王の
ごめんなさい。二日に一更新かほざいてこのザマです。
「はぁはぁ……」
荒い息遣いが聞こえる。
蒼空達は一秒たりとも休むこともせず、魔王に攻撃を続けていた。
しかし、魔王の力は強大。四人がかりでも魔王に強烈な一撃を、致命傷となりうる決定的な打撃を加える事ができていなかった。
「氷剣の雨」
蒼空の放つ氷の剣は魔王の喉元へと狙いを定め飛ぶ。
それはたやすく魔王の剣に潰される。しかし、その隙を掴んとばかりに光牙が魔王の懐へと忍び込み、攻撃を加える。
「光の咆哮」
光輝く刀身。それが魔王の体に衝突した。
魔王は吹き飛ばされ、口から血を吐きだした。
「やった?」
忍が言う。
するとそれに答えるように魔王が笑った。
「ははははハハハハハハハハ。我をこの程度で倒せると思ってか? しかし四対一とはいえここまでか。なるほどおもしろい‼ さあやろうぞ。どこまでお前たちは足掻いて見せる?」
両手を広げ、天を仰ぎ見ながら魔王は笑う。
狂ったように笑う。
「規格外すぎんだろ。あいつ」
蒼空はそう言葉をこぼす。
「しっかり捉えたのだが……。攻撃が効かない」
光牙も苦虫を潰したような顔になる。
「蒼空の封印魔法はできないの?」
「そうじゃな、それができれば、時間を稼ぐぐらいは出来よう」
忍がいい、アンギラスが続く。
蒼空は、
「それが……前回の光牙達の戦闘で学んだか、このなかでは使えない。使おうと思えばできない事もないが、時間と魔力が倍以上かかる。それに魔王の動きを止めるだけじゃなく、ある程度ダメージを加えておく必要がある。そうじゃないと相手の力が強すぎて封印できない」
「ということは現実的なものではないか。なら倒すしかないか……」
「いや、倒さなくてもこの結界のような空間が壊れればいい。魔力消費も二分の一ですむし時間もまた。それにそこまでいくと魔王も弱ってるはずだし。だけどどれくらいで壊れるか分からない以上は仕方ないか。封印の為魔力は残しておくつもりだったけど、こっからは俺は魔法も使うよ」
ここまでの会話を数十秒で簡潔にしてまた攻撃に移った。
アンギラスの表情はどことなく硬い。
そしてアンギラスが言う。
「しばしの間、遠距離攻撃に移れ」
「……分かりました。しかしどうするおつもりで?」
光牙が訪ねると、アンギラスはすこし遠い目をしてから答えた。
「倒すにしろ、封印するにしろ、出し惜しみはできない。全力で当たるべきだ」
「そうですね」
光牙は魔王の方からくる闇の遠距離魔法を剣で切り裂きながら言う。
「だからの……。儂は『業火』を使う」
「なっ!? アレはダメです‼ 命をお捨てになるつもりですか‼?」
「そうじゃの。そう言われると思うた。しかし儂は王じゃ。民を護るためにはこの命かわいさに手を抜くことなどできぬ」
「しかし……」
「光牙。いままでよくやってくれた。儂の家臣たちにもそう伝えてくれ。そして最後の命令じゃ。儂の雄姿を見届けよ。そして伝えよ!」
「はっ」
光牙は戦闘中でありながら、王の、アンギラスの足元に傅く。
魔王の猛攻ともいえる闇魔法や闇の力は容赦なく襲って来る。
しかしそれはすべて蒼空が防ぐ。
そしてアンギラスは光牙を一瞥し、優しい笑みを浮かべると、光牙に背を向けた。
「さあ行くぞ魔王‼ 儂の最期の戦じゃ。『命の灯』
そうアンギラスの叫びが大気を震わせた。
次もできるだけ早く頑張ります。
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