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男たちの一人と島に行こうとして魔法も使ってみた

意味のない出鱈目って難しいです。

 夜が明けると、太陽が減っていました。直接見て病気になったら困るので、数個あることにしました。男たちは飛び起きたんだけど、皆月に焼けていて見分けがつかなかったので、鉛筆で背番号を書いてあげたんです。男たちは、「お礼に島に連れて行ってやる」といって、ちがうブチをみんなで押し出して、私の横にくっつけました。まんざらでもないけど、ちがうブチは迷惑そうな顔をしている。私は指で操作してただの変顔にしてあげました。


 

 ちがうブチは終始笑顔で「お前とは飽きたから別れる」と巻物を取り出して一行目から読み始めたんだけど、横から覗いてみたら絵巻物だったので、「ははーん。これはアドリブなのね」というと顔を真っ赤にして

「透かしの文字を読んでいるんだ。邪魔をするな」と太陽を背にしていうから私はおかしくって、柔らかペンで瞼に目を書いてあげたら、目をつむったまま、丸木舟をこぎはじめた。


 やっぱり目をつむっているので、両手に持っているのはアイスクリーム用の木のスプーンだったので、私も丸木舟に同乗してあげることにしたの。でもちがうブチは男でしょ、凄く進んで島に着いたら。

「これは島じゃない亀の甲羅だ」と目をつぶったまま言うからおかしくて、「はいはい亀の甲羅ね」といいつつ上陸したら、急に甲羅が二枚貝のように開いて、私たちを中に入れて進み始めた。


 気が付くと、私たちのいた砂浜ははるか遠くになって見えなくなったと思ったら、小さなミニチュアみたいな大きさで人が砂粒ぐらいなんだ。砂粒は砂粒ぐらいなんだ。私はちがうブチと二人旅をすることになって、

足元の亀? さんに、「早く島に連れて行ってね」と声を掛けたら、足を延ばして海底を歩き始めた。


 ちがうブチと私は溺れて、でも何かチートな能力があると信じていたから、魔法のつもりで「ボート」って叫んだら、さっきいた砂浜に流れ着いていた。ただ、砂の色が違って、金魚鉢の底の砂みたいな色だったから。おかしいなと思っていたら上から金魚のえさが降ってきた。


「なにこれおいしくない」

「贅沢だ。要求しろ」

「もっとイタリアンな味にして」

「寿司味もたのむぞ」


 イタリアンと寿司が混じったようなトマトケチャップが酸っぱくなったような味で、少なくともちがうブチは大満足だったみたい。私は、ペイズリー柄のワンピースがトマト色に染まって、名前がトマワン娘になったのよ。


 砂浜では相変わらず男たちが、一生懸命鉛筆で書かれた背番号を見せ合って、一番数の小さい奴が努力賞だと競い合っていたわ。ちがうブチは背番号がなかったので、本人のリクエストにより∞にしてみたよ。


 でも敵がやってきて、いよいよ私ことトマワン娘のチートを見せる時よと意気込んで。迫りくるモンスターを見たら、料理の型抜きの型金みたいな針金のわくがずらり並んでやってきて、真ん中に透明な膜が張ってあったから、「こいつはシャボン玉ね」と女の堪でわかったの。そこで指をチョキにして突き立てたら、食品用ラップフィルムで、顔が描かれていたわ。私のおかげで「鼻が高くなった」と喜んでいたみたい。


 よく見ると微妙に知恵の輪の片割れっぽいの。でも単体じゃ意味をなさないんだよね。無駄なのね。


 お礼にたくさんの亀の餌をもらいました。ただ、ウミガメ用なのか淡水ガメ用なのかわからないので、ちがうブチに食べさせようとしたら「断固として拒否する」と変顔でいわれたので、自分で食べたわ。


 全然おいしくなかったし、私のチート能力がわからないままなので、「ボート」とまた叫んでみたら、さっきの針金のわくが、いかった表情で一列に並んで襲い掛かってきた。針金のわくは男たちと乱闘になってしまったので、私は物陰に隠れて、半分だけ身を乗り出して応援していたら、努力の甲斐があって3対1で引き分けになった。使わなかったポンポンを、そっと砂に埋めるんだけど、風が吹いて出てきてしまう。


 男たちと型金は、肩を組みあって勝利の美酒に酔いしれていて。顔が真っ青になっていた。ほらたまにいるでしょ。酔うと青ざめる人が。全員がそれだったの。笑っちゃうよね。


 腹を抱えて大笑いしていたら、ちがうブチの腹だったので、丁寧に謝罪しました。ちがうブチは顎に生えた産毛をなぜながら、「お前の不注意は見切った」とムカつくことをいうので、私は覚えたての魔法「ボート」と叫んだら、ちがうブチと私は、道路にある三角がいっぱい並んだ島の上にいて、全身のツボが押されて、すっかり健康になってしまいましたわ。


 でも寝づらいの。仕方ないから、ちがうブチに寝てもらってからその上に寝たら快適だったから、「これからずっとこの方式で寝ようね」といったら、ちがうブチが「不公平だから、お前が立った時に、俺が肩の上に乗る」と宣言された。それは流石に大変だったから、三角の一つにしがみついて泳ぎだして、この島からおさらばしようとしたのね。


 そしたらね、ちがうブチが私の真似して「ノート」と叫んだのよ。「発音が違う」って文句をつけたら、木製の立派なボートが近くに浮いていたわ。私とちがうブチが喜んで乗り込もうとしたらさっきまで砂浜にいた男たちが全員雑魚寝していたから。背番号順に並んでもらおうとしたら、神の奇跡によって消されてしまったんだってさ。しかたないからペンで番号を書いたけど、急に健忘症がはじまって、見たら全員同じ0だった。


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