お、お?来たーーーー!
ふと俺が目を覚ますとそこは、灰色の世界だった
世界と言っても何一つない寂しい空間だったが、まあ広いので世界で
「…ん~?真っ白じゃないとすれば…ここどこだ?」
神様の空間なら真っ白だと思っていたが、灰色だったのか?
「黒なら邪神とか冥界神なんだがな…」
こんな色の世界の知識なんてものはあったか?
「ほっほっほ、それはどちらもいる場所だからじゃよ」
突然後ろから声をかけられた俺は驚く事もなく振り返る
一応予想はしていたし、そろそろ来ると思っていた
「あー、混ざっちゃったみたいな感じですか…それは聞いたことあるような、ないような…」
記憶している全てのテンプレを確認するが、ごちゃごちゃしてきたため中断して神様の話を聞くことにする
「ほう、驚かないのは珍しいのう…驚かない者には喜び叫ぶ者が多いのじゃが…お主はあの娘とは正反対じゃな。娘は最後まで騒いでおった」
特に驚いた様子ではないがそう言った神様の言葉に気になる言葉があった
「その様子だと美桜はここに来たみたいですね」
「ふむ、お主はどこまで予測しておる?」
「そうですね、美桜は勇者召喚されてなんやかんやで王子に恋をしてそうですね。イケメン好きですし、あいつ」
「…聞きたかった事とは違うがまあ、ええかの」
神様は顎にちょびっと生えた髭を撫でながら言う
いまさらながら神様は短い白髪である
しかし老いている訳ではなく渋い感じで、お爺さんと言うよりもおじさまと言うのがあっていると思う
真っ白なたゆーんとした服を着ている
そんな事を思っていると、どこからか笑い声が聞こえた
「ははっ!面白いね、きみ!ふふふ、合格!」
「そんなのでええのか、邪神よ」
「いいんだよ最高神、きみも気に入っただろう?この子の事をさ」
「うむ…静かなのがええのう」
笑って近付いてきたのは紫の髪の美青年と言ったところで、外見だけなら爽やかな大学生だろうか
非常に笑顔が輝いていた
2人の会話からすると、俺はなんらかの理由でこの2人に試されていてそれに気に入られたから合格したということか?
「ふふっ…そんなに固くならなくてもいいよ」
「いや、なりますって…えと…邪神さま?」
「そう、僕は邪神だよ」
ニコニコとした笑顔に俺は、よくある悪いほうの邪神ではないと判断する
「…悪いほうじゃないってどういうこと?」
さっきからナチュラルに心を読まれているが、それは精神的に悪いと完全スルーして質問に答える
「…破壊しか頭にないような邪神と、神の業務が面倒で邪神になった邪神です
あなたは前者だとしても、色々と考えて破壊してそうですね」
「くくっ…ちゃんと僕を邪神って理解してるのに正直に言える図太い神経…やっぱりこの子は合格だよ」
「…ここまで邪神を笑わせるのも珍しいしの…いいじゃろう、お主を転生させてやる」
ついに転生出来そうです