終了
どーもー。
血しぶきが飛ぶ。
そして赤い血が地面を伝って地面を赤く染める。
斬られた男は血を大量に流しながらも、後ろへ距離を取った。
「な、なぜだ……」
斬られた男……ジークは、斬られた胴の傷を押さえながら言う。
その顔は苦悶の表情を浮かべている。
フィシャナの顔も苦しそうに歪み、フィシャナ自身も蒼空から離れていた。
「簡単だろ。感覚を共有してるって事は……苦しみや痛みもだろ? なら斬られる前にどちらかを斬ってしまえばいい。だからお前が来るところに氷の刃のトラップを仕掛け、攻撃した。すると俺の読みはビンゴ。痛みも共有してた。……俺の勝ちだ」
「まだだよ……。確かに痛いが私に傷はない。感覚を斬れば私の勝ちだ。ジーク」
「ああ」
「「共鳴断鎖」」
そう言う。それが共鳴を切る魔法なのだろう。
「これで、私たちの……」
「負けだよ」
蒼空は冷たく言う。
氷の剣がジークの両腕に両足にに刺さった。
「「ぐぁあああああああ」」
二人が一斉にうめき声をあげた。フィシャナは傷はないが地面に倒れている。ジークもじめんにひれ伏し、息も絶え絶えだ。
「俺はさっき、お前らが共鳴……だったか? を切るのを邪魔する抗魔法を使った」
「そんな馬鹿な……。それは共鳴の魔法を知らなければ、原理を理解しないとそんなことは……まさか!?」
「知らねぇよ。そんなの。ただ……師匠が凄ェってことだな。師匠が創った抗魔法は大抵の魔法を邪魔できるし」
「そんな……」
「そして共鳴は最上級魔法、もしくは最低でも上級魔法くらいの魔力を使ってた。それと俺と戦ってる間の魔力消費。共鳴中も魔力はずっと消費され続けた。だからジークが回復魔法を構築するまで、ある程度時間があった。だから抗魔法を練るのにかかる時間も稼げたよ」
「くっ……」
「これで最後だよ。四天王。俺がお前らを殺す。そして魔王も必ず。まあ感謝しておくぞ。普通に相手されてたら勝てたか分からないからな。共鳴を使ってくれたおかげでなんとかなった」
「くそが……」
フィシャナは立ち上がろうとする。傷はないが魔力消費と体力の消費、今も続く、痛みの共有。
そのせいで立ち上がれない。
「無理だな。終わりって言ったろう?」
「卑怯者め‼ 屑が、魔王様に負けるんだ。無駄なあがきはやめておけ!」
「何とでもいえよ。四天王。俺は勇者じゃないんだよ。守りたいものがあるから戦う。勇者一行の一人。俺は勝つためなら、守りたいものが守れるなら卑怯だってなんだっていい。
これで終わりにしてやる。『氷剣の雨』」
蒼空が前使っていたアイスシャワー、氷柱を上から落とす技の強化版。
かなり精巧につくられた氷の剣が降り注ぐ。
躱す場所などない、壊すとかするしか回避方法のない技。
しかし動くことのできない二人は直撃してしまう。
体中に穴が開き、二人は絶命した。
「四天王フィシャナ、ジーク。俺の勝ちだ。悪いな」
蒼空はそういい死体を一瞥すると、雪景を鞘に戻し、立ち去った。
ちょっと短かったですかね? 四天王二人をこれだけの話で終わらせてしまいました。
まあ…………。うん、やめとこう。
次話は光牙と忍かな?
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