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追放ものに転生した。ただし、ざまぁされる側らしい  作者: 流石ユユシタ
第2章 元婚約者来訪編

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第33話 魔族とは

「それで話を戻すんだけど。僕の婚約者が魔族かもしれなくて……」

「あぁ、そうですか」

「シエラさんはあんま反応してないけど、魔族って200年前に存在したって言われてる化け物だからね。伝承でしか聞かない種族」





 そう、魔王と魔族、そういうのは伝承でしか語られていないという設定だ。アニメだと詳しくは語られていないが、200年前に実は魔王が居たとかなんとか?



 でも、厄災の魔女も200年前いたとか言うからいまいちそこらへんの時系列がわからん。



 そんでもって魔王と魔族はもっと前から居たみたいだし、1000年前にも居たみたいだし。






「魔族ならこの間ミクスさん倒しましたよね?」

「ええ!? ま、魔族を倒した!? って言うかそもそも居たの?!? それに倒すってすごくない!?」

「そうです、ミクスさんは凄いんです! ユルレさんとミクスさんは釣り合ってないと思うのでさっさと帰ってください」

「魔族を倒せるほどの実力なら、ますます良いよ! ちょっとだけ、僕と結婚してくれない!?」

「おいこら!!」






 シエラ、俺が魔族を倒したとか言わなくて良いのに。魔族は本当に居るかどうかと言われてるからね。だから、報告とかもしないようにしてたのに。



 だけど、魔族ね。魔王が生み出したとされる眷属、凶暴な性格と強力なステータスとスキルを持っている。


 眷属でもある程度強いってなると、王となるとどれほどなのかな。



 アルドが勇者のスキルが強かったように、魔王も強いんだろうな。さて、内心で色々考えるのも大事だが、そろそろ俺も会話に入ろう。



 シエラだとさっさと帰らせようとするだけだからな。





「それでユルレは、その結婚相手が魔族だと言いたいのか?」

「そうだね」

「具体的にどこでそう思った? それとなぜその人と結婚したくなくて俺なんだ?」

「うーん、その人はさ。最近Aランクになった人なんだ。名前はヴァニッシュ」

「ほう? そうなのか」





 Aランクからは貴族の誘いが多くなると言うからな。そいつもランクが上がって声がかかった、そのうちの一つがリューゼン家だったのだろう。




「そのヴァニッシュって人なんだけど。魔力がちょっと変な気がしててさ」

「魔力が変ね」

「うん。ちょっと淀んでる気がするんだ。お父様はそんなことないって言うんだけど、僕は変だと思ってる」

「なるほど魔力ね。ただ、それだけじゃ……」





 それだけじゃ、と言ってもう拒否しても良いんだけど。この世界はアニメが元になってるわけだし、アニメだとこう言う違和感って、事件につながったりするし。


 だから、もう少し深掘りをしようかな。




「それとさ、その人、こっそり黒い塊みたいなのを食べててさ。前に一度だけ見たんだけど。食べた際に魔力の色とかが変になってて。最近、噂程度は聞いてるんだ……。人間を魔族に変えてしまう暗黒の薬のことを……」

「なるほど」

「まぁ、そもそも魔族自体が伝承にしか残らない存在と言われてたし。その魔族にする薬も噂程度だからさ。でも、僕にはあのヴァニッシュがどうにもその噂と関係ある気がしてて」

「魔族に変えてしまう黒い塊か……」




 確かアニメでは魔王の手下のカデムが、ミクスに食べさせて魔族にさせていたな。名前は【魔の宝玉】。ミクス以外の救済の光も食べてたんじゃなかったけ?


 黒い塊、それを食べると魔力などが増えるが魔族となってしまう薬。魔族が持っていることしか、アニメでは語られていない。



 しかし、この話の感じからするとユルレの婚約者はガチでヤバいかもな。





「それに今ミクス様も魔族を倒したって言ってたよね? ってことは魔族も本当にいるってこと……だとすると噂は……」

「俺からしても……そのヴァニッシュはもしかしたらとは思う」




 アニメでも人間が魔族になるような描写があった。その婚約者もそうなっている可能性あるな。





「その人、最近までCランクだったんだ」

「……急にAランクに上がったと?」

「それもおかしくない? そう簡単にステータスってポンポン上がったりしないはずなのに急に強くなったんだって……。まぁ、たまに成長期の人とか入るにしてもさ。お父様は彼の成長が気に入ったみたいでさ。今までにない英雄の素質がありそうだからって我が家の血統に入れたいみたいでさ」







 貴族とは自らの血筋を良くしたいから、冒険者とかを取り入れようとするって言うのがよくある。



 この世界だと貴族は20代前半で結婚するとかがよくある。前世の中世ファンタジーだと10代後半には結婚してないと遅いとか言われるのがよくあった。



 しかし、この世界は血筋を見極めて良くするために20代前半までは伸ばして見極めるとかがあるらしい。だが、流石に20代前半までに結婚しないと遅いと言われるらしいのだ。



 彼女は19歳だし、結婚とかは適齢期と言われるタイミング。だからこそ、彼女の父親はそこを加味してそのヴァニッシュを選んだのだろうけど。





 それがユルレにとっては好ましくない相手だったと言うわけか。それにしてもアニメだと泣きながら結婚をシエラに報告して嬉しいとか言ってたけど、こんなに疑ってるってことは……嫌だったというわけなのか?



