231 夜明けの震えと陰陽の鎮魂
深い闇が支配していた夜が明けようとし、窓の外が白み始めた頃。
キングサイズのベッドの中では、三つの身体が身を寄せ合って眠っていた。中央には小さな身体を丸めているカリナ。右側には、はだけた浴衣から豊かな巨乳を零れさせながらカリナを抱き寄せるカグラ。そして左の後ろ側からは、妖精族の側付きであるリタが、カリナの背中を優しく抱き締めるようにして眠りについていた。
「……ん、っ……」
ふと、カグラは微かな異変を感じて目を覚ました。自分の背中に回されているカリナの腕、そしてギュッと浴衣の生地を握りしめている小さな手が、小刻みに震えているのだ。
「カリナちゃん……?」
カグラが寝ぼけ眼を擦りながらカリナの顔を覗き込むと、その閉じた瞳の端から、大粒の涙がポロポロと零れ落ちていた。涙はカグラの素肌の胸元へと滴り落ち、冷たい軌跡を描いていく。呼吸も浅く、早く、何かに怯えるようにひくひくと喉を鳴らしている。
――来たわね。
カグラは瞬時に完全に覚醒した。これが、サティアから聞いていた、カリナの『少女のアバターが引き起こす精神的な不安定さの症状』なのだとすぐに理解した。長旅の極度の疲労と緊張が解けた反動もあって、堰を切ったように現れたのだろう。
「大丈夫よ、カリナちゃん。私がいるわ」
カグラはカリナの震える身体を、自らの豊かな胸元へと深く抱き寄せた。そして、カリナの赤い髪や頭、細い背中を、愛おしむように優しく、何度も何度も撫でてやる。無意識の底で、圧倒的な不安と恐怖に苛まれ、ただ純粋な『母性』を求めてすがりついてくるカリナ。
カグラは、少しの期待と、そして何より妹分を救いたいという強烈な愛情を込めて、自らのはだけた胸をカリナの顔に押し付けた。そして、無防備に甘えを求めるカリナの小さな口に、自らの右の薄紅色の蕾をくわえさせた。
「んっ……、ちゅぅっ……」
カリナは抗うことのできない本能の衝動に従い、押し付けられた右の蕾に夢中で吸い付いた。赤子のように、ただひたすらに、安心を求めて貪るように。
「あぁっ……! んんっ……」
強い刺激と、カリナの必死な熱情に当てられ、カグラの口から演技ではない、甘く艶かしい声が漏れた。しかし、彼女の心の中は純粋な慈愛で満ちていた。
「カリナちゃん、大丈夫よ……。私達が側にいるからね。一人じゃないわ……」
カグラはカリナの頭をしっかりと抱き寄せ、耳元で優しく囁き続けた。カリナは無意識のまま、その母性を求める強烈な衝動に突き動かされ、カグラの蕾を吸い続ける。さらに、カリナの右手は無意識にカグラの左胸へと伸びた。飢えた獣が温もりを貪るように、カグラの豊満で柔らかな胸に指を食い込ませ、その弾力の中に指が深く沈み込む。
「あっ……はぁっ……、いいのよ、もっと甘えて……」
カグラの口からは甘い声が漏れ続ける。彼女の身体はカリナの愛おしさに熱を帯びていくが、しかし、サティアやルナフレアのように、その胸から母乳が溢れ出すことはなかった。
それでもカリナは、唯一の命綱にすがるように夢中で吸い続ける。カグラは母乳が出ないことをもどかしく思いながらも、カリナの頭や髪の毛、背中を休むことなく撫で続け、「大丈夫よ、大丈夫だからね」と、声を掛け続けた。
「……んん? カグラ様……?」
その異様な気配と声に、左側にいたリタも目を覚ました。彼女は目の前の光景に一瞬目を丸くしたが、すぐに事態を悟った。
「カリナ様……! 大丈夫ですか。……カグラ様、これが、昨夜おっしゃっていたカリナ様の症状なのですね」
