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追放ものに転生した。ただし、ざまぁされる側らしい  作者: 流石ユユシタ
第1章 追放編

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第20話 夢の後

 気づくと、俺はサリアの町に立っていた。しかし、見た目は前世の高校生のままだ。



 はて、一体全体ここは……




「シエラ、お前のせいで俺は……俺も追放された!!!」

「……わ、私のせいでは……」

「うるさい!!! お、俺は、錬金スキルで手など抜いていないのに!!!」





 おお? どうした? 大声がするなと思って、声がする方向を向くとシエラが居た。しかし、いつもの彼女は違って顔色が少し悪い気がするな。



 一方で彼女に対して色々と言いまくっているのは……俺? ではなくミクスだな。なんか、これってアニメで見たような光景だな。



 シエラが救済の光を追放された後、錬金スキルのミクスも追放される。理由はポーションの質が落ちたからだ。


 確か、シエラの素材が良かったから大した腕ではないミクスのポーションも質が高かったのに、それを救済の光の面々は気づかなかったんだよな。


 だから、ミクスは自分が凄腕の錬金スキル使いだと勘違いをしてしまったんだよね。それで、シエラが消えた後にポーションの質が急激に落ちてしまったから、手を抜いたと勘違いされて別の錬金スキル使いを受け入れられて、彼も追放。




 それに逆恨みをして、シエラに八つ当たりをする所のシーンだ。いやー、ああいうふうにはなりたくないね。



 うーん、あまり見ていて気持ちの良い光景ではないな。シエラも困ってるようだしね。ここは止めに入ろうかなと思ったんだけど……どうやら干渉ができないらしい。



 俺の体は幽霊のように2人をすり抜けてしまう。





「おい、お前何してるんだ」

「あ? 誰だよ」

「ルディオ・ローゼンベルク。Sランク冒険者だ」

「Sランク、だと」





 おっと、そこにルディオ君が登場ダァ!! そうそう、ここでルディオが登場してシエラを救うんだよね。



 ここでルディオにびびって引くんだけど、その後も何度もシエラを襲おうとするんだよね。



 しかし、シエラもホワイトが居てステータスアップのきのみを食べて育ってから返り討ちにあうのがミクスなのだ。





「ちくしょう、なんで、なんでなんで……あんな落ちこぼれに!!!!」

「どうやら、お困りのようですね」

「だ、誰だ!」




 路地裏でミクスはシエラに何度も返り討ちにあったことを嘆いていた。


 そんな彼の元に、黒いローブを被った男が近寄ってくる。俺は思いっきり正体を知ってるけど、魔王の手下『カデム』だな。




「いえいえ、ワタシはただ、お困りの方を救いたいだけなのです」

「……なん、だと?」

「シエラ……あの黒髪青目はワタシも少し思うところがありましてね。どうでしょう、力を授けますので倒してくださいませんか?」



 そう言って、黒ローブの謎の男(魔王の手下)は黒い泥の塊をミクスに手渡した。それを貰うのをためらったミクスだったが……カデムは無理やりそれをミクスの口に入れて飲み込ませる。



 その直後、ミクスの体から魔力が大量に溢れ出した。しかし、それだけでなく、頭から角が生え始める。




「これは、素晴らしい力だ!! これさえあれば……シエラを殺せる!!!」

「それはそれは……良い報告をお待ちしておりますよ。ミクスさん」





 そこで場面は切り替わり、土砂降りの森の中に俺はまた立っていた。ここはサリアの森だな。



 その中でシエラとホワイトが、ミクスと戦っている様子が見えた。シエラは今ほど高いステータスではないが、農民スキルをうまく扱い戦っている。




「なんで、私ばっかり……ッ」

「コン!」





 毒の植物を農民スキルで育て上げ、それを使いながらミクスの体力を削っていっている。



 ホワイトも戦闘系のスキルを複数持っているようで、炎や雷を出し彼女をサポートしている。




 ミクスは錬金スキルなど、持っていることをもう忘れているような顔つきでひたすらに殴りかかっていた。



 折角、顔がいいのにもう顔も悪魔のようになってしまっていた。牙が生え、口から飛び出している。眼球の大きさも異様になり、羽も生えてしまっている。





 しかし、ミクスは次第に押されていった。シエラの魔力がどんどん大きくなり、スキルの精度も、規模も、凄まじさも増していっているからだ。



 なんとなくだが、感情の起伏が彼女のスキルやステータスを進化させる一つの要因であるような気がした。





 そして……







──グサッ






 シエラの持っていた木の剣。木の枝をスキルで成長させた剣がミクスの、悪魔の腹を貫いていた。毒の花や植物を成長させ、弱らせて、最後に彼女はトドメを刺すことに成功をした。






「……ぐ、がうあぁ……こ、この人殺し」

「……ッ」






 そう言って、ミクスは土砂降りの中倒れてしまった。彼が倒れると灰のように全ては消え去った。





 そして、彼女はホワイトと共にその場を去った。雨でよく見えないがその時、彼女は……







 泣いていたのかもしれない。












 その瞬間に、俺は目が覚めた。








 いつもと同じ、椅子の上で俺は寝ていたようだった。先程まで見ていたのは前世のアニメの記憶だろうか。ああいう暗い要素があったから、2クールは見なかったのを思い出したぜ。



