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帰ろう! もといた世界へ ってあれ? 作者登場。

まだ描き切っていないと思うので再開させます。


 一晩経ってみたら、太陽がまた増えていたみたいだけど、もう直接見るのも嫌なので、気にしないことにした。相変わらず男たちはみんな丸坊主で、髪の毛が伸びないみたい。ちがうブチは選ばれた人なので少しずつ産毛が伸びているって本人申告で言ってるだけだけど、確かめようがない。


 別に私は、ちがうブチの観察相手ではないので、と思ったら、私たちのことをずっと見ている人がいるみたいで視線を感じていた。それが神様らしいのね。やっと出てきた。


 神様は二重底の引き出しの中に、六人ぐらいいて、いい年した青年だらけで全員長髪だったと思ったら、よく見ると襟足だけ長い、大昔流行した髪型だったみたいね。赤と青のポスターカラーでペインティングしている。文化祭の高校生かと突っ込みを入れたくなった。


 神様は「人間が極限状態にいる時のデーターを取ったからもう用はない」というので、若い奴に言われても腹が立つのに、男たちの声色でしゃべるもんだから、余計に頭に来たの。意地になって海でワンピースを洗っていたら太陽にさらしたせいか白くなって、私の名前はしろワン()になった。


「おーい白ワンコ」人を犬みたいに呼ぶから、私も「流行おくれの髪形の神様」と呼んだら全員が振り向くのね。自覚はしているんだ。皆が引き出しから降りてきて、男たちとダンスを踊ったので、砂が舞い上がって、

きなこもちが食べたくなったら、そこは神の奇跡で、うぐいすもちが出てきた。「色が違うわ」とクレームをつけたんだけど、砂の方が緑色になってしまった。よくみると粒粒がブロッコリーのつぼみだったんだ。


 青年の一人が「協力してくれたので、お礼にもといた世界に返してあげよう」といわれて、男たちはいっせいに飛び上がって喜んで、太陽の中に入って「じゅっ」って音がして消えちゃった。


 ちがうブチが残っていたから、「あんたはどうするのさ」と聞いてみたら「俺の世界はここだ」と意外なことをいう。ちがうブチは、「モギョーッ」と鳴く怪鳥と共に鍾乳洞の中に入っていった。私は、最後に別れの挨拶をしようと、入り口をのぞくと、そこは鏡の世界で、私の美貌がすべての鏡に映っていたの。


 最後にもう一度呪文を試したくて「ボート」と叫んだら、男たちが全員戻ってきて、「俺はちがうブチ」と自己紹介を始めた。たくさんいるので数えるのを止めたけど、余にも珍しい全員同姓同名だったみたい。

姓は聞いていないんだけどね。


 元来た道を帰ったせいで、また誰もいないシーソーや逆さになった三輪車を見つけて、懐かしさのあまり思い出し笑いをしたら止まらなくなって、無理やり愛想笑いをしたらやっと収まったの。


 神様がいたということで、過去の私に「大丈夫だよ頑張れよ」と励ましたくなったとたん、向こうの方から過去の私がやってきつつあったので、オブジェのふりして無視して誤魔化した。なんかね、照れ臭いんだよね。昔の私って、妙にセンチメンタルで信仰心が薄くて、涙もろくて世界が狭い。


 で、今はまた倒れつつあるドミノに追いかけられる日常を過ごしている。どうやら私は、夢の中の住人だったらしくて、夢落ちです。ありきたりでごめんね。


 あれ、朝だ。窓の外から太陽がさんさんと日光で照らしてくれている。ありがとうってお礼を言うと、太陽は照れ隠しに笑いながら沈んでいった。顔を赤らめてながら。


 つまり私は、夢の世界からまだ抜け出ていないらしい。あの男たちに会えるかも!会いたくないけど。そしたらね、地淵育生っていう男が、じっと私を見てるのね。この地淵って奴がキーパーソンかも知れないと思ったの。勘で、おんなの勘っていうやつかな。


 そしたら地淵は凄く緊張しているんだ。身体なんてガチガチで言葉が全部ボーイソプラノみたいに裏返っている、女性慣れしていないみたいだ。年齢は見た所、50代ぐらいのおじさんなんだよね。おじさんなのに女慣れしてないなんて、ざらにいる天然記念物みたい。私はさ、思春期の男子が見る年上の家庭教師映画みたいに、この地淵に恋の手ほどきをしてやろうと思ったの。


 でも地淵は、私の目を見つめることができないみたい。照れ屋なんだろうか、視線を彷徨わせて私の眉毛ばかり見ている。目とほとんど変わんないや、てへっ。


 地淵はとまどいながらも声をかけてきた。開口一番「スノコとアホの子どちらが好きですか」だって。あまりにも質問の内容がぶっ飛んでたので、よく話を聞いてみると、お菓子の事だったらしい。

あはははは。地淵って本当に面白い奴。でも面白いだけじゃ彼氏にはできないけどね。


 話題がないのか地淵はただ私の後をついているだけになった。つまんねーやつ。私から話題を振ることにした。「休みの日は何をしていますか」「砂時計の時間測定だ」地淵がモテない訳がやっとわかった。


 話題らしい話題がないから、地淵に好きな事について自由に話してみてって振ったら、昭和時代のお笑い芸人について話し始めてきた。どうぞっ。「コントらぶこーる、コントD51、コントパロル、コント笑企業、コント21世紀、コント五番街(牧田博とキャベツ白坂のコンビ)コント100連発……」「ストーップ」と私は声を荒げた。「あんたはラーメンを知らないミスター梅介か!」こうして私は地淵と変な世界の冒険の旅に出ることにした。地淵は彼女が欲しくてガッついてるみたいだけど、そんなメンタルじゃ永遠に無理だよと書いて置手紙を置いといた。コンビニの棚の隙間に。


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