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魔界大戦  作者: 八雲蒼
王領編
17/80

理由

KINU KAZUです。

蒼空強すぎですかねぇ。

まぁ今回は女の名前とかそういったものがあきらかになります。

では。

暗い―――――――

ここはどこだ?

そうか私は負けた。

あれだけ出血したんだから死んだのだろう。

じゃあ目を開けたらそこは天国?

いや私は魔王のいいなりだったのだから地獄か―――

私は生きて妹を助けないといけないのに、死んでしまった。



♦ ♦ ♦ ♦ ♦


私は目を開けた――――


そして起き上がろうとした。

だが激痛がして起き上がれなかった。


それでも我慢して体だけ起こし周りを見渡した。


そこは地獄ではなく、あの蒼空と呼ばれていた少年と戦っていたところだった。

それに怪我をしていたはずの所からも血はでていない。


「あれ?私、生きているの・・・?」


「ああ」


横から声がした。

そこには私と戦っていた少年が石に腰かけている。


私はとっさに刀を取ろうとしたがどこにもない・・・


「私の刀、疾風はどうした・・・?」


「あれは預かっている。敵の武器を取らない訳ないだろう?」


「それはそうだが・・・じゃあなぜ殺さなかった?」


「俺は人を殺すのは嫌だから・・・」


「敵でも?」


「悪い奴は・・・しょうがない時もあるけど、てかお前も見殺しにしようとしたけど悪い奴な感じがしなかったから・・・それにうなされて魔王のいいなりだったとか、妹を・・・とか言ってたから事情があったんじゃないかと思ってな」


「それを言うとでも?」


「いや。言わせる。お前は敵だ。今のところはな。だから拷問もできる。それにお前を殺すか生かすか俺の気分次第だ」


「何で?疾風はそちらでもちょっとした能力なら持っていなくても使えるのは知っているだろう?」


「それは知っている。けどお前の止血をしたのは氷だ。俺が氷を解いたら出血をして死ぬぞ?」


「・・・・・分かった。今死ぬわけには・・・。何から話せばいい?」


「とりあえず名前を聞こうか?」


「・・・望月忍もちづき しのぶ


「望月忍か・・・いかにも忍者って感じだな」


「・・・・・」


「じゃあ俺も名乗っておく、氷堂蒼空だ」


「そんなことより要件は?」


そして望月忍は睨んできた。


「じゃあ望月、なんで魔王の手下にいるのか教えてもらおうか」


「それは魔王様の意思に共感してだな」


「それは嘘だ。魔王のいいなりとか言っていたからな」


「嘘じゃない」


「こんなとこで死んでいいのか?今死ぬわけには・・・とか言ってたけど」


「っ!・・・・・分かった」


そして一呼吸おいて望月は続けた。


「私のご先祖様が魔界に紛れ込んだ時、そこは魔王の領地だった・・・しかしそれを知らなかったご先祖様はそこに住み始めたんだ・・・」


「ちょっと待った。俺はなんで魔王の手下なのか聞いたんだぞ?何の関係が・・・?」


「これは私が魔王の下にいるのかに関係する話だ」


蒼空は望月が魔王様と今まで言っていたのにさっきの話じゃ魔王と言っていたのを疑問に思いながらこう言った。


「そうか・・・なら続けてくれ」


「そこに住み始めてから何年か経ったとき、魔界を二つに大きく分ける二百年にも及ぶ長い長い戦い、これは後に『魔界大戦』と呼ばれる戦いが始まった」


「魔界大戦?」


「王軍と魔王軍の戦いだ。この戦いが始まったきっかけは魔王が魔界をすべて自分の手中に収めようとしたことが原因だ」


「じゃあやっぱり魔王が悪いのか・・・」


「まぁそうだな。続けていいか?」


「ああ」


「お先祖様は魔王に見つからないように隠れ住んだ。その途中この疾風に出会い、選ばれた。その後、数年は見つからなかったが魔王に存在がバレ強い力を持っていることが知れた、そして戦争に駆り出された。その後も疾風の使い手が出て戦争に駆り出されていった」


「その力を見込まれお前も魔王の手下になったって事か・・・」


「大きく言えばその通りだが・・・他にも理由がある」


「理由?」


「その後、魔界大戦の終了間際勇者が現れた。そいつは仲間と果敢にも魔王に挑み自分と一緒に封印した。そして我等一族は戦争からは解放された・・・また魔王が帰ってくるまでは・・・」


「!!じゃあ俺のせいでお前は魔王の手下に・・・?」


「それも一つの理由だ。けど言ったろ?戦争からは・・・・・と・・・・・」


「どういう事だ?」


「戦争が終わってもルークや他の幹部にスパイとして使われていた。魔王が帰ってきた時万全の状態であるように・・・ルークたちは魔王の領地を取られないように必死に戦っていたが・・・」


「魔王の手下はかなり忠誠心が強いな・・・」


「そうだな・・・そして十六年前私が生まれ、六歳の時疾風に選ばれた。そしてそのころからでスパイになるため訓練させられ一年前からスパイとして働くようになったんだ・・・」


「ん?それが魔王の手下になった理由か?力を見込まれたってことじゃん」


「大きく言えばそうだと言ったはずだしそれが一番の理由ではない」


「じゃあそれは何だ?」


そしてそれは本当に嫌なことらしく少しの間口を開かなかった。


そして決心したのか大きく息を吸いこう言った。



「ルークに、魔王に妹を人質に取られたんだ・・・・・・・・・・」


「!!!!!」


「魔王が帰ってきた時、絶対裏切らないように、言う事を必ず聞かせるために妹を・・・」


「あいつら・・・・!!許せねぇ」


蒼空は怒りを押えられずそう言った。


「だから私はこんなところで死ぬわけにはいけない!妹を助けるために!!」


バシュッ


「!!」


そういう音がして望月の近くに刀が刺さった。


「これは・・・疾風!どういうことだ・・・?」


「行け・・・!」


「いいのか・・・?」


「ああ。だが一つ条件がある。三十分間ここを動くな。もし動けば氷で止血していたものを解く」


「それだけで見逃してくれるのか?」


「とりあえずは・・・な」


「ありがとう・・・」


それを聞くと蒼空は望月に背を向け、翼を生やし飛び去った。


目的地はルークの所、魔王軍の司令部だ。

これで次回は勇者、光牙視点で話が始まります。

これからどうなるのでしょうか・・・

では次回で会いましょう。


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