3話 小さい頃の俺、まじクタばれ
妹に嫌われて数時間経った夜、俺は家族全員で夕飯を食べていたわけだが、先程の事もあってか
「っモグモグ・・・」
「・・・」
「・・・なに?どうしたの?」
「・・・お前、なんかしたか?」
もう、なんというか本当最悪だ、ご飯を食べながら妹はずっとこっちを見て睨んでくるし、それに対して母さんと父さんは普通に聞いてくるし
「な、なんで俺が何かやった前提なんだよ・・・」
いや、勿論俺からやりましたよ?でも何でそれで俺がこんなめに・・・
「い、いや、だって、ねぇ・・・」
「う、うむ・・・」
おい、妹刺激すんなっての・・・それと妹、お前俺の事見すぎ、本当怖いからやめてくれ、俺お前にそんなに酷い事してないっての!
「ね、ねぇ妹、あんた兄と何かあった?」
おい、母さんなにド直球に聞いてんだよ、これ以上この空気悪くさせないでくれ、吐き気がしてくるから
「お、おい母さん・・・」
ほら、父さんまでビクビクしてるよ?母さんやめてやれよ、俺が元々の原因だけどさ
「・・・別に、ご馳走様でした」
妹は食べ終わると、いつも通り階段を上がり自分の部屋へ行ってしまった、ただ今回いつもと違ったところは妹が俺の事を睨んでいた事だけだった
「っ・・・はぁ」
「・・・あんた、妹になにしたのよ・・・」
「か、母さん兄も妹も年頃なんだ、色々とあるんだろ」
おい、年頃ってなんだよ年頃って・・・それと何で何かやった前提なんだよ・・・
「べ、別になにもしてねぇよ・・・ただ、あいつと全然話した事ねぇなって思って、それで話してみようかなって声掛けたらあぁなったんだよ・・・」
べ、別におかしな事じゃないよな??妹と話てみたいって普通の事だよな??・・・あ、違うか今までがおかしかったんだ・・・
「!!え、兄、あんた妹と話したの!?」
「ほう、凄いな兄、見直したぞ」
母さんと父さんは俺の言葉を聞いた瞬間凄い驚いていた、そこまで驚く事じゃないだろと思ったが、今までの俺と妹の様子を見てれば今回のこれはかなりの進歩のものだと思うだろう、だが俺からしたらかなり最悪なんだが
「あ、あぁ妹と全然話してこなかったからな・・・ちょっと話してみたいな~って思ってな・・・」
・・・なんで妹と話したいなって言うだけでこんなに恥ずかしいんだ、普通兄妹で話をするなんて当たり前の事だろ・・・まぁ、異例すぎて恥ずかしいのかもしれないけど
「へぇ~、凄いじゃないあんた、なるほどねぇ、やっとこのギスギスした空気も終わってくれるのか」
「だな~」
おい、何で俺と妹が仲良くなれる前提で話を進めてんだよ、今俺達関係ズタズタだぞ?おい?
「お、おいちょっと待ってくれ、さっき妹見ただろ?あいつ俺の事すっげえ嫌ってるんだぞ?」
こんな嫌われてる状況でどうやって仲良くなっていくんだよ・・・
「?何言ってるのよ、あんた、そんなの嫌われてて当たり前じゃない」
「・・・え?」
俺は固まった、どういう事だ?嫌われてて当たり前・・・?
「そんなの誰にだってわかるわよ、長年互いに一切口聞いてなかったんだからいきなり仲良くなろうなんて無理に決まってるでしょ、それにあんた小さい頃妹の事邪魔者扱いしてたし」
「・・・っえ、お、俺そんな事してたのか!?」
「あぁ、そう言えば兄お前妹の事小さい頃毛嫌いしてたしな」
おいおいおいちょっと待ってくれ、俺にそんな記憶ないんだが、え、俺が妹を毛嫌いしてた・・・!?
「え、ま、待ってくれよ!そんな記憶俺ないぞ!?」
「記憶がないんじゃなくて覚えてないだけでしょ、あんた確か六歳頃だったし」
・・・六歳って俺小学一年生じゃん・・・、つまり妹は・・・幼稚園生?
「あぁ、そういえばそうだったな、妹が兄に遊ぼって言っても邪魔だっていつも言っててそれで年を取る度に段々妹も兄を邪魔者扱いしてきてそれで今となっては完全に互いに無視、というか話してないな」
・・・小さい頃の俺、何やってんだよ恨むぞ、って言っても六歳頃か、まぁ仕方がないのかもしれないけど・・・
「・・・俺、酷いな」
「ほんと酷いもんよ、あんな可愛い妹を邪魔者扱いして、まったく」
「ははは、まぁ兄も友達と走ったりゲームしたい年頃だったんだし仕方ないだろ」
・・・いや、別に今もゲームしたい年頃なんだけどね?にしても、そっかぁ、うん、最悪だ昔の俺くたばれ
「とりあえずは、あんた達は挨拶から始めなさい、いきなり会話なんて無理に決まってるでしょバカねぇ」
「っ息子にバカって言うなよ・・・」
「いきなり仲良くなろうとするなんてバカよバカ、パソコンやりすぎて頭おかしくなったんじゃないの??」
「母さんそれ言い過ぎだから」
おい、父さん笑って言う事じゃねぇぞ、いや確かにアニメとか見すぎて感化されてたかもしれない・・・うわぁ・・・俺きめぇ、アニメみたいに一気に仲良くなれると思ってたんだ・・・うわぁ、引くわ
「・・・確かに母さんの言う通りだ、俺キモいわ」
「とりあえずご飯が不味くなるからあんたは口を閉じてさっさと食べちゃいなさい、洗い物片付かないから、後お父さん、あまり食べすぎると余計太るわよ」
「うっ・・・た、確かに・・・」
・・・うん、とりあえずわかった事がある、まず挨拶、そして覚えてるかわからないが妹にとりあえず謝ろう、そしてそれから話しをしていこう
「母さん、俺頑張る!」
「頑張るは良い事だけど、あまり強引に迫らないようにね、あの子以外と繊細だから」
・・・うん、余計難しくなったな