ルーク
今年の初投稿です。
「待ちくたびれましたよ」
そう声がして、闇から姿を現すルーク。
四天王最強で魔王の片腕。
片腕でありながら城でダラダラとする、というような奴ではなく自らが魔王の為に動いている。
忠誠心が最も高いであろう男。
その姿を見て、蒼空達は戦闘態勢を整える。
「さあ、誰が相手しますか? なんならみなさんご一緒にどうぞ」
と、余裕の表情で言う。
蒼空はそれに、
「はっ、一回逃げ帰ったくせにいう事がでかいな」
「あの時私は本気を出していませんよ? それにここは私の領域だし」
「負けた奴はそう言うよな」
蒼空は言う。
もちろん本気で言っている訳ではない。
ルークは弱い男ではないと知っている。
しかし、弱音を見せる訳にもいかないから強がる。
それをわかっているのかどうかは知らないがルークは「気にすることをありませんよ」と言う。
そして続けて、
「あの時はあなた達の実力を測りかねていましたから。勇者と戦った事はないし、あなたとも戦った事がありませんから。だが四天王戦で、ある程度把握できました」
「それはあいつらを捨て駒にしたって事か?」
「そうではありませんよ。勝てると思ってました。しかしどういう状況になってもいいように注意をしていただけです」
「そうか。まあそれは戦闘に対する心構えとしては正しいな」
ここで光牙が話に割り込んできた。
光牙の持つ剣が光っている。攻撃を仕掛けるつもりだろう。
しかしそこで王、アンギラスが前に出た。
「ここは儂がやろう。戦闘での勘を取り戻しておきたい」
「なっ――――」
危険です。光牙はそう言おうとしたがアンギラスの決意の火を見て押しとどまる。
「分かりました。ですが私達も攻撃できるときはします」
「それでよい」
そう言い、アンギラスは炎の剣アグニースをルークの方むけて一振りする。
炎の斬撃が生まれ、ルークの方へ飛ぶがそれは防がれる。
「アグニース。久しぶりにの戦闘じゃ。だが行けるな? 爆ぜろ」
そう言うと、アルグリードが炎を纏った。
それを握る男の表情。
それは歴戦の戦士の顔だ。
時折見せる余裕でさえ、実力を知らない愚かな男、という風には全く見えない。
アンギラスが動く。
そして剣が振るわれた。
それだけで、世界が燃える。
その圧倒的な炎の量と熱さに、三人は手を出すこともできず、戦闘を眺めていることしかできなかった。
あけましておめでとうございます。
今年もまた八雲蒼をよろしくお願いします。
お気に入り登録、感想等待ってます。