14話 素直になれなくてごめんね、でも兄がすべて悪いんだよ
私はどちらかというと素直になれない性格、ううん違う兄に対してだけ素直になれない性格なんだと思う、現に兄に対して先程から冷たい態度を取ってしまっているからだ、でもそれには理由がある、一つは今まで私に冷たく相手をしてくれなかった事に対しての仕返し、そしてまたもう一つ、私は兄が正直好き、昨日私に話しかけてきてくれた時は凄く嬉しくてこちらからも話しかけようとしてしまった、でもそれじゃダメ、一つ目の理由と同じような理由だけどこちらから話しかけてしまうともう私が兄を認めてしまったような事になってしまうから、うまく説明はできないけどきっと兄は私に馴れ馴れしく話しかけてくると思う、それは嫌だ、結局一つ目の理由と同じになってしまうけど兄には当分私の苦しみを味わってもらう事にする、その分兄の苦しそうな表情が少し心に来るけど
「あ、あ~えっと、なんだ、その、色々言われてストレスとか溜まってるんだったら・・・言っていいぞ俺に・・・」
「・・・え?」
そして先程の兄のさりげない優しさ?が私は嬉しかっただからつい素直に礼を言いそうになったがそこは我慢して
「・・・・・・変な兄・・・今までそんな事してくれなかったくせに・・・」
なるべく私の苦しみをわかってほしい為辛口で言った、正直こんな事はしたくない、でも私の苦しみを知ってもらわないと本当の意味で仲良くなんてなれないと思う、だからそうした
「っぅ・・・」
兄がバカで正直者で本当に私と仲良くなりたい、本心で言っている事は若干、わかっている、正直私は本当に兄が私と仲良くなりたいのかと言う事について疑っている、でも今の兄は本当に苦しそうな表情をしている為私は
「・・・でも」
「?ん?」
「・・・ありがとう」
「!!あ、あぁ」
甘い私は兄の苦しむ顔がなるべく見たくない為、つい本音を言ってしまう、と言ってもなるべく警戒している事をわからせながら言っている為多分私の本心はバレていないと思う、そして苦痛の表情からほんの少し笑みを取り戻した兄の表情につい私も微笑んでしまいそうになるがそこは我慢して
「・・・でも、兄、それは間違ってるよ」
また兄に辛口を言う、こうでもしないといつボロが出てもおかしくない、そしてまた兄は落ち込む、正直こんな事したくはない、でも仕方ないこれが兄の罰なのだから
「!え、な、なにが?」
「・・・私が兄に愚痴を言ったとしてそれを誰かに言いふらす可能性があるから言えないよ」
ここのところは正直に言った、正直兄は本当にバカな為いつ誰に私の事を言いふらしてもおかしくない、一番最悪なのが中学の顧問に直接そんな事を言いにいったらと思うと肝が冷える、そんな事は絶対ないだろうけど
「あ~、いや、俺友達居ねえから別に言うやつ居ないぞ?」
「・・・嘘くさい」
私がそんな想像をしていた時に兄から衝撃的な事を言われ私はそんな嘘誰にでもわかると思いながら言った
「!いやいや本当だって、証拠として高校になってから部屋に篭る事あるだろ?」
「・・・私兄の事全然見てなかったから知らない」
兄からそんな事を言われたが本当に私は何も知らなかった、昨日まで兄と話すことなんて絶対ないだろうと思っていたから見る必要もないとそう思っていたから本当に兄の事は何も知らなかった、しかし兄が部屋の出入りが激しくなったのはわかっていた、でもまさか友達が居ないなんてとは思いもしなかったけど
「・・・まぁ、なんだ無理やり聞こうってわけじゃねえから言いたくなったら言ってくれ、今まで兄としての役割できなかったんだ存分に使ってくれ!」
「・・・なんか、兄、馴れ馴れしくて気持ち悪い・・・」
そして、私は兄に友達、が居ないという事がわかり最低な事に内心喜んだ、理由は兄に友達が居てしまった場合私と関わる機会が減ってしまうから、ただでさえ私と兄は学校が違う、それに私は部活をやっている為話しをする時間がない、また私と兄の今の関係は全くもって良くない、兄から話しかけてもらわないと何もできない、つまり最低最悪な状態、自分でやっておいてかなり心苦しい気分、そして兄からそんな嬉しい事を言われまたつい本音を言ってしまいそうになるがそこもあえて冷たく言う、こうしないと一気に互いに距離が近くなってしまうから、それだけは避けたい
「・・・悪い、調子に乗ってたわ」
またしても兄は苦しそうな表情をしている、正直者なだけあって表情に出やすく私も辛い、でもそんな事を思っている一方で私と同じ目に遭ってると思うと少し爽快感の様なものを感じられる、実に酷い女だと思う、でもこれもすべて兄の自業自得、自己正当化してるわけではないと思う、そして私だけ得するのもまたダメ、と勝手に決め
「・・・・・・・別に、良いけど・・・」
なるべく素直にならず、でも素直に言う、矛盾してるけどこれしか方法がない、確かこれをつ、ツンデレ?と言っていたような・・・違う?かな?
「・・・可愛い」
「え?」
兄から突然の言葉に私はつい裏返った声で言った、でもはっきりと聞こえた、可愛いと、私はその言葉が頭の中で何度もリピートされ唖然としていた
「っ!!な、なんでもねえよ、ははっ!」
「!・・・う、ぅん・・・」
そして私は兄から誤解を解くように言われ我に返り、先程の言葉を思い出し顔がニヤけそうになったが我慢した、でも胸はとても暖かくて、そして多分私は今顔がとても赤くなっていると思う
妹視点で書いてみたんだけど・・・う~ん、難しいですね、妹の心情もうまく説明できないし、・・・はぁ、うん溜息しかでない・・・です・・・
続きは明日です!