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魔界大戦  作者: 八雲蒼
王領編
12/80

魔界大戦12話です。

「あれを見ろ。扉だ―――――」


二人の視線はその扉に注がれていた。


そして扉に向かって歩き出した。


扉の前に来た蒼空と光牙は互いに顔を見合わせた。


「おい光牙。この扉だよな?」


「たぶん・・・・・あの受付の女はあと一つしか扉はないと言っていたからな」


「じゃあここが目的地って訳だ」


「そうだな。行くぞ」


そう言って光牙は扉の取っ手に手をかけた。


ガチャ


という音と共に扉が徐々に開いていった。



部屋の中には60歳くらいのおじさんが座っていただけだった。

他に目につく物は机とその上に置かれている書類の山、本棚くらいの物だった。


「よく来たね。氷堂蒼空くん?」


なぜかその人は俺の名前を知っていた。


「なぜ俺の名前を知っている?」


「君は雪景の新たな使い手だからね」


「説明になっていない」


「いやこれで充分な説明をしたと思うんだけど」


蒼空が分からないという顔をしていたらその人は、にこっと笑いかけこう言った。


「その前に自己紹介しておこう。僕の名前はミラー=ルード。よろしく。よし、じゃあ説明してあげよう。君は史上二人目の雪景の使い手だからだ」


「この刀がなんで関係してくる?」


「その刀は名刀中の名刀だ。その刀に並ぶ刀なんて片手で数えるくらいしか存在しない。具体的に言う五本だけ。そのくらいの名刀は選ばれた者しか使えない。魔王を倒すために必要不可欠な力だ。それを使う者を知らないなんて事はない」


「魔王を倒すために必要不可欠?」


「そうだよ。そのくらいの刀じゃないと魔王には届かない。生半可な刀じゃ届く前に砕け散る。それに魔王を封印するのはどうすればいいか知ってる?」


「知らない」


「それはね・・・・・」


「それは・・・」


そこで光牙が話に入ってきたそしてそのまま続ける。


「そういう術がある。そのために十分は足止めしないといけない。それでも誰か他に人がいたら封印できるがその人も一緒に封印される。そいつが離れる間は剣の能力で止めるんだ」


「そう。そしてそれができる剣はさっき言ったように五本だけその内三本は王の方にあり残りの二本は魔王の方にある。だから実質三本いや二本だけ、一本は王の剣だからね。ということは・・・」


「俺の立場は重要だっていうことか・・・」


「そんなことより今重要なのは、二つだ。一つ目はなぜ俺達が行くことは分かっているはずなのにセキュリティーが切られていないのか。二つ目は王はなぜここにくるように言ったのかだ。さぁ説明してもらおうか」


光牙はそう言ったあと軽く睨んだ。


「まぁまぁそんな熱くならないで、勇者、神城光牙くん?」


「速く説明しろ」


命令口調で光牙は言った。


「セキュリティーを切っていなかったのは本当に君が雪景を使えるのかを見極めたかっただけです」


そして蒼空は見た後こう続けた。


「もちろん合格だった。けど確かめないといけなかったんだよ。けどあれはセキュリティーの一部だけだったよ。確かめるだけだったし。そして二つ目の質問だけどそれは僕が今預かっている、前雪景の使い手の本を渡すために王は君たちを呼んだんだ」


「本・・・だと?」


光牙はちょっとびっくりしたような顔になった。


「そう。この本だ」


そして、ミラーは古い本をこっちに見せた。


「蒼空くん。これを返そう」


ミラーは蒼空に渡した。

そして蒼空は受け取った本をまじまじと見つめた。


「その本は真地くんが人間界に帰る前に王に託した本だ。そして中身は雪景の使い手しか見れないように呪文がかけてある」


「王に託した本なのになんであなたが持っているんですか?」


蒼空は素直に疑問を言った。


「ここはセキュリティーがかなり高いから僕のところにはいろんな禁書が預けられるんだよ。特にその本を狙う輩が魔王がいなくなってからもいたんだよ。魔王の側近だった奴とか。魔王を復活させるやり方とか書いてあると思ったのかな?」


「じゃあこれが王が俺達がここに行くように言った理由か?」


「そうだよ。光牙くん」


「そうか。ここは礼を言っておく。ありがとう。じゃあ帰るか蒼空」


「おう帰るか」


そして俺達は部屋を出ようとした。


「ちょっと待って!」


呼び止められた・・・


「なんですか?」


蒼空が聞くとミラーは、


「光牙くんは怪我をしているんだったね。治してあげよう」


そしてミラーは立ってこっちに来た。

光牙の前で止まって怪我のところに手を当て何かつぶやいた。

すると怪我がなかったようにきれいに傷がふさがっていた。


光牙は驚いたような顔一つせず、ありがとうと言った。

そして俺達は部屋を後にした。




俺達は図書館を出た。


「蒼空、真地の残した本には何が書いてある?」


「う~んと」


そう言って蒼空は本を見た。

そしてこう言った。


「すごいぞ!雪景の使い方が記されてる。ひいじいちゃんはこんな技使ってたのか」


「使い方の本か・・・蒼空、今からその本を読みながら進めるか?」


「余裕だね」


「よし。じゃあ魔王軍との戦いに加わりに行くからな。明日には着く。それまでにできるだけ読んでおけ」


「分かった」


そう言って蒼空は少し顔を暗くした。

そして考える。


人を殺すのは嫌だなぁと。


だが蒼空はこう言った。


「行こうか。光牙」


「行くか」



俺達は街を出た。

そして王軍VS魔王軍の戦争が起こる場所を目指し歩き出した。



蒼空は決意した。

人を殺すのは嫌だ。それは光牙も一緒のはずだ。

光牙はそれでも進む。それはなぜか自分が魔王を倒さないと死ぬ人が増えるからだ。

なら自分もやらないと死ぬ人が増える。殺すのは嫌だ。だがこれから魔王に殺される人、苦しめられる人を失くすため戦おうと―――――


そして蒼空と光牙は戦争の場に着いた―――――

12話書き終わりました。

読んで下さっているみなさまには感謝、感謝です。

13話はいつ出せるか分かりません。

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