魔方陣
早めに更新できました。
見たところ直しはないと思うんですけど、ちょっとやり直すかも知れません。
魔王だった光が鳥の形へ変化し、光の差し始めた空へ飛び立った。
その様子をどこかしんみりした様子で蒼空達は眺めていた。
「帰ろうか……」
「ああ、そうしようか。光牙、忍」
「そうね……。戦いは終わったのだし」
三人は帰るために立ち上がる。
蒼空は忍に肩を貸してもらい、立ち上がり最後自分たちの闘っていた場所を眺めた瞬間、息を呑んだ。
「どうしたの? 蒼空」
その様子に気づいた忍が蒼空に声をかける。
光牙もどうしたのか、と蒼空と忍の所へ駆け寄る。
光牙が近くに来た時、蒼空が少し震える声で言った。
「魔王が創ったあの魔方陣……まだ動いてる」
「なっ!?」
「魔王が死んだから止まったんじゃないの!?」
「俺もそう思ってたんだがまだ動いてる。それに発動まであまり時間がない‼」
この魔法陣が発動するまで元から数十分しかなかった。
魔王との死闘が数分で終わるはずもなく、もうぎりぎりだ。
「蒼空‼ 魔法でどうにかできないか?」
「流石に魔王が創った結界は無くなってるから物理的な攻撃でここの地面は壊せるし、それで止まるはず……。だけど俺にはそこに必要な力、体力、魔力が足りない。それは忍も光牙も同じだ」
光牙と忍も絶望的な顔をする。
この状況を打破するため蒼空は頭を働かせる。
「魔力をなにかで補うことができれば……。魔力の籠っていてなおかつそれを引き出すことができるものじゃないとダメだ……。雪景とかは魔力は持ってるけどどういう原理か能力に特化している……。だから魔方陣の解除には向かない……」
「じゃあ雪景の魔力で氷系の魔法で壊すのは?」
「そんなことしたらここで俺たち全員死ぬだろ。それならできないこともないけど。それは最後の手段だ」
師匠はなにか言っていたか? 魔力を他のものからとる方法について……。
なにかが引っ掛かる。師匠がなにか言っていたか気がしてならない。
『これは魔界のあるところでしか取る事のできない貴重な 鉱石で作られた指輪じゃ。これは壊れる事は絶対にない。 これに儂の魔力を少し封じた。必要になったときに使いな さい 』
「ってあるじゃん! なんのために俺はこの指輪を首から下げてんだ……」
蒼空の魔法の師匠であるところのキルア=ローブのもとを発つとき選別として貰った指輪。
師匠の魔力が封じられている。
コレを使えばなんとかなる……。
「助かりました、師匠」
蒼空は指輪を手に取り、指輪と繋がっている鎖を引きちぎり、胸の前に持ってくる。
指輪が淡い光を放ち、一直線に放たれた光が魔方陣へとあたり、魔方陣と共鳴するかのように魔方陣を同じ色に光らせる。
光が収まると蒼空はどっと疲れを感じ座り込む。
「ああーダメだ。ホントに魔力切れだ。疲れた」
そう言い蒼空はからからと笑う。
「魔方陣は止まったよ。これでホントに終わりだな」
蒼空は仰向けに寝転がり雲が晴れ青空が見え始めた空を眺めながらそう言った。
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