ミュージックビデオ撮影、三日目。(視点:『S21』メンバー、桝本 綺良)
都内某所。
最初の副題曲のミュージックビデオ撮影から一夜明け、最後の副題曲の撮影が開始。
今回撮影している曲、表題曲になってもいいくらい良い曲。
これが終われば、いよいよ個人プロモーションビデオ撮影!
動画配信サイトで二期生の個人プロモーションビデオの予告編が公開されることが決まり、更なる新規顧客獲得に向け、二期生も張り切っている。
「一旦撮影中断します!」
何だろう?
「あの、何か問題ありましたか?」
撮影が中断され、監督に話しかける『S21』主看板娘。
「ああ撮影予定の場所に、危険な生物が出現したからね」
危険な生物?
「蜂だから専門業者を待っているところだね」
もしかして!
「控え室に戻ります」
急いで控え室に向かう『S21』主看板娘に
「何かあった?」
話しかける私。
「蜂が撮影現場に出て、撮影中断しているんだ」
撮影現場での出来事を私に説明する『S21』主看板娘。
「えっ、そんな大事になっているの?」
やっぱ私の仕業か……
「急いで片付るね!」
その瞬間、人の頭程の大きなハチが出現。
「で、デカいね」
「安心して、これオモチャだから!」
そしてハチは黄色と黒色の縞模様のカプセルに変形、跡形も無く消える。
「見せたらみんな喜ぶって思ったんだけどね?」
いつも、この感性の違いで『S21』メンバーが困惑してたな。
「大抵の女の子は、アレを見たら怖いって思うよ……」
その一言にうなだれる私。
やっぱりそうだよね……
「でも、私は好き。よかったら寮で桝本さんのコレクション、見せて!」
「本当?」
その一言で笑顔になる私。
『S21』主看板娘、虫が好きなの意外だ!
こうして事件は無事解決、撮影も無事に終了した。
みんな、お騒がせしました!




