215 朝露の甘い棘、揺れる心と別れ
アーシェラの王城、最上階に位置する貴賓室。
大きな窓のカーテンの隙間から、朝陽の細い筋が差し込み、豪奢な絨毯の上に光の帯を描いていた。
カリナは、とろけるような心地良い温もりと、柔らかさに包まれながら、ゆっくりと意識を浮上させた。まだ夢と現の境界を彷徨うようなまどろみの中で、自分がサティアの腕の中に抱きしめられていることに気付く。頬に触れる滑らかな肌の感触、鼻腔をくすぐる甘い香り。
重いまぶたを薄く開けると、目の前には刺激的な光景が広がっていた。赤いシルクのナイトドレスが乱れ、はだけた胸元から、雪のように白く、そして豊かな膨らみが露わになっていたのだ。
「ん……」
カリナの口から、無意識に甘えたような吐息が漏れる。理性では起きなければと思うのに、身体がそれを拒絶していた。この温もりから離れたくない。もっと深く、この柔らかさに沈んでいたい。少女の身体の本能が、そう訴えかけてくるようだった。
カリナは吸い寄せられるように、はだけたサティアの胸に顔を埋めた。ぷるんとした弾力のある肉感に頬が押し付けられ、甘いミルクのような香りと、サティア自身の女性的な匂いが肺いっぱいに満たされる。それは、戦いで張り詰めていた神経さえ芯から溶かすような、麻薬的な安らぎだった。
昨夜はあんなに安らかに眠りについたはずだった。だが、ふいにカリナの胸の奥底から、黒い感情の波が押し寄せてきた。理由のない寂しさ。足元が崩れ落ちるような不安。誰かに縋りつきたくてたまらない、幼児のような渇望。
それは成長期の少女の身体特有の、精神的な不安定さだった。中身の人格がどれほど強固であろうと、器である肉体のホルモンバランスや情緒の揺らぎには抗えない。
――怖い。一人は嫌だ。置いていかないで。
言葉にならない叫びが喉元までせり上がり、カリナはサティアを抱き締める腕に力を込めた。自分でも制御できない感情の奔流に戸惑う間もなく、碧眼からぽろぽろと大粒の涙が零れ落ちる。
このままではダメだ、自分はエデンの特記戦力なのだから――そんな理性の声は、圧倒的な本能の前に掻き消された。
カリナは震える唇を開き、目の前にある救い――サティアの右の胸、その先端にある淡いピンク色の蕾を口に含んだ。ちゅぅ、と舌を絡めて吸い付くと、口の中に温かく、濃厚な甘みを持った母乳が溢れ出してくる。
「んっ……」
甘い刺激と熱に、サティアが長い睫毛を震わせて目を覚ました。彼女がゆっくりと目を開けると、そこには自分の右胸に必死に吸い付いているカリナの姿があった。その目尻には涙が光り、小さな肩が小刻みに震えている。まるで、嵐の中で母鳥の羽の下に逃げ込んだ雛鳥のようだ。
「カリナさん……」
サティアの胸に、締め付けられるような愛しさが込み上げた。彼女は躊躇うことなく、カリナの頭を抱き寄せた。その顔が自分の豊かな胸に埋もれるほど、強く、優しく抱きしめる。
朝の静寂に包まれた貴賓室に、サティアの慈愛に満ちた甘い声が響く。
「大丈夫ですよ、カリナさん……。……辛いのでしょう? 気が済むまで甘えて下さい。私が全て受け止めますから……」
サティアは理解していた。これはカリナの弱さではない。性と少女の身体という器がもたらす精神的な不安定さに、カリナ自身が葛藤し、苦しんでいるのだと。その無防備で痛々しい姿が、サティアの母性本能と庇護欲を激しく揺さぶる。
彼女はそっとカリナの左手を取り、空いている左の乳房へと導いた。カリナは無意識にその豊満な膨らみを指で包み込み、もにゅり、と甘えるように揉みしだく。指の間から溢れる柔らかさと温もりが、冷え切った心を温めていく。
