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その日の夜、大阪城公園。
「中村、お前が呼び出された理由は分かっているだろうな。」
「篠原、分かっているさ。お前らは俺を消したいんだろ。」
「その通りだ。何か言い残すことは無いか?」
「お前らは警察にこのことがバレないと思っているだろうが、きっと逮捕されるぞ。中津という警部に。」
「えらそうな口をききやがって。」
銃声が鳴り響き、中村は大阪城の堀へと落ちて行った。
「また、関係者が殺されたか・・・」
佐野は堀から引き上げられた遺体を見て言った。
「そろそろ奴らの尻尾をつかめるんじゃありませんか?」
「丸山たちが犯人だという証拠なら、殺された中村の鞄に入っていたよ。」
中津はそう言って、水に濡れた手帳を取り出した。
「これには、川口が三人も殺したという罪悪感から出頭を考えていたので、殺されたと書かれている。」