「ええ、そうみたい。リタ、あなたもカリナちゃんの背中をゆっくり撫でて、温めて、落ち着かせてあげて」
「はいっ!」
リタはカリナの背中に手を回し、ゆっくりと、一定のリズムで背中をさすり始めた。二人の大人の女性から発せられる圧倒的な温もりと愛情に包まれ、カリナの症状は徐々に、本当に少しずつではあるが落ち着きを見せ始めた。浅かった呼吸が深くなり、小刻みな震えもゆっくりとおさまってくる。
しかし、カリナの瞳からは依然として涙が流れ続け、カグラの素肌の胸や、はだけた浴衣をぐっしょりと濡らしていた。カグラはカリナに胸を吸わせ続けたまま、自身の本職である術士としての力を行使することを決意した。
「――カリナちゃん、少しだけ、私の術の力を借りるわね」
カグラはカリナの頭を抱いていた左手を離し、空中で素早く複雑な印を結んだ。精神安定系・相克陰陽術。対象の心にある『陰(不安・恐怖・怒り)』と『陽(自我・誇り・衝動)』を同時に映し出し、強制的に均衡させる高度な術だ。
「陰は静寂、陽は鼓動。
相反するもの、ひとつに還れ」
カグラの紡ぐ凛とした詠唱が、夜明け前の静かな寝室に響き渡る。彼女の指先から、淡い白と黒の光の粒子が生まれ、絡み合いながらカリナの身体を包み込んでいく。
「荒ぶる心よ、恐れを解け。
揺らぐ魂よ、己を思い出せ。
天地の理に従い、
今ここに均衡を結ぶ――
『心鎮・陰陽和合』」
カグラがカリナの背中に優しく手を当てると、白と黒の光の粒子がカリナの体内に吸い込まれていった。パニック、暴走、狂気を解除し、心を『戦う前の素の状態』へと戻す術。その効果は絶大だった。
「……あっ……」
カリナの身体からスッと力が抜け、カグラの胸からゆっくりと口を離した。焦点の合っていなかった瞳に、確かな理性の光が戻ってくる。
「……ごめん、カグラに、リタ……。もう、大丈夫だ……。落ち着いたよ……」
カリナの声は、長泣きした子供のように掠れ、震えていた。
「はあ、はあ……。本当に、もう大丈夫なの?」
カグラは荒くなった呼吸を整えながら、カリナの顔を覗き込み、再びぎゅっと抱き締めた。
「ああ。もう大丈夫だ。……ごめん、カグラ。お前にまで、こんなことをしてしまった」
正気を取り戻したカリナを襲ったのは、強烈な自己嫌悪と羞恥心だった。中身は歴戦の戦士であるはずの自分が、理性を失い、本能のままに仲間の胸を貪り、泣き喚いたという事実。
「私は……私が情けなくて仕方ないよ……。この少女の身体が引き起こす精神状態に、いくら抗おうとしても、理性が吹き飛んでしまうんだ。サティアは『受け入れて楽になったらいい』と言ってくれているし、私も受け入れようとはしているけど……。でも、こうして落ち着いた後に、もの凄い自己嫌悪に襲われるんだ……っ!」
カリナはカグラの胸元に顔を埋め、両手で自分の顔を覆い隠した。その小さな身体が、今度は悔しさと情けなさで小刻みに震えている。
「大丈夫よ、カリナちゃん。泣かないで」
カグラはそんなカリナを、肯定するように、守り抜くように、力強く抱き締めた。
「私達は、あなたがどうなっても、全部受け止めて肯定してあげるからね。自己嫌悪になんて陥らなくていいの。あなたは私達の大切な妹分で、仲間なんだから……」
「カグラ……」
「迷惑なんかじゃないわ。むしろ、こんなにも私を頼ってくれて、こんなにも愛おしく感じるんだからね」
カグラはカリナの赤い髪を優しく梳きながら微笑んだ。
「はい、カグラ様のおっしゃる通りです」
背後から抱き締めていたリタも、優しい声で同意した。
