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13話 口に出すと良い事もあるけど出さない方が良い事もあるな

「・・・妹って陸上部で何の種目やってんだ?」


このままでは会話が中断してしまうかもと判断し会話を元に戻し話題を振った、またこの時期なら色々な種目もやれるだろ思ったからだ


「!ちょ、長距離だけど・・・」


「!へぇ~、凄いな距離はどのくらいなんだ?」


自分と違い長距離をやってる事に驚いた、俺は長距離がかなり苦手だった為少し羨ましいとも思った、新しく入ってくる新部員、後輩に毎回抜かれて抜かれては顧問に怒られていた覚えがある、とりあえず体力が異常になかった


「せ、1500mとか、だけど・・・」


「1500か・・・お前すげぇな俺そんなの走るのやっとだぞ?ちなみにだが俺は体力がなさすぎて毎回長距離ビリだったぞ?」


聞いて会話を終わらしてしまうとまた話題を探さないといけないので俺は自分の事をさりげなく言った、妹の事も知れてそれで自分の事も知ってもらえる、メリットしかない、と言っても自分の事なんてあまり紹介したくないが


「・・・え、毎回長距離ビリって・・・後輩にも抜かされてたの?」


「!あぁ、俺ってすっげえ体力がなくてな、毎回後輩とかに抜かされて顧問に怒られてたよ、だから妹が少し羨ましいなって思った、体力あるんだろ?」


妹が体力あるとは限らないが種目としてやってるんだからそれなりにあるのだろうと俺は判断し言った、と言っても自らやりたいと言っていた場合は知らないが


「・・・体力、あるけど・・・私も皆に抜かされてるよ、一応後輩には抜かされてないけど・・・」


その話題についてあまり触れない方が良かったのか気まずそうにしている、確かに後輩に抜かされそうになる時の絶望って半端ないよな


「あ、あ~えっと、妹はそこまで、体力、ないのか・・・?」


「・・・うん、私あまり運動とか得意じゃないから、と言うかそこまで体力ないから・・・」


話す度に妹は段々と落ち込んでいっている様に俺は見えた、まぁ確かに体力ってどうしようもないよな、努力しても中々鍛えられないしそれに呼吸の仕方もあるし


「そ、そっか、なんか、顧問とかに怒られたりするのか?」


「・・・遅いとか、ちんたらすんな、本気出せとか言われたりする・・・」


どうやら相変わらず俺の顧問だった人は厳しい?らしい、まぁ厳しくなかったら顧問なんてやらないか・・・とあまり言いすぎても落ち込んでしまう、というかストレスを溜めてしまう為あまり言わない方が良いんだが


「あ、あ~えっと、なんだ、その、色々言われてストレスとか溜まってるんだったら・・・言っていいぞ俺に・・・」


「・・・え?」


今まで兄として何もやれなかった分としてと思い俺は言った、勿論妹の信頼を得るためというのもあるがなにより妹の苦しんでる顔なんて見たくないと思ったからだ


「別にストレスとかの事についてだったら信頼とか必要ないだろ?それにストレスは体に害だしな、だから、その俺とかに言ったりしてスッキリしてみればいいんじゃないかなぁ・・・と」


妹の真っ直ぐな目に俺はビクビクと緊張しながら言っていた為何を言っているのか途中でわからなくなった、だが一生懸命伝えた


「・・・・・・変な兄・・・今までそんな事してくれなかったくせに・・・」


「っぅ・・・」


実に見事に正論を言われ心を砕かれた俺は何か言い返したくなったがそこは兄、として何も言わないようにした、これは過去の自分の罪として


「・・・でも」


「?ん?」


「・・・ありがとう」


「!!あ、あぁ」


先程まで妹に抱き付き嫌われ落ち込んでいたていたかと思いきやそれから数分後には礼を言われ俺は照れている、なんというか、忙しいな俺って


「・・・でも、兄、それは間違ってるよ」


「!え、な、なにが?」


「・・・私が兄に愚痴を言ったとしてそれを誰かに言いふらす可能性があるから言えないよ」


俺は思った、どこまで深読みしてたんだよと、後そんな事言える友人も居ねえよって言えたら・・・あ、友が居た、いや友はまだ友達と決まったわけじゃないだろ・・・ん?俺って妹に友達居ないって言ったっけ??あれ?覚えてないわ、まぁ一々会話を覚えてられるヤツなんて居ないか


「あ~、いや、俺友達居ねえから別に言うやつ居ないぞ?」


「・・・嘘くさい」


「!いやいや本当だって、証拠として高校になってから部屋に篭る事あるだろ?」


「・・・私兄の事全然見てなかったから知らない」


う~ん、ここまで否定されると信頼とかの問題じゃなくて知られたくないように聞こえてきたわ、いやもしかしたらそうなのかもしれない・・・


「・・・まぁ、なんだ無理やり聞こうってわけじゃねえから言いたくなったら言ってくれ、今まで兄としての役割できなかったんだ存分に使ってくれ!」


今の妹になら存分に扱き使われても良いとさえ思っている、聞き方によっては酷く聞こえるがそれでも俺は扱き使ってほしいと思っている、罪悪感からじゃなくただ純粋に妹の役に立ちたいと思っている、変態ではない


「・・・なんか、兄、馴れ馴れしくて気持ち悪い・・・」


「・・・悪い、調子に乗ってたわ」


自分では自覚していなかったがかなり妹に近づこうとしていたらしい、まずいこのままでは妹に嫌われてしまう、どうする・・・?


「・・・・・・・別に、良いけど・・・」


「・・・可愛い」


「え?」


俺が落ち込んで見えたのか突然慌てだしフォローを入れてきた妹が可愛く見えてしまいつい口に出してしまった、それに対し妹はポカーンとしている


「っ!!な、なんでもねえよ、ははっ!」


「!・・・う、ぅん・・・」


なんでもないと否定した筈なのに何故か顔を赤くし照れている、いや何で顔赤くしてるの!?やめてくれ!俺も恥ずかしいわ!



毎回その場しのぎで思いついた事をそのまま打ってるんでこれ本当に会話になってるのかなと心配になる事があるわ

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