まさかの共演者
「シーンA-21の撮影となります! 対象の出演者は、《1年2組の教室スタジオ》に集合してください!」
スタッフの指示が、廊下に響き渡る。休憩時間が終わり、午後の撮影が始まる。
「あ! シーンA-21は私の出番だ」
頭の中にある台本を確認する。
いよいよドラマの初撮影の出番がきたのだ。
「出番はないけど、私達も見学に行っていいですか?」
「大丈夫です! 一緒に行きますか?」
日向七二に見学されるのは、少し恥ずかしいが嬉しさもある。
4人で次の撮影がある教室に移動していく。
えーとシーンA-21は確か、あった!
移動しながら頭の中の台本を読み返し、今回の場面にどんな共演者がいるかを思い出していく。
そして共演者の名前が思い出し、あることに気がつく。
今回の撮影は“ある人物”との共演があるのだ!
「こんにちは、よろしくお願いします」
シーンA-21は『“ある人物”が演じる学校の卒業OGが俺の演じる秘書と共に久しぶりに学校を訪れる場面』。
初ドラマの初シーンで、いきなり“ある人物”との共演だったのだ。
「?」
“ある人物”と視線が合ってしまった。
「私の期待、裏切らないで」
“ある人物”とは『K21』の初代看板娘“てちゃ”。
何と撮影現場で『K21』新旧看板娘が共演することになってしまった。
緊張するな……
次回、主人公の演技にくだされる評価は?




