表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放ものに転生した。ただし、ざまぁされる側らしい  作者: 流石ユユシタ
第2章 元婚約者来訪編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/31

第27話 クリームパン強い

 サリアバザーの日がやってきた。



 早朝から場所取りをするためにシエラと一緒に部屋を出る。



「ミクスさん、ありがとうございます。私の荷物まで影に入れてくれ」

「こうした方が手間もないしな」




 俺の影には荷物を入れられるから、シエラの荷物も大量に今入れているのだけど。これくらいは別に当然さ。


 それよりも、シエラが一瞬にして大量に野菜を作り出したのがびっくりだよ。バザーに出品するようとして種を蒔いて数秒で野菜を想像したもんね。



 毎度のことだけど、これチートすぎて笑ってしまったわ。これで役立たずみたいな感じで追放されているんだから理解できない。



 救済の光はポンコツしかおらんかったのねと思うだけだ。




 あ、そういえば、アニメだと救済の光のフィオナもバザーに居るんだよね。あいつって大商人の家系だからね。


 こう言う場所でよく出品元々してたのかもな。そこまで深入りしたくないから聞いてはなかったけど。


 




「場所取りは自由にするなんて、割とラフな所あるよな」

「そうですね。まぁ、これって交易祭? の品定めも兼ねてて。そっちがメインなので割と緩いんでしょうか?」





 交易祭が本番ってのは確かにそうだな。なんて言っても他国の王子が来るくらいだしね。



 実際には見たことないけど、立ってるだけでオーラが凄いらしい。ルディオと同等以上にすごいらしいな。



 シエラもこれからモテる時代が始まるからね。ようやく報われる時が来たかな。そう言う訳でバザーは成功させてくれ。




 サリアの町で出店を出せる場所は決まっており、その地域内では早いもの勝ちで陣取れる。


 俺達は割と早朝から出てきたのもあって、すぐに良い場所を取れた。アニメだとシエラも場所は取れてたけど、石投げられたり、居ない者扱いされてたからな。



 これは可哀想なので流石に回避させてあげよう。





「シエラは隣で準備してくれ」

「あ、はい!」




 影から出した野菜を彼女に渡していく。トマトとかきゅうりとか沢山の品々がすぐに並んでいく。



 品を並べていい場所は予め机とかシートのようなのが置いてあるのにそこに並べていくと壮観だった。



 事前に俺は食べたので知っているが、味はちゃんと美味しい。びっくりするぐらいに美味しいのだ。この世界は基本的に植物もモンスターも臭みがあるからな。


 先ずこれが作れるだけで凄いことなんだよね。



 食を楽しむって文化がそもそも根付いてないから、まだ評価されてないけど。貴族ではちゃんとあるらしいからね。




 そう考えるとユルレがシエラを評価するのも当然だったのかもしれないな。





「ミクスさんはクリームパンですよね!」

「あぁ、自信作だな」





 木のボードに大量にクリームパンを俺は乗せている。その数は実に200個。



 いやー、これ程の数を作るのは初めてだったから疲れたぜ。しかし、これほど個数が並ぶと壮観だな。





「ミクスさんのは美味しいからすぐ売り切れになってしまうかもしれないですね」

「そうかもな。個人的にこれは自信ありだ」

「ですよね、私も大好きです!(1番はミクスさんが好きですが)」





 まぁ、正直どこまで売れるかは分からないけどな。しかし、これで大人気になったらどうしようかな。


 目立たないようにしたいと思ってたけど……




 まぁAランクになってしまった時点で目立つもクソも破綻してるからね。


 このまま、シエラを育て上げたら他国に自力追放をすれば全て問題ない気がしている。



 そこそこの町で小屋とかを買って、改築とかをしてカフェとか飲食店っぽい感じにしたいな。


 いや、パン屋もありかな。



 いやいや、喫茶店みたいな感じでのんびり接客するのも大分ありかもしれない。



 喫茶店で過ごしながら、タイミング誰かがいれば結婚とか……まぁ、そこまでは考えすぎかな。


 先を考えるのはいいことだが、足元を見るのも大事だ。



 しかし、結婚か。シエラはやはり他国の王子と結婚なのだろうかね?



 もうすぐ、交易祭とかで会えると思うけど。どんな感じになるのか楽しみだな。アニメと全く同じか、それとも違う感じになるのか。



 ルディオが他国王子に喧嘩売るのも楽しみだな。うん、ルディオお前王子に喧嘩売るとか胆力凄すぎだな。




 他国王子のことは現在ではシエラはなんとも思ってないだろうけど、もし、2人がお茶するとかなったら。


 俺がお茶とお茶菓子を用意しよう。ここだけは自信ありだ……。





「ミクスさんは交易祭に出たいとかあるんですか?」

「うーん、あんまりないかな」

「あ、私もあんまりそこには興味なくて……ちょっとバザーでお小遣い稼げればくらいでして」

「そうか。まぁ、でも交易祭に選ばれたら出てもいいんじゃ無いかな? 他国の王子とかもくるし」

「は、はぁ? 他国の王子が来ると出た方がいいんですか?」





 珍しくよく分からないって顔をしているシエラだ。ふふ、まだまだ分からなくて良いのだよ。






 そんなこんなで準備をしていると、時間は過ぎていき



 

