ラストライブ中、機材トラブルに巻き込まれたけど玲ちゃんのスキルに助けられました
いよいよ『K21』としてのラストライブが始まる。
そして二期生のデビューライブでもあるのだが、その出番は俺を除けば、それほど多いとはいえなかった。
みんな、暗い表情だな……
このライブでグループを卒業する『K21』メンバー。
改名という出来事に戸惑いを隠せない一期生。
初めてのライブに緊張する二期生。
だが……みんな切り替え早いな!
ライブが始まれば、その表情はライブにふさわしいものに変化していた。
よし、最高のライブにしよう!
ライブは順調に進んでいく。
そしてライブも中盤に差し掛かり、いよいよラストライブの最後の曲……イヤホンから音が鳴らない!
どういうこと?
他のメンバーを見渡すが特に異変はなさそうだ。
ということは、俺のイヤホンだけ壊れたのか!
次の曲は、もう序奏が流れている。予備との交換は間に合いそうにない。
……記憶を頼りに歌うしかないか。
そう思った時だった。
(「どうしたんですか?」)
(「えっ? 玲ちゃん!」)
どうやら俺に、テレパシーで直接話しかけているようだ。
(「よかったら、これ見ます?」)
(「それってまさか」)
次の瞬間、玲ちゃんの背中から大きな蝶の羽が現れた。そこには
(「助かった。ありがとう!」)
次に歌う曲の歌詞が書かれていた。
予期せぬトラブル、改名ライブは開催されるのか?




