白銀の世界
竜族の所へ到~着!
白銀の世界―――――
辺り一面、白一色で出来ているみたいだ。
今は快晴。青い空が見えている。
そこを歩く三人の影。
「後どれくらい?」
忍が訪ねる。
「かなりデカい城があるみたいだから分かると思うんだけど」
それに光牙が応えた。
「じゃあまだまだっぽいね」
「ああ。それより蒼空の魔法すごいな。かなり寒そうなのにぽかぽかしてて気持ちいいぐらいだ」
「そうだね。けど蒼空はまだ魔法使ってないけど大丈夫?」
「あぁ。魔法は使ってないけど寒くないし、なんか逆に頭も冴えてきた。なんでだろ?」
「もしかして!」
忍が声を上げた。
「何だ?」
「あれじゃない? 蒼空って雪景、つまり氷の刀の使い手だから氷とかそういうのに耐性ができて寒さとかに強いんじゃない?」
「そんな事……あるかも」
「まぁいいんじゃね」
そして一つ丘を越えた所で馬鹿でかい城が見えた。
「城だ――――」
かなり壮観だった。
その時声がかかった。
「お前ら何者だ!?」
見張りみたいだった。
その見張りは鎧を着ていて、槍をこっちに向けている。
「私は竜族の兵士だ。お前らここはどこか分かっているのか?」
「竜族の城だろ?」
「分かっていて来ているのか……もしや魔王軍のスパイ!?もしくは、魔王軍の暗殺者か?」
「なわけあるか!! 暗殺者がこんな堂々と来るか!」
蒼空が怒鳴った。
「それもそうか…じゃあ何者だ」
「勇者一行だ。竜王にお目にかかりたい」
「勇者!?嘘だな…」
そう言うと叫んだ。
「敵襲! 敵襲!」
するとその声を聴いたであろう兵士がこっちに近づいてきた。
「何事だ!?」
「敵襲だ。勇者とか名乗っている」
「敵か……総員臨戦態勢」
すると十人ぐらいの兵士に取り囲まれた。
「おいおい。待てって。俺達は戦う気持ちないし、戦ったら絶対に勝つからやめてくれ」
光牙が言ったがその声は無視されてしまった。
そしてこの中では一番地位の高いだろうと思われる兵士の掛け声と共に襲いかかってきた。
しょうがないと思い剣を抜こうとしたところで今までより大きな声が後ろからかかった。
「やめろ!」
すると剣を抜いて襲いかかってきた奴もそうじゃないのも全員ピタッと動きを止め、敬礼し始めた。
すると声の主であろう男が後ろから馬に乗って現れた。
鎧を着て、槍を下げている。鎧の上からでも分かる屈強な体、そいつが馬から降りて言った。
「馬鹿者! この方は勇者様だ。竜王様にお話があって来られたであろう客人だぞ! 攻撃するとは…」
「すみません。赤竜様。知らなくて……」
「御無礼をお許し下さい。勇者様」
「あなたが四竜の一人、赤竜様ですか」
「はいそうでございます」
それを聞いて誰にも聞こえないくらいの声で呟いた。
「いきなり幹部登場っと」
「なにか言ったか?蒼空」
「いやなんでもない光牙」
「お前たちは見張りを続けろ」
四竜の一人、赤竜は部下に命じた。
「では勇者様。我が主、竜王様の城へご案内致します」
そして言われるがまま城へ案内された。
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次話は城内部の様子ですかね……