表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放ものに転生した。ただし、ざまぁされる側らしい  作者: 流石ユユシタ
第2章 元婚約者来訪編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/74

第49話 魔族側

「【十二凶】が既に四人やられた……」





 とある地下の根城。そこには闇に包まれた人の形があった。その存在は玉座に座り、苛立ちを隠さない。




 その者の前には多数の魔族が膝をついていた。その数は百を余裕で超えており、全員が玉座に座るものに逆らう気配すらない。





「なぜだ。なにゆえ、十二凶がやられた。我が直々に生み出した眷属であるはずだが……」

「恐れながら……十二凶様、その三人を討ち取ったのは……災厄の魔女でございます」






 災厄の魔女という名前が出た途端、玉座の者は顔を顰めた。




「我が復活する二百年の間、あいつは何をしていた?」

「……災厄の魔女も、魔王様と同じように復活する機会を伺っていたようで……」

「……我を倒した後、何者かに倒されたというのか。信じられぬ。あの女を倒せる化け物がいるのか」





 玉座に佇む存在は……魔王と言われた。そう言われるだけあり、他者とは魔力の質が全く違う。


 量も数倍、数十倍を保有しており、全身から迸っている。






「災厄の魔女は魔王様を倒された後、他の魔族も壊滅させました。しかし、その強さを恐れた人間により、背後から頭蓋骨に剣を刺され、死亡をしています」





 魔王に対し、一人の魔族が災厄の魔女について説明をした。彼女は魔王を倒した後に、人間によって殺されてしまった。



 それが真実であり、災厄の魔女が人間を恨む理由でもあった。





「死亡したのか。なるほどな、人間を守ろうとして人間に殺されるとは皮肉なものだな。しかし、大樹を息をすように生み出し、作物も当然のように実らせる神のような化け物が……人間に殺されるとはな」

「しかし、その後、脳天を切り刻まれ……全ての肉片を燃やされた魔女ですが……、驚異的な再生能力によって、灰から蘇りました。しかし、流石に魔女といえど再生には二百年をかけたようですが……」

「……そこまでされても蘇れるとはな。化け物ぶりは健在か」

「魔王様も災厄の魔女に倒され、肉片となっていたと言うのに復活をなされています。さすがは魔王様」






 魔王もまた、極限の状態から復活を果たしていた。しかし、魔王の場合は、魔女によって倒された肉片一部の魔族が持ち帰り、錬金スキルや再生スキル、回復スキル、などを使い、再生させたのだ。




 魔王も魔女も驚異的な生命力と、ステータスによってなんとか生き延びていた。






「そうは言うが……【十二凶】もすでに三体倒されたか。やはり魔女は侮れんな」

「そこでご報告なのですが……災厄の魔女と同じ容姿を持つ人間も確認しております。その者は魔女と同じような能力も持っていまして」

「……あの魔女と同じような人間……。すぐに叩き潰すしかあるまい」

「ご安心ください。人間社会からはすでに孤立しており、さらに孤立を深めるように策を練っております。魔女と同じように人間により、殺されるように……」

「……そうか、人間を上手く使え。下等な種族も、争わせ混沌をもたらせば、魔女も動きにくかろう」






 ──魔王はそう呟き、魔族の手下に再び命令をした。





「災厄の魔女と、その酷似した人間を潰すように動け……」









◾️◾️







 (わらわ)は都市クスロの時計塔の上で、ミクスという男を見つけた。妾としては、シエラがどうなっているか気になっておったが……



 その前にこの男も、注意しておかなければの。




 シエラはこの男と恋仲と言っておったが……普通に考えて黒髪青目の女を好きになる男はいない。



 妾は二百年前に殺されて、復活した。復活をしてから、妾が自身が災厄の魔女と言われ、世界を滅亡に導いたなどと言い伝えられており、驚愕した。



 まさか、ここまで人間が妾を裏切ってくるとは……



 だからこそ、妾と同じ見た目を持っているシエラが愛されているはずがない。きっと、あの男はシエラを利用しているか、何か他にわけがあるんじゃろう。





「……祭りが終わったら、少しお茶でもどう?」





 なんじゃと……? 妾をお茶に誘うじゃと……? シエラと付き合ってるわけではないのか?



