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贖罪の魔王  作者: flymer
1/1

翁の策略

御愛読誠に有難うございます。

どうも、flymerです。連続投稿はこれで終了致します!

4話目からは毎週月曜日に投稿させたいただきます!

これからも贖罪の魔王をよろしくお願い致します!


 

「ありゃあ!!」


 ジークの声が森に響き渡る

 僕たちはあの日から狩以外の日も魔法や剣術の特訓をしていた。




「ジークって剣術の方が得意そうな顔してるのに

 魔法の方が得意だなんて笑っちゃうわ」

 

 唐突にサーシャが剣術の型の練習をしながら言った。



「うっせーよ。お前だって女のくせに身体強化で

 バリバリの剣術家じゃねーかよ!

 可愛さのかけらもねーな!!!」


 ジークの言葉にカチンときたのか身体強化された体で襲いかかった。

 修行をやり始めてから1ヶ月はすぎていたがジークとサーシャが喧嘩をしない日は無かった…。



「2人とも落ち着いてよ……。」

 僕は毎日のように2人を諫めるのが精一杯で全然練習が出来ずにいた。


 2人の仲裁に入りなんとか諌めようとしたが…




「オマエさ黙ってろ!!

 シンラは黙ってて!!」


 と、吐息ぴったりに言われた…。

全く…仲がいいのか悪いのか。

そんなことを思っているとジークが僕に言った。



「そーいえばよ。シンラって人族なのになんで魔法が

 使えるんだ?」


 その質問の意味がわからず僕はどういうこと?と聞き返した。




「魔法が使えるのは体に魔力を保管するロナがある

 魔族だけなんだよ。そして人族が使うのは

 魔法じゃなくて魔術。

 これは自然に漂う魔力を古代文字の術式で魔法に

 変換するってものなんだけどシンラそんなの使って

 るところ見たことないしなぁ。」



 ロナっていうのは母さんから聞いたことがある。

魔力を保管してそこからエネルギーに変える器官で

鬼人族はツノがそのロナだという。

 ロナに保管できる魔力量は個人差がありその大小で

魔法が得意か不得意が左右されるという。



「確かに。あまりにも自然に使ってたから今まで

 疑問にも思わなかったわ。」


 ジークとサーシャは僕の体の隅々を見渡す。



「おっかし〜な〜、もしかしたらって思ったけどやっ

 ぱどこにもロナはないな。」



 不思議そうな表情のジークにサーシャが言う



「もしかしたら私たちと一緒にいすぎて使えるように

 なったとか?」


 んなわけねーだろ!と言ってサーシャを叩くと

また、喧嘩が始まった。

 僕はそんな仲のいい2人を見て自然と笑みが溢れた。


          ・

          ・

          ・

          ・

          ・



「団長。王がお呼びです。」

 

 大柄な大男が稽古中の上司に報告する。



「またですか…。どうせまた山賊の討伐でしょうに。

 わざわざ騎士団なども使わなくとも町の冒険者

 たちに任せればいいものを。」


 汗を布で拭きながら言ったその男の体は細身でありながら筋肉が程よくつき、その皮膚には歴戦の戦いで負ったであろう無数の傷が目立っていた。



「そういう訳にも行きますまい。

 民を守るための騎士団が国との戦争にしか

 向かわないとなれば王への国民の信用が

 薄れるかもしれませぬ。」


 それは分かってはいるのだがなぁ…

とどこか不満気に男は正装に着替えるため部屋に戻って行った…。






「待ちくたびれたぞ……。

 王の近衛であるお主が我の呼び出しに対して

 これほど時間をかけていいものか。

 忠誠の程がうかがえるのう…」



 王の前で片膝で立つ男は言った。



「ご冗談を…

 急な呼び出しだった上、どうかご容赦を。

 ところで王よ今日は戦士の端くれの私なぞに

 なんの御用でしょうか……。」



 王は少しの間を開けてから口を開いた。



「お主にやってもらいたいことがあっての。」


 それは一体なんでしょうかと男が聞くと

王は少しも表情を変えず淡々と話した。



「国の人口が増えてきてな。些か運営に問題が発生

 しておるのだ。

 そこでこの国の領地を広げたいと思う。」



 男は王の目を真っ直ぐに見つめた。




「国落としですか…。」





 男は王の話を聞いて国を落とすのかと思っていたがそれは違うようだった。





「隣国にはもう強敵しか残っておらぬのでな今戦を起

 こしても戦い続きでは消耗戦にに持っていかれるだ

 ろうからな……」



 すると王は黄金に輝く椅子の腕置きバシンッ!と叩いて言い放った。




「そこで目をつけたのが………魔の森だ…。」




 意外な発言に男は驚きを隠せなかった。




「魔の森…ですか。」





「そうだ。魔王が死んでから数百年。魔族もだいぶ弱

 体化してきたと言う報告が入ったのだ。

 そこでアイレン騎士団団長。

 ハイデン・ブリュン・アロード。

 

 第13代ハイデン王国国王

 アージス・フロイ・ハイデンが命ずる。

 来る満月の日、魔の森に住む魔族達を

 殲滅するのだ……!よろしく頼むぞ…」




 王の命令に考える事を許されない騎士団の団長アロードはハッ!と声を上げながら瞬時に立ち上がり、王の間を後にした。





 出てゆくアロードの表情は覚悟に満ちていた…


 

 


            (「王の策略」end…)


御愛読誠に有難うございます!


次回は「忍び寄る影」


お手に取っていただけると幸いでございます!

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