 この作品って結構鬱要素とかあるし、原作小説はもっとえぐい描写があると聞くし。



 その辺の結婚もかなり裏のある話だったのだろうか。2クール目をみておけば良かったと思うけど……。



 そこを知らなくても、黒い塊を食べてて一気に強さが上がったというのも確かに普通ではない気がするな。




 シエラも似たように一気に強さがはねあがったが、ステータスアップの木の実を、俺の協力があってバク食いした結果だから、超例外として考えていいだろう。あと主人公だし。 





「それでさ、それよりもお父様が気にいる人があんまり居なくてさ……それにさそう簡単に実績とかも居ないからさ。だから、諦めてもいたんだけど……そんな時にミクス様の話を聞いたんだ」

「そうか。ただ、俺で太刀打ちできるか? Aランクになったが相手の方がインパクトある気がするし。急成長した冒険者の方が珍しい気もするし」

「いやいやいや、ミクス様の方がすごいでしょ。ルディオ様に認められてて、Aランクになって、元アルケミスター家で貴族だし。他にも昨日気づいたけどご飯も作るのもおいしい。って言うかさ、あのパン美味しすぎない? ああ言うのがあると観光とかも賑わってお金もよく動くし、領地も活発になるしさ」






 ルディオに認められた……面白い男だとかちょっと言われた程度だと思うんだけど。


 まぁ、公爵家だからな、良くも悪くも評価が大きくなってしまうのは困る。




「だから、君の元にすぐに手紙を出したのさ」

「そう言うことか。訳があったとは言え、あの速さに驚いた」

「ルディオ様が認めたって聞いたからさ。他の貴族も狙うだろうなぁって思ったし。僕もこれが最後の賭けだったからね」

「やっぱり公爵家の力は大きいか。ルディオなんてSランクの最強冒険者だしな」

「……そりゃSランクって言う強さもあるしね。大きいのは間違いないよ。まぁ、彼も彼で苦労人とは聞いてるけどねぇ……まぁ、それはいいや」






 ルディオもルディオなりに苦労とかがあるのだろうか。ユルレは何か知っているようだけど、貴族内だから知っていることだろうし。


 そう言うのに俺はそこまで興味もなければ、首をつっこむつもりもないのだ。



 しかし、このままユルレが結婚とかなってもそれはそれでヤバい気もするしな。




「ともかく、そう言うわけでミクス様に声をかけたってわけだ。シエラさんも色々誤解させてごめんね? 結構警戒してたみたいだからさ」

「……まぁ、はい。理解はしました。私は貴族とかそう言うのは疎いので……完全に理解はしていませんが事情があるのは承知です」

「それなら良かった」

「それはそれとして、ミクスさんは諦めてもらって」

「切り替えすごいなこの子は……まぁ、そう言うわけでミクス様結婚してもらえる?」




 そう言うわけで結婚してもらえると言われても困るぜ。どう言うわけでも俺は結婚とかするつもりないからなぁ。



 って言うか、まだ結婚とかをしたいって思えないんだよなぁ。



 前世の両親が愛してるとか、好きとか言ってたのに両方不倫してたあたりから、人間の好意とかがイマイチ分からなくなったし。



 ブラックとホワイトを見てるから、興味は湧いてきてるんだけどな。しかし、結局は俺の人間の好意の疑いと理解の浅さがあるからな。



 そんな状態ではなぁ……





「俺はまだ結婚とかはさ。それにそのヴァニッシュが嫌だからって、俺を選ぶのも意味がわからないんだけど。好きな人とかいないのか?」

「貴族なんだから、好きな人と結婚するとかそう言うのあるわけないじゃん。ミクス様もそれは知ってるでしょ」





 まぁ、そりゃそうだ。彼女からしたら結婚とかはするのは当然で、好きな人でなくてもするのは当たり前で。



 でも、その中でそれなりにマシな方を選んでいるだけだ。そう思うと結婚とかに変な幻想とか思っているのは俺なんだろうな。



 好きな人と結婚して、ずっと愛するとか。夢物語を追ってるだけなのかもしれないなぁ。



 好きな人かぁ……居たかな? 結局、よく分からない状態になってしまった気がする。




「ミクス様って意外とロマンチストなんだね。でも、そう言う結婚って珍しいよ」

「この世界だと……いや、どの世界でもそうかもな」

「だから、僕で我慢しておきなよ。顔いいし、体もいいし、スキルと家柄もいい! 僕についてきな。最高の人生にするからさ」




 おお、そうも強気に言えるのはすごい事だ。しかし、どうにもナンパされているような気分になるのが不思議だ。




「ミクスさん。貴族は厄介ごとが多いと聞きます」

「分かってるさ。流石に断る」

「えぇー、いいじゃん。僕って可愛いしさ。子供だって可愛いと思うよ? ミクス様も顔いいしさ」




 そんな子供を理由にされても、動かんぞ。まだ見ぬ子供で結婚するかとかならないだろ。





 だけど……このまま断るだけっていうのも可哀想な気がしてきた。多分だけど、これって放っておいたら死ぬような気がしてきた。



 さて、どうしたものかな……




 何か、他に案を一緒に考えようと彼女に言おうとした時、先にユルレが口を開いた。



「僕、ミクス様の子を産むからさ! ちょっとだけ、結婚してみよ。嫌なら途中で辞めればいいわけだし! 幸せな家族になろ!」

「……!!!!!!」




 その時、その場の空気が死んだ気がした

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