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追放ものに転生した。ただし、ざまぁされる側らしい  作者: 流石ユユシタ
第2章 元婚約者来訪編

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第24話 いらんこと閃いた!

 ユルレ・リューゼン。名前だけなら知っている。しかし、まさかミクスが元婚約者であるとは知らなかった。



 アニメでは【交易祭】と言うイベントにてシエラと関わるユルレ・リューゼン。だから、呼び出されては適当な返事はできない。



 ──この交易祭でシエラは【他国の王子】と出会うんだからな。




 

「コン!」





 ん? なんだ、ホワイトか? どうして俺に付いてきたんだ? 宿屋を出てユルレに呼ばれた場所に向かっているとホワイトが付いてきていた。





「どうした? 散歩でもしたいのか?」

「コン!」

「そうか」




 正直何を言っているのか分からないけど……まぁ、散歩をしたいのかな? 確かに宿屋に居ることが多いからね。


 偶には外に出た方がいいだろう。




「ホワイトはシエラと仲がいいのかな?」

「コン!」

「ふむ、仲良さげか。それならよかった」

「コン!」




 うん、やっぱり何言っているのか分からん。こっちで勝手に解釈してしまっているのが現状である。




 さて、ユルレ・リューゼンのことだけど……彼女がなぜ俺に声をかけてきたのか、これが分からない。




 実は俺のことが好きだったとかも一瞬思った。当時、没落前の俺が好きだったのかと考えたがそれはおかしい。


 確かアニメではシエラと出会った時期のユルレ・リューゼンは19歳だと言っていた。つまり、俺の3歳年下であり、6歳の時に俺は没落してるから、その時は3歳と言うことになるのだ。



 いや、3歳の時に恋をしていた人をずっと想っていたとは流石に考え辛いところがあるだろう。



 だとすると……えっと、なんだろうか? 全然思いつかないなぁ。色々と疑問はつきないが、取り敢えずは集合場所に向かおう。




◾️◾️



 サリアの町、その中にある宿屋に呼ばれていた。もちろん、俺が普段泊まっている場所とは全然違う場所だ。



 さて、手紙の指示があったのは2階の左から3番目の部屋だ。その扉の前でノックするとゆっくりと扉が開いた。


 そこには黒服を着た執事であろうおじさんが1人。とってもダンディでなんだかカッコい。





「お待ちしておりました。お嬢様がお待ちです」

「はい。あ、このモンスター、家族なんですけど同席してもいいですか?」

「もちろん構いません」




 この執事さん、結構な強さを持っているな。無論シエラとかルディオとかとは比べものにならないけど、それでも強いな。だが、それも当然か、執事は護衛を兼ねてるだろうから適当なのを置いておく理由もない。





「お待ちしておりました。ミクス様」




 そんな執事の影が薄くなるくらいに彼女のインパクトは強かった。金色の髪が肩ほどまで伸びている。



 髪の艶と透き通るような肌の明るさ、それに似合う見た目の良さ。圧倒的なまでの美しさだった。


 ちょっとボーイッシュで男優とかもやれそうなイメージではある。

 前世でいうと、宝塚系の圧倒的な美少女といったところか。


まぁ、巨乳だけど。


 しかし、単純にシエラと同じくらいの美少女かもしれない。瞳も緑色で二重でパッチリとしており、印象が強い。更に言えば、俺が部屋に入った時に彼女はわざわざ椅子から立ち上がってくれたのだが背丈がほぼ同じだ。



 俺は186センチくらいなのだが、彼女も180はあるってくらいの高身長だ。あと、胸もでかい。シエラほどじゃないけどでかいな……あれ、シエラってまだ15歳なんだけど、まだ上があるのか!?


 なんて、ふざけている場合じゃないな。




「ミクス様、わざわざご足労いただきありがとうございます。ささ、こちらに」




 促されるままに俺は席についた。目の前には紅茶とクッキーが置いてあり、ユルレ・リューゼンも同じく椅子に座った。



 可愛らしい顔つきが目の前にあり緊張をしてしまう、なんてことはない。シエラを見てると顔が可愛い女の子と話すのも耐性がついた。





「お先に名乗らせて頂きますね。僕……失礼、私の名前はユルレ・リューゼンと言います」

「私はミクスと言います」

「ミクスさん、お忘れかもしれませんが。リューゼン家と貴方のアルケミスター家は親密な関係にあったんですよ。そして、子供同士を許嫁として了承するほどの」





 そうだったんだ。いや、全然覚えてないわ。顔見たら思い出すかなと予想していたけど、全くそんなことはなかった。



 しかし、覚えてないのも納得だわ。だって、俺が6歳の時に3歳だもんね。覚えてないって言うよりも、接するほどの時間をそもそも過ごしてないんだろう。


 物心があまりついてないから、家からもあんまり出してないだろ。






「会った事はほぼなかったと思いますが……それに私のアルケミスターはもう没落してますし」

「ふふ、そうかもしれないですね……でも、貴方は没落なんて跳ね返すくらいの評価ですよ。さて……腹の探り合いはこの辺にして。ここからは元許嫁同士、本音で話しませんか? 敬語もなしで」

