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なぜ私、泣いているのでしょうか?[視点:『K21』メンバー、小園玲]
それぞれ話が一段落した頃、注文した料理が届くとその後は特に会話することなく料理を完食。
「「お疲れ様です」」
「「「「お疲れ様〜」」」」
会計を済ませ、店の入口で日向七二に挨拶。
それぞれ自分達が住む寮へ向かう。
「あの、これよかったら」
「あっ、懐かしいな」
私が貴女に渡したのは灰汁巻。
独特な風味の餅料理で故郷、鹿児島の味!
「でもなぜか、きな粉と黒砂糖が入ってなかったんです」
灰汁巻に甘いきな粉は欠かせないのですが
「あっ、私に任せて!」
まさか!
「お礼にこれあげます」
「もしかして、きな粉を?」
今ここで作ったのでしょうか?
「ありがとうございます。大事に使いますね」
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寮に到着です!
さあ貴女から貰った、きな粉で灰汁巻を食べましょう!
「……!」
悲しい?
嬉しい?
きな粉をまぶした灰汁巻を口にした瞬間、言葉に出来ない感情が止めどなく溢れます!
あれ……なぜ私、泣いているのでしょうか?