「そんな華奢で幼い少女の身体でありながら、エデンの特記戦力として常に最前線に立ち、皆を守ってくださるカリナ様は、エデンの誇りなのです。そんなカリナ様を責める者など、この国には一人もおりません。どうか、ご自身を許してあげてください」
リタはカリナの背中を、慈しむように撫で続けた。
「……そうか、……二人共、ありがとうな……」
カグラとリタの無条件の肯定と深い愛情に触れ、カリナの心に渦巻いていた自己嫌悪は、徐々に溶けていった。安心感が極度の疲労を引き出し、カリナはカグラの腕の中で、今度こそ安らかな寝息を立て始めた。
「……ふぅ。寝たわね」
カグラは小さく息を吐き、カリナが起きないようにそっと布団を掛け直した。
「母乳が出なかったのは残念だけど……カリナちゃんのこの症状は、私が想像していたよりもずっと重症かもしれないわね。アーシェラへの過酷な旅に同行したのが、あの『性女』のサティアで本当に良かったかもしれないわ。彼女の献身がなかったら、カリナちゃんはどうなっていたか……」
カグラは真剣な顔つきで、隣のリタを見た。
「それに、この不安定な状態に陥る間隔が、徐々に短くなってきているらしいの。少女の身体の精神状態に、元々の強靭な人格がどんどん侵食されていっている感覚があって、本人はそれがすごく怖いのね。困ったわ……。私の術で精神的な安定をもたらすことは一時的にはできるけど、永続じゃない。これは今後も、私達の誰かが常に側にいて、ケアをしてあげないといけないわね」
「はい。思ったよりも、深刻な状態なのですね……」
リタも悲しげに目を伏せた。
「カリナ様は、普段はあんなにも凛としていらっしゃいますから。その落差が激し過ぎて、ご本人が一番精神的に苦しんでおられるのでしょう。周囲は皆、大人ばかりですから……彼女の感じているプレッシャーは、相当なものなのかもしれませんね」
カリナの『中身はあの聖騎士カーズである』という実際の正体を知らないNPCのリタは、純粋に『幼い少女が背負う重圧』として、的確な意見を述べた。
「そうね。……リタ、私はしばらくこのまま、カリナちゃんの様子を見ておくから、朝食の準備をお願いしてもいいかしら?」
「畏まりました。カリナ様が目覚められた時に、しっかりと栄養を取って頂けるように、腕によりを掛けますね」
リタは静かに起き上がると、寝間着を脱ぎ、ブラジャーを着け、いつもの清潔なメイド服へと手早く着替えて、キッチンへと向かっていった。
ベッドに残されたカグラは、安らかな寝息を立てるカリナの寝顔を見つめた。
「カリナちゃん……。こんな小さな身体で、世界の命運を握るほどの精霊王の加護を持つだなんて。本人に自覚症状はなくても、そのプレッシャーは計り知れないほど大きいはずよね」
カグラはカリナの額にかかった前髪を払い、その小さな唇に、チュッと優しい口づけを落とした。
「でも大丈夫。私はいつでも、カリナちゃんの側にいるからね。……でも今は、ゆっくり休んで。長旅の疲れも残っているでしょうから……」
カグラはカリナを自らの胸にすっぽりと抱き寄せ、温もりを分け与えながら、自分も静かに二度寝へと落ちていった。
◆◆◆
そして、陽が完全に昇り、小鳥のさえずりが聞こえ始めた頃。カリナは再び目を覚ました。
「ん……」
視界に入ってきたのは、その見事な巨乳を浴衣からはだけさせたまま、自分を抱き寄せて規則正しい寝息を立てているカグラの顔だった。
カリナは自分の内面を確認する。先程までの、あの理性を焼き尽くすようなドロドロとした衝動は、嘘のようにおさまっていた。カグラの術と、彼女の深い愛情のお陰だ。
「……ありがとう、カグラ」