「……まぁ、いいけど」





 確かアニメではユルレは敬語が苦手という設定があったか。本来の一人称は僕で、砕けた口調で話すのが本当は好きらしい。





「僕はミクス様と結婚したい。だからここにきた、それだけなんだ」

「シンプルな理由だな。Aランクになるとユルレさんみたいな人にも声をかけてもらえるとは光栄だ」

「Aランクだけじゃないよ。こうして会って分かったんだ。顔がすごいカッコイイ、超タイプ。それに声も、雰囲気も素敵」






 褒めてくれているけど、これは嘘だと思う。

 

 アニメでもユルレは人を褒めるんだが、本心で褒める場合はもっと口数が少ない。


 シエラの容姿を取り敢えずで褒める描写があったけど、自分の方が上だと思っているからか、ペラペラとよく語っていた。本心で褒めている時は、もっとゆっくりと静かに話してるしな。



 こう言うキザな言動の時は、嘘の時だ。アニメの知識なかったら、浮かれていたな、危なかった!


  





「昔の許嫁がこうやって目の前に現れて、僕のタイプだったなんて……運命を感じてしまうよ」




 ちょっと上目遣いで言ってくるから、思わずどきりとしてまう。こう言うあざとい感じもあったんだったか。



 だがしかし、これもキザったらしいので嘘なのはわかる。そこで疑問なのはなんでそんな嘘をつくのかということだ。


 元々許嫁が居るって言うのがアニメでの話だったはずだけどな。でも、ここで下手に聞いて反感を買うのも良くないかな。



 シエラは彼女との出会いで人生が変わって、他国の王子とも出会うイベントに繋がるんだからな。




 しかし、このまま流されて結婚に持っていかれるのも面倒だ。これでは俺がおこぼれをもらって離脱をして、飲食店を開きたいと言う目標から大きく外れてしまう。





 ここは、少しだけ聞いてみるか。





「あの、なんで俺に声をかけたんだ? ユルレさんは他に結婚相手がいるはずでは?」

「……知ってるんだ。誰に聞いたのかは知らないけど……まぁ、他にいるのは本当だね。でも、僕はミクス様の方が好きかな。カッコイイし。だから、今度、デートとか、どうかな?」





 やっぱり他に相手がいたのか。それが嫌だから他に相手を立てようとして、俺に白羽の矢を立てたってわけか。



 ……そう言えばアニメだと結婚相手いついては言及はなかった。ただ、あんまり語らないと言うか語りたくなさそうな気さえしていた。


 アニメだと結婚とかの時期は1クール後だったから、どうなったのかは知らないけども。



 もしかして、本当は結婚したくない人が相手だったのかもな。





 だけど、それはそれ。俺には関係のない事だ。俺には飲食店を出したり、のんびりしたりする夢がある。



 貴族になったら食事を楽しんだり研究することなどできるはずがない。優雅な暮らしが出来るだけなんてそんなはずがない。



 俺がそう思っているのを分かってるのに、こうやって婚約の話を持ってくるのは相当必死なのかもしれないけど。





「デート。お誘いは嬉しいけど、俺では釣り合わないのでは? リューゼン家は伯爵家で農作物の生産も多いですし。流石にAランクと言っても俺じゃ」

「いや、それがそうでもないんだなぁ」

「……ん?」

「ルディオ・ローゼンベルク。知ってる?」

「……えぇ」

「彼が君を、公爵家の嫡男がミクス・アルケミスターを面白い冒険者だと評したんだって。しかも、1度戦って良い勝負をしたと」






 あのクソ野郎!!! 口が軽いんだよ!!!!





「Sランク冒険者、超越者とも言われる彼からそこまでの評価が出るなんて……箔が十分過ぎると思うけど」







 あの野郎……余計な箔をつけるなよ……!!!



「それで、答えはどうかな?」



 不味いことになったな……。どう返そうか。まぁ、断らせてもらおうかな。







「すいません。やはり自分では……」

「どうして? 貴族に戻りたくないのかな? 冒険者は不便なことも多いだろうし」

「冒険者も良いところはありますよ。それに、貴族の不便さも知ってますので……」

「む……なるほど。そうか……なるほどね。そう考えてるのか……」

「というわけですので……急でもありますし」

「そうか。そうだよね、急にごめんね」

「いえいえ」

「やっぱり、もうちょっと互いに時間過ごさないとね?」






 ん? この子、話の流れがわかってなくないかな?




「やっぱり互いを知るためにデートしよう。僕が楽しませちゃうぞ」



 えぇ……




「1回だけでいいからしよう! これでダメならもう誘わないから」

「い、1回だけ?」

「そう、1回だけだよ」




 まぁ、それで諦めてくれるなら……あ、でも俺デートしたことないや。


 一応、嘘とは言え好意を持ってると公言してる女性だし。

 貴族でもあるしな。ある程度はちゃんと振る舞う必要があるか。

 うーん……どうしようかな。


 あ、そうだ!(ピコーン)


 いいこと閃いたぞ。




 シエラに、異性から見た理想のデートを聞いてみよ!

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