15/16
15
中津は丸山を佐野に任せて、篠原を追いかけた。
篠原は階段を駆け上がり、屋上に向かった。
中津がやっとの思いで屋上に上がり追いつくと、篠原は飛び降りようとしていた。
「死ぬ気か?」
「捕まって、ムショに入るよりは死んだ方がましだ。」
「お前だけ逃げて、得をさせるわけには行かない。さあ、戻ってくるんだ。」
「警部さん、俺が死ぬのを邪魔する気なら、あんたも傷つくことになるよ。」
篠原は拳銃を構えた。
「それを置くんだ。」
中津も拳銃を構えて、近づいて行った。
その時、鴨川が駆け付けた。
「警部!」
篠原は拳銃の引き金を引いた。
「危ない!!」
鴨川はあわてて篠原に向けて発砲した。
篠原の体は崩れるようにして倒れて行った。