カリナはそっと手を伸ばし、カグラの美しい頬を優しく撫でた。
「ん……んん……?」
その感触に、カグラが目を覚ました。
「おはよう、カグラ。ごめん、夜明け前にすっかり迷惑を掛けたな」
カリナは起き上がり、ベッドの上でペコリと頭を下げた。しかしカグラはすぐに切り替え、起き上がると、そんなカリナを前からぎゅっと抱き締めた。
「おはよう、カリナちゃん。謝ることなんてないわ。大丈夫よ、カリナちゃんが悪いわけじゃないんだから。それはアバターの未成熟さが起こす症状なんだし、どうしようもないことよ」
カグラはカリナの背中をポンポンと叩く。
「それに、あの症状は夜か朝にしか来ないんでしょ? その時は、必ず私達の誰かが一緒に寝て、寄り添ってあげるんだから、安心していいのよ」
「ああ……、ありがとう」
カグラの明るく前向きな言葉に、カリナは救われた思いだった。
「……でも、私からは母乳が出なかったわ……」
カグラが、ふと悔しそうに、ぼそりとこぼした。
「えっ? あ、ああ……」
カリナは苦笑しながら、カグラの肩を軽く叩いた。
「サティアも、最初からいきなり出たわけじゃないんだ。私の不安定さを受け止めているうちに、徐々に出るようになったからな。だから、もしかしたらカグラも、その内出るようになるかもしれないぞ」
「まあ、そうね! いきなり出たのは、NPCであるルナフレアくらいだし! 私も愛情なら負けてないんだから、その内絶対に出るようになるわ!」
カグラはいつもの調子を取り戻し、豪快に笑った。
「ははは、お前らしいな」
カリナも釣られて笑い、さて着替えるか、と立ち上がろうとした。――その瞬間、股間に生暖かい、強烈な違和感を覚えた。
「ああー……、やっぱりか」
カリナは顔をしかめた。あの症状に襲われ、誰かに甘えて胸を吸うと、なぜか女性の身体としての反応が引き出されてしまい、愛液が溢れて下着を濡らしてしまうのだ。
「こうなるから、あの症状は嫌なんだよな……」
カリナは渋面を作りながら、アイテムボックスからルナフレアが用意してくれた代わりの白いショーツを取り出した。
「ふふ、あれだけ私に密着して、あんなに甘く吸い付いてたんだから、そりゃあそうなるわよね」
カグラも苦笑しながら立ち上がった。
「って言うか、私もカリナちゃんに胸をずっと吸わせてたから、感じちゃって下着がぐっしょりだわ」
カグラはあっけらかんと言い放つと、はだけた浴衣を脱ぎ捨て、濡れた黒いショーツも躊躇いなく脱ぎ捨てた。そして部屋のローテーブルにあったティッシュを数枚引き抜くと、自分の秘所を無造作に拭き、さらにカリナの股間も丁寧に拭き取ってくれた。
「はあ……、このぬめっとした感触、本当に嫌なんだよな。代えの下着をもらっておいて、本当に良かったよ」
カリナは綺麗になった股間に安堵し、新しい白いショーツに穿き替えた。一方、カグラはその拭き取ったティッシュに染み込んだ液体を、まじまじと見つめた。
「ふふっ……。これが、カリナちゃんの蜜……。すごく甘い匂いがするわね。ちょっと味見を――」
「カグラ」
カリナは底冷えするような低い声で、カグラを睨みつけた。
「さすがにそれ以上踏み込んだら、お前をあの変態のエクリアと同レベルの存在として認識することになるぞ」
「あははははっ! 冗談よ冗談! ついね、魔が差しちゃっただけよ! そんな変態チックなことはしないわよ!」
カグラは慌ててティッシュをゴミ箱に放り込み、自分も新しい紺色のショーツを穿いた。