溢れた母乳がカリナの手を伝って濡らし、サティアの薄手の赤いナイトドレスにも白い染みを作っていく。母乳の甘い香りと、カリナの涙のしょっぱい味が混じり合い、二人だけの濃密な世界を作り上げていた。
「……うぅ……っ、ぐっ……」
カリナの喉から、嗚咽のような音が漏れる。母乳を嚥下する音と、泣きじゃくる声が重なる。サティアは慈愛に満ちた瞳でカリナを見つめ続け、子供をあやすように優しく赤髪を撫で、震える背中をさすった。
「ララバイ・オブ・アエテルナ……」
サティアが静かに詠唱する。聖なる子守歌の旋律が、可視化された光の粒となって部屋を満たし、カリナの心を蝕む怒りや恐怖、不安といったネガティブな感情を優しく溶かしていく。
次第に、カリナの強張っていた身体から力が抜けていった。荒かった呼吸も落ち着きを取り戻し、吸い付く力も弱まっていく。
「もう大丈夫ですよ。不安な気持ちは取り除きましたから」
サティアが女神のような微笑みを向けると、カリナは名残惜しそうに、ゆっくりと口を離した。口元には白い雫が糸を引き、瞳は潤んで赤くなっている。彼女は恥ずかしそうに顔を伏せ、サティアの濡れた胸元とナイトドレスに頬を擦り付けた。
「……ありがとう、サティア。いつも受け止めてくれて……」
カリナの声は微かに震えていた。
「自分ではどうしようもなくなって……怖いんだ。自分が自分でなくなっていくようで」
その宝石のような碧眼から、再び涙が零れ落ち、サティアの素肌を濡らす。
サティアは両手でカリナの顔を包み込み、優しく持ち上げた。ブラウンの瞳が、カリナの不安気な瞳を真っ直ぐに見つめる。
「少女のアバターがそうさせてしまうのです。カリナさんの人格の問題じゃありません」
サティアは言い聞かせるように、優しく語りかけた。
「だから、自分を責めないで下さいね。どんなカリナさんでも、私は大好きですから……」
彼女はカリナの額に、愛おしみを込めて口づけをした。チュッという音が、静かな部屋に響く。
「……ああ、ありがとう。でも……」
カリナは視線を彷徨わせた。
「徐々に精神が侵食されていくような感覚があって、怖いんだ。私は……どうなってしまうんだろうか」
その姿は、戦場で見せる凛々しい英雄の姿とは程遠い、ただの無力な少女そのものだった。そのギャップが、サティアの心をさらに惹きつける。
「カリナさんの側には、いつも私達がいます」
サティアは力強く断言し、カリナを胸に抱き寄せた。
「この旅の間は私が。エデンに帰還すればカグラさんやルナフレアさんもいますから。みんな、今のカリナさんをちゃんと受け入れてくれます。だから、一人で抱え込まないでください」
彼女はカリナの背中をポンポンと優しく叩いた。
「不安なときは、いつでも言って下さい。何度でも、こうして抱き締めますから」
「ああ、そうさせてもらうよ……」
カリナは涙を拭い、サティアの背中に手を回してしがみついた。
「これからも迷惑を掛けるかもしれないけど……そのときは頼むよ。受け入れたくはないけど、受け入れないと壊れてしまいそうだからな」
悲痛な思いを吐露するカリナに、サティアは胸を痛めつつも、同時に深い悦びと独占欲を感じていた。
「はあ……愛おしいです」
サティアは夢見心地で呟き、カリナの頭に頬ずりをした。
「いつもは凛としたカリナさんが、私の前でだけこんなにも無防備な姿を見せてくれるのですから。この旅に一緒に来て良かったです」
彼女は悪戯っぽく笑い、濡れた自分の胸元を見た。
「それに、カグラさんやルナフレアさんは母乳が出るかわからないですからね。ふふ、私だけ特別感があります」
