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魔界大戦  作者: 八雲蒼
第三勢力編
45/80

できること

「蒼空、忍行くぞ!」


 光牙が足を一歩踏み出す。

 一歩踏み出しただけだと思ったのに白竜との距離が一気に縮まる。


「―――っ!!」


 白竜は光牙の速さに少し驚いたような顔になったが、すぐに反応して躱した。

 一撃目は躱されたが光牙は攻撃の手を緩めることなく剣を振り下ろし続ける。


「は、速い……だが」


 白竜は光牙の攻撃を躱しつつ、剣を振り下ろした。

 高い音が響き、光牙の剣が弾かれた。


「四竜最強……さすがだな……」


「お褒め頂き光栄です」


 白竜は一旦光牙から距離を取る。

 しかし光牙の速さでは距離はあまり意味を成さない。

 それを知っている白竜は気を緩めることなく剣を構える。

 そのすぐ後、光牙の姿がぶれ、白竜との攻防が始まった。

 光牙はとんでもない速さで攻撃を繰り出し、それを白竜はぎりぎりで躱し、光牙の攻撃をいなす。

 そんなことが何分か続いた。

 それを蒼空と忍は唖然とした表情で見つめていた。


「あの戦闘に入って行く隙が全くねぇ……」


 蒼空は雪景を持ったまま立ちつくし言う。

 それに忍も、


「ええ。下手に入って行ったら光牙の邪魔しそうだしね」


 と言いながら頷いていた。


「どうするか……」


 そう言いながら蒼空は宙に手を躍らせる。蒼空の目の前に魔方陣が描かれていく。

 そしてすぐに発動できるようにして待機する。

 すると光牙と白竜が一度距離を取り態勢を立て直そうとしていた。

 そこを蒼空は逃さず、魔法を唱える。


「光牙! 少し離れてろ……。炎の精霊の力を借り、我それを放つ!>>>炎獄えんごく


 炎の精霊魔法、炎獄を蒼空は呪文を唱え発動させる。

 魔法陣の中央から炎の塊が七つ現れ、白竜の上に降り注いだ。

 白竜の居た所は白い煙で包まれていた。


「あれを喰らえば無事では……」


 蒼空は呟く。

 だんだん煙が晴れ、視界が良くなった。

 そこには白竜が悠々と立っていた。


「やはり詰めが甘いですね。私や魔王やその幹部の様な強い者が相手の時はあそこに追い打ちをかけるように何らかの方法で攻撃を加えてちょうどいい物ですよ」


 そう言い白竜は蒼空の方へ向かって来る。

 蒼空よりも大分早い速さで……

 だがそれに反応し雪景で弾き、攻撃を加えるが掠りもしなかった。


「遅い……その程度の速さ、一般の兵の速さです」


 白竜は蒼空に攻撃を加える。

 今度は今までと違い、蒼空の右肩に攻撃が深く刺さった。

 蒼空はとっさに後ろに大きくのけぞり雪景を構えようとするが右手に力が入らず、左手だけで構えていた。

 右肩から流れてきた血が伝わってきて、力が入らずブランと垂れ下がっている蒼空の右手からポタポタと垂れた。

 蒼空はとっさに氷で血を止めようと試みるが違うところを凍らしてしまった。


「くそ……痛みでいまいちコントロールできねぇ……」


「蒼空!」


 横から忍が叫んだ。

 蒼空は周囲に目を向けると白竜が蒼空の目の前まで迫っていた。

 そして白竜が攻撃を繰り出した。

 それを蒼空は片手一本で攻撃を受け流す。

 だが、白竜が弱っている所を見逃すわけがなく連続して攻撃を繰り出す。

 もちろんその状態で長く続くわけがなく蒼空は雪景を落としてしまった。

 それを拾えば確実にやられるので蒼空は後ろに下がった。

 すぐに白竜が雪景を拾って床に深く深く指し、簡単には取れないようにした。


「これであなたは武器が使えなくなった。完全に役立たずに成り下がりました」


 そう言った後、すぐに後ろを向き、目の前に迫る光牙と戦闘を始めた。

 蒼空は一瞬ボーっとなっていたがすぐに取り直し、左手を右肩に手を当て魔法を唱えた。


「ヴァンダー」


 そう言うと白い光が蒼空の肩に当たり、傷を治していく。


「下級魔法じゃこんなもんか……」


 蒼空はそう呟き完全には治りきっていない肩を見る。

 だがそれ以上、治そうとはしない。

 そのまま立ち上がり、床に刺さっている雪景の方へ近づいていく。

 前で白竜と戦っている光牙と忍を目の端に入れ、試しに引っ張ってみる。


「だめか……」


 まぁそれもそうだろう。

 人間では到底敵わないような力を持っている竜族の中でもかなり強い奴が地面に抜けないように刺したのをただの人間が抜ける訳もない。


「だが魔法なら……ファイア」


 雪景に当たらないように地面に魔法を放つ。

 煙が晴れそこを見ると、


「なっ。傷一つ付いていない。まさか魔導コーティング!?」


 魔導コーティングはその名の通り魔法を受け付けないようにコーティングされた物の事だ。

 それはよく、鎧などに使われる。

 魔導コーティングをしていても防げるのはせいぜい中級魔法ぐらいだが今ここで上級魔法ぐらいの強い威力を持った魔法を使えば城をかなり壊してしまう事になるだろう。


「くそ……これでは俺は何もできない」


 自分の無力を嘆いた。

 結局俺は雪景に頼っている。

 今俺にできる事は……


「魔法で援護することだけか……」


 そう言い蒼空は動く。

KINU KAZUです。

なんか蒼空って最初の方から無敵だったのに今になって弱く見えますね。


それと作品とは関係ありませんが、土曜日から修学旅行に行ってきます。

場所は沖縄です。一回行った事があるので二回目ですけど楽しんできます。

更新はこのせいで少し遅れる予定です。

魔界大戦の方がやる気のない勇者の物語より早く書けるのはなぜだろう……

少しずつ書いてはいるんですが少し遅れてますね。

なので魔界大戦はやる気のない(以下省略)を更新してからなので遅れそうです。


沖縄楽しむぞ~

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