思っても口にだしてはいけない
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前話の分割分なので短め。
……ちょっと待てよ?
カズの会誌やコスプレ衣装のことなんかの進行状況を確認していくと、ここで遅ればせながらあることに気がついた。
「ん? 寛二先輩まずそうか?」
俺が黙り込んだのを、春一は違う意味で捉えたようだ。
「あ、いや、たぶん大丈夫だと思うけど……」
「思うけど?」
「今のやり取りで、いまさらながら気がついた」
「なにを?」
「お前より、サークル活動に貢献してね?」
そう言うと春一は一瞬だけ目を丸くさせ、次にやれやれというように鼻から息を吐く。
「本当にいまさらだな」
「ほほぅ……ということは、君は気付いていて俺に仕事を押し付けていたということかね?」
「いや、まことが勝手に手伝っているだけだと思うが?俺はただお前が手伝っているのを
把握しているだけで、俺が直接頼んだものはひとつもないが」
「勝手にっつうか……」
カズ以外にも、みずほっちにはよくお菓子の差し入れもらうし、寛二先輩には過去問もらったりするし……春一から頼まれたとすれば問答無用で断るけれど、世話になってる人から頼まれれば、嫌とは言えないだろう?
「いつも色々してもらっているし……困っていたら手伝うのが普通だろうし」
「普通ねぇ……」
春一は両手を頭の後ろで組み、椅子の背もたれに体重をかける。
「おかしいか?」
「いや……まぁ、いいんじゃないか?」
うーん、なんとなく釈然としないけど……
「とりあえず放課後は用事なしってことだ。思う存分、アンケート集計無双をするがいい」
「しょがないか」
「そこの二人! 私語が多すぎです!!」
うわっ!
そういえばまだホームルーム続いてたんだった。
すっかり忘れてたぜ。
前方に視線を向けると、松下さんが三つ編みをピンと立てつつ、憤怒の表情でこちらを見ていた。「がるるる」といううなり声が聞こえてきそうだ。
俺と春一は互い顔を見合わせたあと、肩をすくめてから再び前を向く。そして特に打ち合わせたわけでも、タイミングを計ったわけでもないのに、同時に同じ事を口にした。
「「しわが増えるよ(ぞ)」」
「うるさい!!!! 凸凹コンビ!!!!!」
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