太ったという女性ほど……
ちょっと間延びしてるかんじ。
あとでまたアップ予定
「いつもなのよ」
俺がメニューを見ている奈美を眺めていると、美佐さんが困ったように笑う。
その笑顔は困った子だけど愛おしいみたいなかんじ。
お姉さんみたいだな。
「デザートに関してはいつもこんな感じ。食べ物全般かしら……特にファミレスみたいな場所だとね」
「へー」
「それ以外は結構即断なのだけれど……」
甘いものに目がないってことかな。
「美佐さん! 余計な事言わないでっ」
「おっと」
俺たちの会話を聞いていたようで、キッと美佐さんを睨んだ。
余計なことを言わないで、って感じだ。
美佐さんは奈々美に一喝され、肩をすくめる。
「でもそろそろ決めたら? いつまでもメニューとにらめっこでは、顔合わせにならないわよ」
「うう……わ、わかってるわよ!」
奈美はそう言いつつも、まだ選びきれてないらしい。
ページがケーキのところから動いてないようなので、ケーキを注文するということは決まったようだ。だがそのケーキの中でどれにするのか迷っているといった模様。
そういえば深雪もケーキを選ぶのにいつも時間かかったりするな。
女の子全般こんな感じなのかな?
「イチゴのタルトか……でも、オリジナルチーズケーキか……両方期間限定だなんて……悪魔の所業だわ」
漏れ聞こえてくる独り言だと、イチゴのタルトかオリジナルチーズケーキかで決めあぐねているようだ。両方味わいたいが、二つはちょっと……そんな感じなのだろう。ケーキの一個も二個もさほど変わらないのだし、頼んでしまえばいいのに―――そう思うのは俺が男だからだろうか?
すると突然何かを思いついたように、奈々美がばっと顔を上げる。
「ねね、美佐さん。あたしタルト頼むから、チーズケーキを―――」
「パース」
「えーーーーー」
「いつもそうしているから、私も体重がピンチなのよ。だから今回は遠慮しておくわ」
「むぅぅぅ」
そしてまたメニューへと視線を落とした。
察するに、美佐さんに片方のケーキを注文してもらって、少し分けてもらう作戦だったようだ。あえなく却下されたようだけど……美佐さんのどこが体重のピンチなんだろ? 逆に痩せているようにしか見えないけど。
「見えないところについてるのよ」
「え?」
美佐さんが突然そう口にする。
驚いて彼女の顔を見ると、「ふふふ」とイタズラっぽく笑っていた。どうやら俺が露骨に美佐さんのお腹へ視線を向けていたようだ。
やばっ
俺は咄嗟に視線を動かし、美佐さんを視界から外す。
そんな俺の様子がおもしろかったのか、少しの間なおも小さく笑っていたが、不意にその笑いを引っ込めると、再度奈々美に注意をした。
「ほんとに、そろそろ決めなさいよ。話ができないから」
「うう……」
今度は反論もせず、唸り声を上げるだけ。
最初は呆れ気味でその様子を見ていたのだけど、「深雪もこうだな」という考えが浮んでからは、まるであいつとご飯を食べに来ている気分になっていたようだ。多分年齢も同じぐらいだと思うし……なのでごく自然にこう申し出ていた。
「じゃ、俺がチーズケーキ頼むよ」
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