死霊の森を出て
サブタイトルが思いつきませんでした……
「死霊の森……もうここにも当分来ねぇな」
死霊の森を歩きながら蒼空は呟いた。
蒼空が後ろを見ると二人も感慨深い感じで見ていた。
「うん。そうだね……ここは修行でよく来たからもう幽霊が怖くなくなった」
「そういや最初は叫んでたしな」
「ははは。ここでまた出てきたら面白いかもな…」
「そういうこと言うと出てくるよぉ~」
突然何かが光牙の横の空を斬った。
「な――――――っ!」
そう言って後ろを向き戦闘態勢に入る。
「あ――出て来ちゃった?」
今噂していた幽霊が群れを成して襲ってきていた。
「そういや師匠が言ってたな。『初めて見た奴と住処を荒らそうとした者、森を出ようとした奴は幽霊が容赦なく襲って来る』って」
「それを早く言うべきじゃない?」
「けど、どうせ出ないといけないんだからどっち道一緒だろ」
「まぁそれもそうか」
光牙は頷いた。
「どうすんのよ。物理攻撃効かなさそうだし……」
「そうそう。これも師匠が言ってたんだけど光とか炎に弱いらしい」
「じゃあ俺の出番か」
光牙が剣を上に突き出し叫んだ。
「みんな目を瞑ってろよ。『ダズリング・ライト』」
すると眩い光に辺りが包まれた。
目を開けると幽霊は一人としていなかった。
「結構簡単に倒せるな」
光牙が言った。
その後は何事もなく森を抜けた。
「竜族のいるのはどっちだ?」
蒼空が訪ねた。
するとそれに光牙が答えた。
「ここから北に何キロか行ったところだ」
「これ以上北に行くのか?」
そう死霊の森や師匠の家も魔界でも結構北の方に属している。
「そうだ。けどそこまで離れてないと思うから何日か歩けば着くぞ」
「けど寒そうじゃない?ここでも結構寒いし……」
忍が言った。
「そうだな……魔界の北はずっと冬らしいからここも寒いところらしい。暖かい服がないと……」
光牙が言った。
「え?ここ寒いか?」
蒼空が言った。
「は?寒いだろ……」
「まじか…俺の感覚鈍ったかな」
「まぁとりあえずここより寒くなることは分かっているからどっかの街に寄って服でも買って来るか」
「そうだね……」
「あ! その必要ないぞ? 自分の周りを暖める魔法あるから……寒かったら俺がかけてやろうか?」
「おお。じゃあやってくれ」
「おっけー。『ホット』」
すると光が出て光牙、忍を包み込む。
「うわっ。暖かくなってきた」
「蒼空?自分はやらなくていいの?」
「ああ。俺は大丈夫。寒くなってきたら自分でするから」
「じゃあ行くぞ!」
三人は魔界の最北端にある竜族がいる所を目指し、歩き出した。
今度は幽霊を倒しました。
一応今回から『第三勢力編』へ突入です。
次回予告をします。
多分ですが竜族の砦付近から始まるかなぁ~と思います。