 バザーがスタートする。このイベントはかなり大きいのであるらしく、お客さんがいきなり大量に歩いている。




 しかし、誰もがシエラに対しては怪訝な顔をしていた。やはり黒髪青目への偏見があるのだろう。



 そうとは知っているが……アニメだと誰も客が来ない中でユルレがきてくれる流れだった。




「大丈夫だ。シエラ。客は来てくれる」

「そ、そうですかね? やっぱこんな野菜は沢山いらなかったかなって思うんですけど……」

「いや、大丈夫だ。信じろ、これはいい野菜だ」





 良い物は売れて欲しいってのが俺の考えでもある。それにこれ大分安くしてるしな。





「あの、お久しぶりです」







 そのタイミングで俺の前で止まる男性冒険者が1人。俺はその顔をよく知っている。




「久しぶりだな。悪いね、わざわざ来てくれて」

「いえ、ミクスさんがバザー出るって手紙来たので」





 俺が以前、錬金スキルの使い方を教えてた冒険者だ。彼には事前にバザーを出すから来てくれないかと連絡をしていたのだ。




「クリームパンを出しててさ」

「はぁ……初めて見ましたね」

「まぁ、ぜひ買っててくれると嬉しい。ついでに隣でシエラの野菜も買っていってくれ」

「……はい。美味しいんですか?」

「味はどちらも保証するぜ。試しに食べてみてくれ」





 急に呼び出したのは悪いとは思っているんだけども、でも、まぁ、昔世話したからな。少しくらいはね。





「……っ!? こ、これめっちゃ美味しいんですけど!? これ、パン? 中の柔らかいのがクリーム? めっちゃ甘いし、美味いんですけど!?」

「ふふふ、その反応を待っていた」

「流石ですね。あ、実は俺、今度結婚をする予定でして」

「おお、なら、サービスするわ。2個無料いいぞ」

「え!? あ、それ申し訳ないんですけど」

「なら、隣で野菜買っていってくれ。相場より安いのにめっちゃ栄養価も高いし美味い」

「ミクスさんがそう言うならそうなんですね。なら、野菜ください。きゅうり5本と、トマト10個ほど」





 ふふふ、まぁ、こうやって買ってく人が居たら安全と思って他にも買っていく人が居るだろうさ。



 シエラは正直、これから大金持ちにも余裕でなれるだろうけど。現在はそこまででも無いしね。



 ここでシエラに恩を売ることで後々、見返りがくるのだ。要するに今俺が昔教えていた錬金スキル使いの子にわざわざ来て貰ったようにな!





「あ、ご購入ありがとうございました!」

「いえいえ、こちらこそ。確かに美味しそうですね」




 良い買い物をしたと言う表情で彼は笑っている。しかし、結婚をするのか。結婚かぁ。



 前世では彼女もいなかったらどう言う感じなのか分からんな。



 まぁ、今の俺には無縁だろうさ。さて、この子にはもうちょっと宣伝してもらおうかな。





「もしできたら、今日ここに知り合いの冒険者とか居たら、宣伝してくれないか。良い商品が安く買えるって」

「勿論です。と言うか、ここには妻とパーティーメンバーと来てるので後で来ますね」

「そっか、ありがと」

「いえ、これくらいお世話になったので当然です。それとベルンの町の錬金スキル使いとそのパーティーが結構この町に来てて、あれってミクスさんが呼んだんですか?」

「ちょっとね。良い商品を宣伝したくてさ。図々しいとは思ったんだけど。ほら、この町結構遠いじゃん?」

「それくらいは全然。錬金スキル使いの皆んな人生変えてもらってますし。ミクスさんが呼んだらすぐ来るでしょう」





 そうか、皆んな来てくれたのか。あの時、色々教えていたよかったな。まぁ、俺も統計とか取ってたから助かっていたのもあるんだけども。




「そうか。ありがとうな」

「いえいえ。それと……言うか迷ったんですけど。救済の光についてなんですけど」

「あぁ、あいつらか。変な泥食べたり、どっかから金借りたりしてるのか?」

「流石、ご存知だったんですね」




 まぁ、アニメ知識ですけど。まぁ、教え子ではないけど、慕ってくれてる子だからちょっと知ったかぶりしてしまった!



「アルドも荒れてます」

「アルドが荒れてない時がないだろ」

「それもそうですね」



 アルドが荒れてない時がないだろって思わず言ってしまった。あいつはいつも横暴だったからね。



 まぁ、要するにちょっと荒れてる感じなのね。アニメ通りだ。なんの問題もない。



「それでは、他の仲間呼んできますね」

「おお、ありがとな」



 そう言って彼は去っていった。シエラも初めての売買で感慨深い顔をしている。




「ミクスさん。ありがとうございました」

「まぁ、良い商品は良く売れて欲しいからね。そのうち、どっちにしろ売れてたと思うし」

「いえ、私だと売れない可能性が高かったです。本当にありがとうございます!」

「いやいや、気にしないでくれ」





 沢山の人が買いに来て、彼女の作る植物が高く評価されたら偏見とかも消えるかもしれない。



 まぁ、その辺は他国の王子が惚れてくれて結婚したら全部関係ない気もするけど。



 だって、王子が選んだ女性なら全員すごい人って思うでしょ。評価も一気にひっくり返る気がする。





「やっぱり、ミクスさんには助けてもらってばかりです」

「いいさ、いつか助けてくれ」

「私でよければ全然なんでもします!」

「そうか。そのうち頼もうかな」

「全然なんでもします!」

「うん、気合十分なのはわかった」





 恩を返したくてしょうがないんだろうな。大丈夫。そのうち沢山貰うつもりだ。




「あ、これがミクス様の品なんだ」

「おうおう、なんだ面白れぇ店出してるじゃねぁか」





 そのタイミングでユルレとまさかのルディオがやって来てくれた。



 あ、シエラがちょっと嫌そうな顔してる……




 まぁ、2人とも貴族様だしね。シエラにとっては重要なキャラでもあるし、適当な対応は出来ないな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