スキル対決、私VS富士吉夏鈴![視点:『S21』メンバー、小園玲]
「真の看板娘……どちらが真の看板娘にふさわしいか……『L-Star's』限定採点ゲーム『精密披露採点』で勝負をしましょう?『S21』主看板娘兼任プロデューサー!」
「この後は、一枚目副題曲を披露だよ?」
いつもと様子が違う夏鈴ちゃんに困惑する『S21』主看板娘兼任プロデューサーと私達『S21』メンバー。
「ふふふっ……起動、劇場開演!」
「その機能は!」
『精密劇場披露採点』……カラオケ機種『L-Star's』にそんな機能が!
そして主看板娘の手にはいつの間にかマイクが。
主看板娘は意を決してマイクを握りしめます。
そうして、主看板娘と夏鈴ちゃんによるカラオケ採点対決『L-Star's』限定採点ゲーム『精密劇場披露採点』が始まります。
「♪ 」
スピーカーから流れる音楽と共に無表情のまま歌い始める夏鈴ちゃんが歌っている曲は夏鈴ちゃんが副看板娘を務める曲。
あれ、この違和感の正体は何だろう……ああ、いつもと声が違う!
まるで別人のような声です。
そんなことを考えているうちにあっという間に曲が終わってしまいます。
夏鈴ちゃんの精密劇場披露採点結果が表示されます。
採点結果は99.999点。
次は『S21』主看板娘兼任プロデューサーの番ですが
「プロデューサー……ここは私に任せてください!」
夏鈴ちゃんは
「私が富士吉さんを止めます!」
そこまで言うなら任せてみよう、とマイクを私に託してくれた主看板娘。
「ふふふふっ……副看板娘の私を櫻後列の貴女が止める?」
私の決意を一笑に付す夏鈴ちゃん。
「今の夏鈴ちゃんは、私からすれば赤子も同然です」
「な、なんですって!」
私の挑発、効いているようです!
[ 富士吉 夏鈴 ]
職業:アイドル
系統:?
能力一覧:アイドルとして
・演舞力:A+
・歌唱力:A+
・容姿:A+
・存在感:S+
総合評価:S
短評:反旗を翻す偶像
技能:鈴
技能効果:?
技能賞与:無限鈴。
現在の精神状態:暴走
[鑑定結果は以上です]
それにしても夏鈴ちゃんは、なぜ暴走状態に?
まあ今はどうでもいい事です、主看板娘は私が守ります!
「じゃあ、これは耐えられる?」
『何をするのかな?』ていう表情の主看板娘。
「偶像術……睡眠鈴!」
偶像術、睡眠鈴……鈍器で頭を殴られたような衝撃と強烈な睡魔が襲いますが……これで私が昏睡すると思うなんて甘いですよ夏鈴ちゃん!
あ、主看板娘や他の『S21』メンバーは大丈夫でしょうか?
小沼さんは不思議そうに辺りを見回している。
どうやら小沼さんも効いていないようです。
痛そうに頭を押さえる、林田さんと桝本さんと『S21』主看板娘。
夏鈴ちゃん、私、怒りました!
番組MCと他の『S21』メンバーは眠っている。
「反撃です……偶像術……蝶翅振!」
偶像術で夏鈴ちゃんに反撃です。
「んな……そんな馬鹿な!」
夏鈴ちゃん、睡眠鈴が打ち消されて動揺しています!
「何度でも偶像術は無効化出来ます……夏鈴ちゃん、負けを認めてください!」
今なら許してあげます!
「まだ負けてない……術反転、鐘!」
夏鈴ちゃんの術威力が上昇します!
「反転偶像術……千鐘!」
巨大な鐘が千鐘、出現する……私も本気を出しましょう!
「仕方ないですね……術反転、蛾変化!」
術反転が宣言されると同時に、私の背中から蛾を連想させる禍々しい翅が出現します。
「反転偶像術……蛾翅振!」
反転偶像術、蛾翅振の効果で次々と粉砕される巨大な鐘。
「負けた……副看板娘である私が!」
私の反転偶像術、蛾翅振は反転偶像術、千鐘を無効化しただけでなく、夏鈴ちゃんが目覚めたスキルも消去したようです!
あ、やり過ぎちゃったかな……でも、『S21』主看板娘兼任プロデューサーに逆らうだけならまだしも、スキルで『S21』主看板娘兼任プロデューサーに攻撃する夏鈴ちゃんが悪いんですよ!