「……はあ、私は本気で悩んでいるのになあ。女性の感性は謎だ」
カリナは呆れたように溜息を吐いたが、その表情からは先程までの悲壮感は消えていた。
「ふふ、カリナさんもいずれ完全な女性になってしまうかもしれませんよ?」
サティアが冗談めかして怖いことを言う。
「おい、そんな怖いことを言わないでくれ! 男に甘えるようになったらもうヤバいぞ! それだけは勘弁してくれ」
カリナが本気で焦る様子に、サティアはくすくすと笑った。
「ふふ、今のカリナさんを見れば、ソウガ王はきっと感動するでしょうね。『余のカリナがこんなに可愛らしくなるとは!』って」
「何でそこでソウガの名前が出るんだ? あいつは関係ないだろ」
カリナは不思議そうに首を傾げた。その天然な鈍感さは、相変わらずだった。
◆◆◆
「さて、着替えるか」
しばらくして落ち着きを取り戻したカリナは、ベッドから身体を起こした。
「アーシェラでの用事も済んだし、今日からまた帰国の旅だ。……魔導列車なら半日なのにな」
彼女は白いワンピースの寝間着を脱ぎ、ショーツ一枚になった。その時、カリナは顔をしかめた。
「うわあ、まただ……。こうなるから嫌なんだよな」
白いショーツの股間部分が、ぐっしょりと濡れて透けていたのだ。サティアに甘え、母乳を吸っている間に、身体が勝手に反応して愛液を溢れさせていたのだ。カリナは羞恥と自己嫌悪で顔を赤らめ、濡れたショーツを脱ぎ捨てた。
「ふふ、あれだけ密着してお互いの体温を感じていたので、仕方ないですよ。身体は正直ですから」
サティアも起き上がり、濡れたナイトドレスとショーツを脱いだ。彼女の豊満な裸体が朝の光に晒される。彼女は部屋に備え付けのティッシュを取り、カリナの濡れた秘所を優しく、丁寧に拭き取ってくれる。
「……んッ、……はあ、困った身体だ」
拭われる感触に微かに声を漏らし、ねっとりとした体液を見て、カリナは深い溜息を吐いた。彼女はアイテムボックスから、新しい清楚な薄い緑色のショーツを取り出して穿いた。
「ふふ、カリナさんに甘えられると、いつもこうなっちゃいますね」
サティアも自分の股間を拭き、セクシーな黒レースのショーツを身に着けた。その妖艶な腰つきは、聖女とは思えないほど蠱惑的だ。そして、今日着る衣装のセットを取り出した。
「さあ、お着替えしましょう」
サティアはショーツ一枚の煽情的な姿のまま、カリナの着替えを手伝い始めた。まずはブラジャーだ。サティアの手によって、カリナのそこそこの大きさの胸がカップに収められ、背中でしっかりとホックが留められる。
「今日の衣装はこれですか」
サティアが手に取ったのは、カリナが取り出した複雑なデザインの衣装セットだ。水色に黒と白のリボンがふんだんにあしらわれたチューブトップワンピース。スカート部分は白のゴスロリ調で、ふわりと広がるシルエットが可愛らしい。
その上から、リボンがたくさんついたフード付きのタイトなローブを羽織らせる。色は白と黄緑を基調とし、裏地はシックな灰色だ。裾や袖にはフリルがあしらわれ、長袖の袖口はフレア状に広がっている。
「足元はこれですね」
太ももまでの長さがある、白に紫のデザインが入ったロングニーハイソックス。サティアが膝をつき、カリナの細い脚にソックスを通していく。履き口にはリボンが付いている。靴は黒に白のラインが入ったショートブーツだ。
着付けの最中、サティアの豊満な肢体と巨乳が揺れ、時折カリナの肌に触れる。その柔らかさと弾力が、カリナに昨夜と今朝の甘い余韻を思い出させる。最後に、紫の花の髪飾りをカリナの赤髪に着けて完成だ。
「よし、じゃあサティアの着替えを手伝うよ」
