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本当のお終い

やっぱりすごい不評なんで止めることにしました。

私に不条理物は無理でした。

最後はやけくそで書きました。誤字脱字もわざとです。

もうどうにでもなーれ!

 ユンボで引き抜かれて運ばれた私のこの小説、始まって以来の不評でさ。そりゃそうだよね、意図した出鱈目だもん。電話ボックスが下ろされたのは、パリピが集まって背中に文字を書いて当てる遊びを、大騒ぎしながらやってるから、答え丸わかりだって。


「今から§という文字を書くよ」って、それ読み方わかんねーだろう普通。相手はどうこたえるんだよ!って怒鳴ってみたけど電話ボックスにいるので外には響かず。仕方ないから、床に穴を掘って外に出てやろうとしたら、タイムカプセルみたいなものが出てきた。2018年。早っ。いくらなんでも掘り出すの早すぎだろうって、掘ったのは私か。


 開けてみると作文が出てきた。

『未来の僕へ

未来の僕さん、未来はどんなところですか。軍事演習も虫害もない世界ですか?

みんな縫い目のないぴっちりとしたラバースーツみたいな服を着て、脱ぐときは大変でしょう。トイレには間に合わないかもしれません。食事は錠剤で済むんでしょうか。食後に薬を飲む時は間違えないようにね。ネットは今より進んで、鳩が活躍しそうですね。伝書バトならぬ電子バト。学校も運動会もない世界を希望しています。過去の僕より』


 いやあのね。回りくどくね。戦争も災害もない世界って言えよ。あといろいろ突っ込みたいけど、どんだけ運動会嫌いなんだよ。学校がなかったら運動会もないだろう。ってそいつの胸倉捕まえて訴えたい。手を挙げるなー。お前か、そこでバーベキュー片手に食紅で顔を赤くしているお前か。


「いやー書くことが無くて先生に代筆してもらいました」

「その先生を呼べ。今すぐ。教師がそんなもの書いていいのか!」


 しばらくすると教師が電話ボックスに閉じ込められたままユンボで運ばれてやってきた。先生何してたんだ?

「だからやりたくないって言ったんだ」

 あのー、いい大人ですよね。なんで逆切れしてるんですか。前回出てきた作者とメンタル一緒ですよあなた。

「まあ、硬いこと言わずにとりあえず一杯」

って注ぎ口見たらホースだった。なんだよ水道水かよ。ホースで飲ますなよ。どんだけ水に飢えてるんだよ。しかたないからホースから注がれた液体を飲みましたよ。「ウオッカじゃん」

  

 凄く酔いが回って、足元がおぼつかなくなってバランスボールにしがみついたら一回転した。って碌な物がないな。ここは出鱈目な世界だから、鹿も狙ってやってて外しまくっているという。もう作者これやめにしない? 作者もあれこれ手を出しすぎて連載10本ぐらい抱えて飛んだ売れっ子作家並じゃん。売れてないけど。男としても売れてないってやかましいか? 色ボケ作家。


 ほら女神様が来たよ。描写めんどくさいんで省くけど、白金色のストレートヘアーを風になびかせて、透けたシルクのギリシャの衣装のような布を身にまとって黄金のハープ片手に、穏やかな音色を奏でながら、ふわりふわりと空中をすべるように歩いてきた、眼は二重で大きく鼻筋が北欧の女性のように通った、薄紅色に濡れた唇を持ち笑みを浮かべた時に見せる白い歯が輝かしい大柄な女性だよ。


「教師よお前にチート能力を授ける」って主人公の私は無視かい。どんな展開だよ全く。


「チョークで誰でも倒せる能力じゃ。チョークスリーパーなんちゃって」

 古い古い古い、いつのギャグだよ全く、パンクラ〇ができる前からあったぞ。見てたら教師の奴教え子にヒールホールド掛けられてタップしてやんの。弱えぇ。


 私はそろそろおさらばしたくなった。読者のいない世界で、何やっても見てくれないんだろ。暗闇デスマッチの参加選手になった気分だよ。しかも照明はつかない。

 作者に言ってやる。やい地淵、二度とシュール物に手を出すんじゃねーぞって。あんたに不条理は無理だ。

 私は、電話ボックスに戻るとユンボで運転席に運んで、自ら運転して去って行ったね。「あばよ」って言葉を残してね。私を運んだ運転手は誰なんだろうねって笑いながら。




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