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遠距離連会い  作者: 恋する?高校生@鳥取
6/6

最終章 「私たち、ずっと一緒だよ」

前回までのあらすじ


牧田郎からの会うという連絡がしばらくなくて不安に思った雪が牧田郎の家に行ってみることにした。

すると・・・

最終章  「私たち、ずっと一緒だよ」



「あなた、そこの家に用があるの??」

「はい、そうですけど。出てきません」

「そりゃそうだよ。だってそこの家の人・・・・・引っ越したから」

雪は愕然とした。

「え??何故ですか??どこに引っ越したですか???」

雪は今の状況をよく把握できてないようだった。

「確か5月中旬くらいだったかなあ、引越し先は・・・」

男性の話を必死で聞く雪。すると

「確か引越し先は福島だったかなあ」

「え?ふ、福島??ですか??」

実は雪の新潟と福島と隣県だったことを思い出した雪。

「ああ、詳しい場所は知らないけど福島に引っ越すと聞いたから。」

「え?でも大学は・・・??」

「知らないけど、辞めたのかな?何も聞いてないから。」

とりあえず雪は今の状況を振り返った。

「えっと、整理すると大分に来たけど牧田郎の家には誰もいない、近所の男性から聞くと既に福島に引っ越した。さらに大学も辞めていた。」ってこと??


雪はあきらめきれずにもう1度だけでも牧田郎に会いたいと思っていた。

そう決めた雪は急いで新潟に戻りどうしたら出会えるかを必死で考えた。

しかし、どう考えてもそれは無駄だった。

福島県に引っ越したのは知っているがどこの町またはどこの市に引っ越したのかは分からない。

その日からずっと探しているが見つからず気付いたらそのまま3週間が過ぎた。

「もしかしたら、私一生このまま牧田郎に会えないの???そんなの嫌だ!」


大学が終わりその日は女友達と一緒に帰っていた。その子は美久。

美久は雪と一緒に帰り、途中コンビニやカラオケなど様々な店に行き青春を楽しんでいた。

家の方向が違うので美久と分かれると雪はそのまま1人で帰った。しかしその日は予約していたDVDを購入するためCDショップに寄った。

レジでの予約を終え帰ろうとしたその時、雪は見覚えのある男を見つけた。

「ん?あれって牧田郎??」

そう思った雪は勇気を持って声をかけて見る。

「すいません。牧田郎さんですか??」

「え?あなたはどなたですか・・・え??雪!!?」

「牧田郎!」

「雪!」

まさかの感動の再開だった。

「え?牧田郎!どうしてここに??」

すると牧田郎は

「黙っててごめん。実は俺いろいろあって大学を辞めたんだ。そこで俺の両親の親戚の福島に引っ越して、いろいろ手続きがあって週1で会うことができなかった。しかも福島に来てから携帯を変えてしまって全部データーが消えちゃってお前の連絡先も消えてしまって、まあ今はこの近くのファミレスでバイトしていて。今日はその帰り、このショップに来ていたら、まさか雪と・・・」

雪にとってそれは本当に久しぶりの感動を味わった。

この広い日本で1度別れた彼氏とあえなくなり、まさかここで再開できるなんて。

これが雪にとってどんなに嬉しかっただろう。

「そうだ雪、今まで連絡できなくてごめん。これは俺からのお詫びの気持ち」

かばんから小さな箱に入った包を雪に渡す。

「え?これは・・・」

「俺が初めての給料でかった、腕時計だ。受け取ってもらえると嬉しい。」

雪は今までの感情が爆発したのかそこで声を上げて泣いた。

それがどの涙かは分からないが雪が感動しているのは牧田郎にも伝わった。

「ありがとう。牧田郎、私からもお願いがあるんだ。今から時間ある??」

「少しならあるけど、どうしたの?」

「いいからちょっと来て欲しい」

そう言って雪は近くのゲーセンに牧田郎を連れていき、

「感動の再会を記念して一緒にプリ撮ろうよ」

「いいね」

雪と牧田郎はカップルと言う関係を忘れ今ではもう家族のような存在となっていた。

「私たちこれからずっと一緒だよ。もう連絡先交換したからいつでも連絡してね。待ってるよ」

「俺こそ、今度は家が近くなったからさらに会えるね。もう毎日会いたい気分だよ」

「そうだね、牧田郎、これからもよろしく!」

その日2人は最高の気分のままゲーセンを後にした。

「じゃあね。また今度、連絡ちょうだいね」



「やっばーい。遅刻する~」

雪はその日大学に遅刻しそうなくらい急いでいた。

急いで準備をする中雪の部屋の中心に置いてある小さなテーブルの上にはあの日取ったプリが大切に飾られていた。

「あ、そうだ、これ付けていこ」

それはこの前牧田郎からもらった腕時計だった。

実は雪は牧田郎と一緒に同居したいと思っていたが慎太郎の家の都合でそれは不可能になってしまった。それでも雪は牧田郎のことを忘れる日は1日もない。

「これを牧田郎だと思って」

雪はその時計を大事そうにつけながらいつものだいがくへの道を行く。

来週の土曜日は2人で東京に旅行に行くことが決まった。

「楽しみだな~よし、その日まで私頑張るね」

道の途中で雪は時計を見る。

「少し余裕が出来たかな??」

すると前から自転車に乗った牧田郎が近づいて来るのが見えた。

牧田郎も雪に気づいたのか、自転車を止め、雪に声をかける。

「おお、雪おはよ。俺いまからバイト、雪も大学頑張れよ。あ、時計付けてくれたの?ありがとう」

「牧田郎こそバイト頑張ってね。ああ、この時計?だってせっかく牧田郎がくれたものだから。そりゃ大事にするよ」

「おう、おりがとう。じゃあな」

「うん、バイバイ」

2人は別々の道を行く。その日はもう別れてしまったが雪はいつでも牧田郎に会えると信じている。




熱く燃える太陽が眩しい。

雪の部屋は影があり少し涼しくなっていたが1つだけどこにも負けない暖かい物があった。

あの時のプリクラ。誰もいない雪の部屋。

でもなぜかそのプリクラ写真はいつもより笑っているように見えた。

それは雪から牧田郎への気持ちの表れかもしれない。



大学の玄関に入る雪。

「牧田郎、行って来るね」

この言葉が牧田郎に届いていますようにと思う。

雪は希望を持ちながら校舎へ入っていった。


   

(完)


いかがでしたか?

第2作目が完成しました。


まだまだ慣れていませんが評価、感想などよろしくお願いします。


最後まで見ていただきありがとうございました。

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