 恋人がいるのに、別の女をお茶に誘うじゃと……? 妾も利用しようとしておるのか?



 それとも……この男、気が多いのか? 




「……浮気か?」

「違う」





 まぁ、黒髪と青目の女を好きになっているわけがない。妾にも擦り寄って利用しようとしておるのかもしれん。





「単純に仲良くしたいだけなんだ。魔族とかも対策するのに共闘とかも出来るかもしれないし」

「妾は共闘などするつもりはない」

「……そ、そうか。でも、シエラ気にかけてるみたいだし」

「別に気にかけておらん」




 気にかけておるのは事実だが、それがバレると弱みにつけ込まれるみたいになるからの。





「うーん。でも、リーネも悪い人には思えないし。協力して欲しいんだ。無論、俺達も助ける」

「……そう言って以前も裏切られたの」

「そうだったのか。でも、俺は裏切ったりしない。どちらにしろ、魔族は共通の敵だからさっさと片付けた方が良くないか?」

「いや、魔族を滅ぼすなら妾だけでも出来る。しかし、人間もついでに滅ぼしたいのでの。両方とも共倒れしたところを狙わせてもらおうか」

「それって……言わない方がいいんじゃ」

「……」





 そうか、言わない方が良かったのかの……。






「取り敢えず、落ち着いたら一回ゆっくり話さないか?」

「……はぁ、意味がないことと思うがの。それにお前には恋人がおったじゃろ」

「いや、これは浮気とかじゃないしな」

「そもそも、本当に愛しておるのか? 利用をしようとしておると思えるが? 黒髪に青目の女を好きになる理由があるのかの?」

「うーん、俺は別に黒い髪も青い目も嫌いじゃないからな、後、シエラ顔が可愛いし……」





 ……あ、そう。




 いや、別に妾が褒められたわけじゃないが? なんともいえない気分になるの。





「あと声とか……あと……いや、なんでもない」

「体か? 体がいいんじゃな?」

「……いや、まぁ、顔も体も声も、あと性格とか」

「……そうか、まぁ、そうか……」





 なんじゃ、こいつ……よく舌が回る男じゃの。嘘であると分かりきってしまうの。そうは言ってももう少し詳しく聞いてやるかの。





「まさかとは思うが、キスとかはしてないじゃろ?」

「……まぁ、それくらいはね。恋人だし」

「……え、えぇ!? じゃ、じゃあ、舌は入れたのか……?」

「まぁ」

「……あぁ!! そ、そんな事にまでなっておるとは……」






 そ、そうか、そこまで行っておるとは。随分と嘘を突き通すために色々をしておるようじゃの。




「むっつりか」

「ち、違う! 妾は単純にお前が騙しておるじゃろうと思って」

「シエラと同じでむっつりか」

「だから、違うと言っておるじゃろうが!」




 この男、妾をむっつりとか言い寄って……。妾が本気を出せば、一瞬で粉々にできるんじゃがの。




「さて、俺は一旦用事があるから」

「なんじゃ、用事とは」

「……まぁ、色々とね」

「ほう、悪だくみか」

「違うって……魔族が居るから、探してるんだ。多分、シエラを狙ってるからさ」

「……そうかの」

「恋人だしさ。傷つけるわけには行かない」






 こいつ、本気でシエラが好きなのか……? 黒髪青目じゃろ……?



 いや、もしかしてそういう性癖の可能性がある? 世の中には色々な変態がいると聞くが、こいつもその類かもしれん。



 となると……





「それが終わったら、お茶しよう」





 妾も狙われておるのか……? シエラだけではなく、妾も恋人の一人でもするつもりなのか?



 節操なしなのか……?



 はぁ、どちらにしても、こやつからもう少し話を聞かんといけん。十二凶の一体を倒したのはこの男、シエラもこの間よりはるかに強くなっておった。



 理由も聞かなければならんしな。



 


 仕方あるまい、茶に付き合ってやるかの。





「ほれ、男、魔族ならあそこにおるぞ」

「え? わかるの?」

「妾くらいになればの。仕方あるまい、少し話を聞いてやる」





 本当に仕方あるまい、さっさと魔族は消してもらうとするかの。その後は仕方あるまい、茶に付き合ってやるかの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