今度はカリナの番だ。いつものように、サティアの大きなブラジャーに、その零れ落ちそうな乳肉を丁寧に収めていく。手のひらに余るほどの重量感と柔らかさに、カリナは無心で作業を進める。
「ふぅ……いつものことだが、大変だな」
ホックを留めると、カリナは額の汗を拭うふりをした。サティアには、用意した淡いピンクの法衣と、スリットの入った膝丈のスカートを着せる。歩くたびに脚線美が覗くデザインだ。仕上げに青いマントを羽織らせ、カチューシャ型のサークレットを頭に着けてやる。
「ありがとうございます」
サティアが微笑み、着替えは完了した。
洗面所で顔を洗い、身支度を整える。サティアは椅子に座ったカリナの髪を、いつものようにブラシで丁寧に梳いていく。そして自分の髪は、後ろで三つ編みにまとめた。
コンコン。
ドアがノックされ、侍女達が朝食を運んで来た。
テーブルに並べられたのは、アーシェラ特産の中華粥や小籠包といった点心と、パンやオムレツ、サラダといった洋食がミックスされた、ボリューム満点のメニューだ。
「いただきます」
二人はしっかりと朝食を摂り、これからの旅路に備えてエネルギーを充填した。
食後、カリナは愛刀とソードを腰に佩き、サティアも『メイデンロッド』を腰紐に差した。旅支度を整え、二人は貴賓室を出た。
◆◆◆
廊下に出ると、向かいの部屋からエリックとグラザが姿を現した。二人は既にいつもの装備に身を包んでいる。
「おう、おはようさん! お前らよく寝れたか?」
エリックが朝から元気よく声をかけてきた。昨夜の酒はすっかり抜けているようだ。
「おはよう。久し振りにベッドで寝たが、いいものだな」
グラザもすっきりとした表情で言う。
「おはようにゃ!」
エリック達の部屋に泊まっていたケット・シー隊員も、元気いっぱいに飛び出してきた。
隣の部屋からは、テレジア、ディード、シャオリンが冒険者装備で出て来た。
「おはようございます」
「やはり貴賓室は違いますね、よく寝れました」
「お肌の調子もいいですね」
女性陣も口々に感想を言い合う。
「みなさん、おはようございます」
サティアが優雅に挨拶を返す。
「おはようみんな。私達はとりあえず今日から帰国の旅だ。先にサキラ女王に挨拶に行こう」
カリナが号令をかけ、一行は玉座の間へと移動した。
◆◆◆
玉座の間では、サキラ女王が気だるげに玉座に座っていた。まだ昨夜の酒が抜けていないのか、少し目が据わっている。膝の上にはシリュウ王子がちょこんと座り、傍らには夫である宰相が控えていた。
カリナ達は玉座の前まで進み出ると、一斉に跪いた。
「おはようございます。今日はエデンへ帰国します。大変お世話になりました」
カリナが臣下の礼を取り、代表して挨拶を述べた。
「そうか……もう帰国か。早いものじゃな」
サキラは残念そうに眉を寄せた。
「もう少しゆっくりしていっても構わんのだぞ? まだ語り足りん」
「エデンでやることもありますし、まだ行方不明の仲間の捜索もしなければいけませんので」
カリナは丁重に断った。
「名残惜しいですが……魔導列車が繋がれば、半日で来れる距離になりますから」
「なんと! 魔導列車はそこまで早いのか」
サキラは驚きの声を上げた。
「ふむ、ならば仕方あるまい。開通したら、我らがエデンに顔を出そう」
「はい、いつでもお待ちしております」
サティアが深く頭を下げる。
「この度は世話になった。……お前達がいなければ、今の力が落ちたこの国では悪魔に蹂躙されておったであろう。心から感謝するぞ」
サキラの言葉に、カリナは顔を上げた。