「今日はまだ、あの症状の疲れが身体に溜まっているみたいだ。やっぱり、今日はのんびりした方がいいな。この身体は、精神的な疲労がすぐに肉体の疲労に直結して、疲れやすいみたいだし」
「そうね、無理は禁物よ」
カリナは、ルナフレアから渡された衣装セットを開き、今日着る私服を取り出した。カグラがセットの白のレースのブラジャーを後ろから着けてくれ、私服の着替えを手伝ってくれる。
今日のカリナの衣装は、大人の色気と上品さを兼ね備えたスタイルだった。胸元が広めに開いた、身体のラインを拾うボルドー色のタイトなリブニット。そしてボトムスは、歩くたびに深いスリットから健康的な美脚が覗く、黒のロングタイトスカートだ。足元には黒のヒールを合わせた。
「どうだ?」
カリナは姿見の前でくるりと回り、着心地を確認した。タイトなシルエットが、女性らしい身体のラインを強調している。
「うん、すごく似合ってるわねー! 大人っぽくて素敵よ。カリナちゃんの素材の良さが引き立ってるわ!」
カグラはパチンと扇子を広げ、満足そうに頷いた。
「カリナちゃんが洋服なら、私もたまには和服じゃなくて、洋服を着ようかしら」
カグラはそう言うと、自室の巨大なクローゼットを開けた。そこには、以前サティアと一緒に『モード・ド・エデン・セレスト』に買い物に行った際に買い込んだ洋服が並んでいる。
「これにしようっと」
カグラが選んだのは、爽やかでフェミニンなスタイルだった。
トップスは、表面にぽこぽことしたエンボス加工のような花柄の立体感がある、ふんわりとしたパフスリーブの白い半袖ブラウスだ。
ボトムスは、薄い水色のゆったりとしたワイドデニムパンツ。 膝の部分にはダメージ加工が施され、横にスリットが入っているのが抜け感を演出している。足元には、つま先に小さな黒いリボンがちょこんとついた、ベージュのフラットパンプスを合わせた。
「よし、じゃあ私が手伝うよ」
今度はカリナがカグラの背後に回った。サティアの「暴力的な巨乳」ほどではないにしても、それでも両手から溢れんばかりの十分過ぎる大きさの巨乳を、白いレースのブラジャーのカップにしっかりと収め、背中のホックを留める。そして、ふんわりとしたブラウスとワイドパンツの着付けを手伝った。
「ふー、完成。まあ、こういうのも新鮮でいいわね」
カグラは姿見の前でポーズを取り、満足気に微笑んだ。
「ああ、カグラの洋服姿はすごく新鮮だな。和服もいいけど、そのカジュアルな服もカグラのスタイルの良さが際立ってて、すごく似合ってるぞ」
カリナはいつものように、全くの邪心なく、思った通りのストレートな感想を口にした。
「っ……!!」
そのあまりにも真っ直ぐで純粋な褒め言葉に、カグラは顔をボンッと赤く染めた。
「も、もうっ……! カリナちゃんは、そういうところは本当に昔から素直なんだから……っ! 照れるじゃない!」
カグラは広げた扇子で顔の下半分を隠し、パタパタと忙しなく扇いだ。
「? ただの素直な感想だぞ?」
カリナはなぜカグラが照れているのか分からず、不思議そうに首を傾げた。その鈍感さもまた、彼女らしい。
「はいはい、わかってるわよ! ……あ、良い匂いがしてきたわね」
カグラは誤魔化すように、キッチンの方へ視線を向けた。リタが腕を振るう朝食の、出汁と焼き魚の香ばしい匂いが漂ってきている。
「さあ、行きましょ! しっかりご飯を食べて、今日は一日、このお姉ちゃんがたっぷり甘やかしてあげるからね!」
カグラはカリナの手を引き、明るい笑顔でリビングへと歩き出した。波乱の夜明けを乗り越え、英雄達の長閑で温かな休息の一日が、今まさに始まろうとしていた。




