異世界とは…!
桜漓目線になります
俺が普段全く話さない美桜に話しかけたのは何故か
それは先程のお願いに関係している
俺は異世界転生ものの小説を読んでからずっと転生することを夢見ている
いくら異世界転生ものが好きだからと言っても、ここまでの人はなかなかいないだろう
しかし俺は本気でしたいと思っている
俺は別に異世界転生したいことを隠している訳ではなく、むしろオープンにしている。だからこそ学校ではキモオタとして扱われているのだが…
ちなみに俺はオタクな訳ではない
ただ単に異世界転生の本が好きなだけであり、2次元が好きな人の言っていることはあまり分からない
だからこそ友達がいないというのを周りは分かってくれない
そんな俺が何を美桜に頼んだか
それは転生させて欲しいという話だ
なにも美桜が俺を転生させることは出来ないが
「いいか?異世界転生、異世界転移、召喚系は大体は高校生の内にされている!
確かに大学生や、三十路をこえた中年の方々もいるが大半を占めるのはやはり高校生なんだ!
それにお前は勇者召喚されるキャラだ
もし美桜でなくともお前と親しい者たちは皆そんなキャラ達だ
お前だけが残るというのはありえない
お前は異世界がないというがどこにその根拠がある?
まあそれは置いておいて、とりあえず俺にチートをくれればそれでいいから」
と、言うわけだ
息継ぎはどこでしたっけか…ゼイゼイと息を荒くしている俺の説明を美桜は聞いていない
「はあ…異世界でもなんでもいいから変な事だけはしないでよ。あんたは役立たずなんだからこれ以上迷惑をかけないで」
息を整えている俺を置いてきぼりにして家に帰る美桜の背中をじっと見ている俺の顔はニヤリと笑っているだろう
なぜなら俺は確信を持っているからな
1度は憧れますよね…転生って