「いえ、恐らくあの悪魔は、精霊王の加護を持つ私やエデンの戦力、サティアやグラザを狙って来たのでしょう。私達が巻き込んだようなものです。申し訳ありません」
「気にするでない」
サキラは鷹揚に手を振った。
「どの道、悪魔は討伐しなければならん。それに理由は何であれ、悪魔の軍勢を退けたのは事実じゃ」
彼女の瞳に、王としての威厳が戻る。
「アーシェラの国軍も、100年前のように屈強なものにしなければならんからな」
「はっ! 今後は訓練をさらに厳しくしていきます!」
左右に控えていた騎士団長のショウキと、格闘術士軍団長のコウマが声を揃えて答えた。
「他の五大国もそうでしたが、やはり戦力は落ちているのですね」
カリナがポツリと言うと、サキラは苦々しげに頷いた。
「うむ、情けない話じゃがな。かつての襲撃事件で多くの猛者を失い、後進も育っておらん。……だが、これからはもっと軍の育成に力を入れることにしよう」
「はい。エデンも国軍の強化には力を入れておりますので、いつか合同訓練などができればいいですね」
「うむ、そうじゃな! それは楽しみじゃ」
サキラは膝の上のシリュウを下ろし、立ち上がった。
「では、城門まで送ろう」
一行が歩き出すと、シリュウがトタトタとカリナの元へ走ってきた。
「カリナおねえちゃん、かえっちゃうの?」
彼は不安気にカリナを見上げ、服の裾をギュッと掴んだ。
「ああ。でも、魔導列車が繋がったらいつでも会えるからな」
カリナはしゃがみ込み、シリュウの頭を優しく撫でた。
「両親の言うことをよく聞いて、元気に過ごすんだぞ」
「……うん!」
カリナはシリュウをひょいと抱き上げると、そのまま城門の外まで歩いた。サティアやエリック達も、その微笑ましい光景に目を細めながら後に続く。
城門の外には、爽やかな朝の風が吹いていた。カリナはシリュウを地面に降ろし、目線を合わせて笑った。
「またな」
「うん、またね! おねえちゃん!」
シリュウは名残惜しそうに、それでも精一杯の手を振った。
「では、気を付けて帰国するのじゃぞ」
サキラ女王も見送りの言葉を掛ける。
カリナはグラザに向き直った。
「グラザ、お前はどうする? 一緒に行くか?」
「いや……さすがにそこまで世話になるのは気が進まん」
グラザは首を横に振った。
「鍛錬がてらに走って帰るさ。足腰も鍛え直さんとな」
「わかった。エデンで待ってるぞ。……クリスにちゃんと謝れよ?」
カリナが釘を刺すと、グラザはバツが悪そうに頭をかいた。
「ああ、わかってるよ。ちゃんと帰るさ」
「またな! 魔導列車が開通したらエデンに遊びに行くからよ!」
エリックがニカっと笑い、手を振った。
「お世話になりました。また会いましょう」
「お気を付けて」
「みなさんもお元気で!」
テレジア、ディード、シャオリンもそれぞれ別れの挨拶を交わす。
「ああ、みんなまた会おう!」
カリナは全員を見渡し、力強く頷いた。そして、空に向かって右手を掲げた。
「来い、ガルーダ!!」
高らかな鳴き声と共に、黄金の羽毛と赤い翼を持つ巨大な神鳥ガルーダが空から舞い降りてきた。その神々しい姿に、アーシェラの兵士達から感嘆の声が上がる。
カリナ、サティア、そして隊員は、ガルーダの背中に軽々と飛び乗った。
「行くぞ、ガルーダ!」
バサァッ!!
ガルーダが巨大な翼を広げ、力強く羽搏いた。風を巻き起こし、一気に大空へと舞い上がる。
眼下には、手を振るエリック達やサキラ女王、そしてシリュウの姿が見える。アーシェラの赤い街並みが、みるみるうちに小さくなっていく。
東の空には、輝く太陽が昇っていた。目指すはエデン。ガルーダは希望を乗せて、朝の空を一直線に飛翔していった。




