竹元さ……どこか具合悪いの?」
竹元さん、対戦直後より状態が悪化してる!
「ぜ、全体的に……身体が……」
喋るのもキツそうだ。
「分かった、きつかったよね……もう大丈夫だよ!」
(『偶像術、癒・手』)
そう言って俺は竹元さんの背中をさする。
効果が出てきたのか
「ありがとうございます『S21』主看板娘兼任プロデューサー!」
元気よく感謝の言葉を伝える竹元さん、今なら最高の披露が出来そうだ!
「これも私の仕事だから……あ、竹元さん」
『ん?』と不思議そうに俺を見る竹元さん。
「どうしましたか、『S21』主看板娘兼任プロデューサー?」
『獣状態』の事、言っておかないと!
「この後の対戦だけど、アレはもう使わないほうが良いかも」
竹元さんの表情から推察すると、あの時は無意識に使ってしまったようだ。
「どうしてですか?」
不思議そうに俺を見る竹元さん。
「次、使ったら……どうなるか私も予想できない」
『そんなに危険なんだ!』とビックリした様子の竹元さん。
「どうしても……次の保乃ちゃんとの対戦で使ったらダメですか?」
でも櫻九……グループの顔で『S21』を代表するメンバー、畑村保乃さんとの対戦で竹元さんは再び『獣状態』を使うつもりらしい。
その決心は揺るがないようだ。
「わかった、責任は私が取る。竹元さん、後悔しない選択肢を選んで!」
そう言って俺は控室を出る。
次は……




