第5章 「もう一生会えないの??」
雪と牧田郎は毎週会っていたがあるとき突然連絡が来なくなってしまう。その理由とは・・・
第5章 「もう一生会えないの??」
「うん。本当にごめんね。 再来週会おうね!」
しかし、これが雪が見た最後の牧田郎からのメッセージになってしまうとはこの時雪は知らなかった。
そして翌週の金曜日、雪は牧田郎からの連絡をずっと心待ちにしていた。
「楽しみ~早く連絡来ないかな??先週はできなかったから今週こそは、絶対に会いたいな~」
しかしいくら待ってもその日、雪へメッセージは来なかった。
「どうしたのかな~。牧田郎のやつ!調子でも悪いのかな??もしかして当日連絡来るかな?まあ私は明日は暇だからいいけど」
しかし、いくら待ってもその日連絡は来なかった。
微かな希望を胸に雪は待ち合わせ場所に行って見た。
しかし当然そこには牧田郎は来ていなかった。
「おかしいな??」
雪は牧田郎に電話をしてみる。しかし全然繋がらない。
「いったいどうなっているの??」
少しイラつきながら雪は家に帰っていく。
しかしこれからどうしよう。このままずっと牧田郎に会えなかったら・・・
そう思うと自然と涙が出てきた。
会いたいよ・・・しかしそう言っても牧田郎には聞こえない。
((私のこのまま恋は終わってしまうのか・・・))
「まあでも来週に期待してみるか。もしかしたら会えるかもしれない?から。とりあえず期待だけ、でももし来週また連絡がなかったら・・・」
その後の1週間、雪は牧田郎のことが心配で大学の受講も全然集中ができなかった。
((1番会えないのが辛いよ・・・牧田郎お願い。連絡ちょうだい!))
そして迎えた運命の金曜日、だいたい連絡をとっていたころは午後7時くらいに毎週来ていた。しかしこの日も全然牧田郎からメッセージがくることは無かった。
「どうして、どうして。何故あれからメッセージが来ないの??」
悔しさと怒りのあまり雪は自分の感情のコントロールができなくなっていた。
そして雪はある決意をした。
「こうなったら、最後の手段を使うか。」
「あっつー、大分なんて初めて来たよ」
そう、雪は牧田郎に会うため直接牧田郎の大学がある大分県にきた。
確実に会うために雪は大学を欠席にわざわざ平日の木曜日に来ていた。
「ここに行けば牧田郎に会える」
しかし肝心な牧田郎の家を聞いていなかった、雪。
「どうしよう・・・」途方にくれていた雪はいい方法を考えついた。
「そうか、牧田郎の大学に行ってそこからいろいろ聞こう。」
しかし、大学は閉まっていた。
「え?ちょと待って、何故休みになってるの?今日平日だよね」
戸惑う雪は近所を歩いていた50代の女性に聞いてみた。
「あの~すいません。何故今日平日なのに大学閉まっているのですか??」
「ああ、先週の土日が大学の文化祭だったから今日と明日はその代休みたいですよ」
予想外の状況に手のつけようがない雪は市の市役所に行き牧田郎の親戚になりすまして牧田郎の住所を聞いた。しかし今の世の中物騒なので市役所も簡単には教えてくれない。
今度こそ本当に悩んだ雪はあることを思い出した。
「そういえば前に新潟で会った時にいざという時のために住所と電話番号が書かれた紙切れをもらっていた。財布の中に入っているかも」
そう思うとすぐに財布をゴソゴソした。するとその紙切れが出てきた。
「あったああああああああ」
あまりの嬉しさに大きな声で叫ぶ雪。
「えっと住所は、大分県の〇〇市〇〇町・・・・・」
雪はすぐ市役所の係員に
「すいません、ここに行きたいですけどここからどうしたら行けますか?」
さっきの紙切れを見せながら言った。
「ああ、〇〇町ね。もうすぐしたらバスが出るからバスで行けるよ」
「どうもありがとうございます」
バスに乗り込みいよいよ牧田郎の家へ向かう。
「えっとこの辺だよね」
番地と住所を照らし合わせながら一軒一軒確認する雪。
そして探し始めてから数十分後、やっと紙切れの番地とそこの家の番地が一致した。
「この家か・・・」
しかし雪はあることに気がついた。
その家には車が無かった。
「ん?車ないの??大学に進学したと同時に免許取ったと聞いたけど」
疑問に思いながらもインターフォンを鳴らす。しかし一向に出てこない。
インターフォンをひたすら鳴らしていると向かいに住む男性が出てきて雪に声をかけた。
「あなた、そこの家に用があるの??」
「はい、そうですけど。出てきません」
「そりゃそうだよ。だってそこの家の人・・・・・・」
雪は男性の話を聞きびっくりした。
・第6章(最終章)へ続く。
~次章(最終章)予告~
・向かいの男性から意外な事実を聞かされた雪。
果たして牧田郎はいったい・・・
そして2人の運命は!?
次章、感動の最終章です。
最終章もお楽しみに。