「まこと」から「マコト」へ
申し訳ない!
前回切りどころを間違えてしまって、
今回すごく短いです。
お詫びに明日もアップ予定(あくまで予定
美佐さんが俺の両肩をぽんと叩く。
「どう? なかなかの自信作よ」
そう言われて、まじまじと鏡を覗き込んだ。
鏡の中の人物と目がある。
しばし呆然。
…………………………ダレ?
俺に決まっている。
うん、自分だとは分かるんだけど、分かっていてもそう言いたくなるだろう?
マジカ。
と首をかしげる。
無論、鏡の中の俺も首をかしげる・
ヤバイなこれは。
自分で言うのも憚られるが、芸能人でもなかなか見ないレベル――やべ、変な扉を開けそうになった!
よく「魔法のメイク」とか「化粧という戦闘服」なんていうキャッチフレーズを見たことがある。自分がそういうのしないので「女の子って大変だなぁ」としか思わなくて、なぜ時間をかけて、労力をかけて化粧をするのかを理解していなかった。
これは大変でも毎日するわけだなぁ。
いや、俺は女に見られたいわけじゃないから、やっぱりしないけど。
化粧ってすごいということは身に染みた。
「さて、あとはウィッグをつけて整えれば完璧ね」
美佐さんはそう言ったあと、手にしたあみあみ状のゴムみたいなやつを頭にかぶせ、器用に髪を入れ込んでいく。そしてその上から30センチくらいの長さがあるウィッグをかぶせて、ブラシで丁寧に整えていった。
ウィッグをつける前にすでに驚きだったけど、つけた後はさらにびっくり。
化粧だけでも……だったのに、これは完全に別人じゃないか……
「さぁ、どうかしら?」
「どうといわれても」
「幸いのどぼとけは出ていないから隠す必要がないわね。どこからどう見ても美少女よ」
「くっ」
まさか自分が「くっコロ」をいうとは思わなかった。
思わずそんな声が漏れてしまうほどの衝撃だ。
「いまから貴女はマコトちゃんよ」
美佐さんが俺の前髪を指で整えながら囁く。
「ふふ、オーディション会場で聴いた声とこの容姿。周りの反応が楽しみだわ」
その笑い方は先ほどと同じ、「くすり」と笑う笑み。
そしてその笑みは、まるでイタズラを仕掛けて結果をわくわくして待っている、小さな女の子の笑顔のようにも見えた。
読んでいただいてありがとうございます!
氷菓などしていただけるとありがたいです。