 さて、大分早く起きてしまったな。ブラックとホワイトは床で寝ており、シエラは……






「あ、ミクスさん。おはようございます」

「起きてたのか」

「……はい」





 少しだけ、彼女は寂しそうな顔をしていた。そして、微かに瞳が揺れているように俺は見えたんだ。




 ……泣いているのかな。夢の中でも泣いてたように。




「……う、うぅ」




 彼女は下を向いて、俺とは目を合わせないようにしているようだった。背中を向けているが多分、泣いているんだろう。


 そうか、思えば彼女は昨日もアンデッド討伐を頑張ったのに、黒髪だとか青目だとかで色々言われていた。ストレスが溜めるなという方が無理な話だ。




 なんだか、そう思うと居ても立っても居られない気がする。あぁ、落ち着かない。こういう時ってどうすればいいんだっけ。



 泣いてる人を見るのって嫌いなんだ。だって、笑ってる方がいいからさ。




「シエラ」

「え、あ、はい?」

「大丈夫か?」

「えあ!?」




 思わず、彼女の元に行って後ろから抱き寄せてしまった。前に一回だけ泣いていた彼女にこれをしたことがあったから。


 いや、俺に何ができるんだよって思うけどさ。本当は寂しいんだろうなぁ。だから、1人で泣いているんだろう。



 早く、他国の王子なんとかしてくれ。ルディオでも良いからさ。泣かれると可哀想なんだよ。そういうの嫌いなの、スローライフやってくれ、頼むから。






「寂しそうだったからさ……嫌だったやらやめる」

「い、いえ、ぜ、全然、もっとお願いします……」










 少しだけ、シエラに寄り添おうと思った。だから、色々と話とかしようかな。この子、寂しがり屋だろうしな。



 あ、抱きついたけど……まぁ、将来の旦那が誰か知らんが気にしないだろ。前世の知り合いの女の子も部屋で酒飲んだけど、恋人とか絶対ないとか言ってたし。



 多少のスキンシップはそんな意味ないだろうしな。それに俺はやましい気持ちとかはないからな。




 シエラって、妹っぽい感じだよ。妹いた事ないけど……













◾️◾️






 うーん、今日も爽やかな朝ですね。ミクスさんの美味しい料理を昨日は食べたわけですし。



 昨日は変な夢も見ることもなかったですし、快適な朝です。




 ぐっすり寝た後の朝日は格別ですね。あ、ミクスさん寝てる。ふ、ふふ、これを見るために最近早起きしてますから。



「へへ、可愛い顔……食べちゃうぞー。な、なんて……」




 ジッと顔を見てると、本当に食べたくなってくるから不思議です。いや、この部屋ってミクスさんの匂いがするから、気持ちがつい昂ってしまいます。




「お腹空きました。ご飯食べますか」




 最近は、ステータスアップ木の実をよく食べています。ステータスも上がって美味しいとか最高ですよね。



 それを朝から丸齧りで行きます。




「あむあむ」




 そして、他にもミクスさんの作ってくれたお肉もあるのでそれをガツガツ食べます。



「ガツガツ……けほ、げほっ……、の、喉に……み、水……」




 そう思って、私はステータスアップの木の実を口の中に放り込み、一息で噛み潰して、果汁を飲み干しました。



 ふ、ふぅ……落ち着きました。





「うぅ、ちょっと苦しかったです……」




 少しだけ、涙が出てしまいそうです。喉詰まると苦しいですからね。そう思った直後、ミクスさんが起きてしまいました。



 し、しまった。ご飯を食べた直後の顔なんて見せられません。多分、口周りにお肉のソースがついてますし……


 

 しかも両手の木の実と肉が……こんなに朝から食べていたと知られれば、私が頑張って作り上げてきた乙女のイメージが……




 急いでそれを食べなければ!!!





「あ、ミクスさん。おはようございます」

「起きてたのか」

「……はい」





 はい、挨拶はなんとか言えました。しかし、ちょっと喉にまた詰まってしまいました……。



 く、苦しい。




「……う、うぅ」




 さっさと飲み込まなくてはいけません。朝から大量にご飯を食べていたと知られるわけにはいきません。朝食もこれから食べようと思っているので、朝食前からそんな食ってるのかよという事を思われたら終わりですから。





 そう思っていた直後……ミクスさんが後ろから抱きついてきました




 ええええええええええええええええええ!?



 あ、え!? どどど、どういうことですか!? これは……まさかこれは夢ですか? 違いますよね? 現実ですか!?



 

 え、こんな積極的なミクスさん初めて……これって、このままえ、あ、あれな流れですか?


 ご、ごくん、思わず唾を飲み込んでしまいました……あ、喉の肉と野菜が腹に入りました。





「シエラ」

「え、あ、はい?」

「大丈夫か?」

「えあ!?」

「寂しそうだったからさ……嫌だったやらやめる」

「い、いえ、ぜ、全然、もっとお願いします……」




 嫌なわけないじゃないですか!! こ、こんな展開が来るだなんて……。あぁ、なんて良い日なんでしょう。


 これって、え、えちえちな展開なんでしょうか?


 ミクスさんの胸板が硬くてえっちすぎです。



 どうしましょう、今までにないほどに脳が茹だっています。興奮しすぎて脳がバクバクしてます。沸騰しそうなくらい、脳に血が行き渡っています。



 よかった、ムダ毛の剃りを毎日徹底していて……



 というか後ろからハグなんて私が1番好きな展開じゃないですか! やだー! どうしましょう……。





「何かあれば言って良いからさ」

「は、はい!」




 あれ! あれしたいです!


 狐さん達がしていた、あれ、そう、FOXを……!



 これって、言って良いんでしょうか?



 いえ、私からいうべきでしょう。私の方が絶対したいと思ってますし。でも恥ずかしいですし。



 





「あ、ホワイトとブラックが起きてきたな」

「……」






 このタイミングで起きますか? どういう神経してるんですか?




 寝たふりしろ、今すぐ




『『あ、はい』』




 そう念じると不思議なことにブラックちゃんとホワイトちゃんは寝てくれました。狐どもは長時間寝た方が絶対健康には良いはずです。





「あ、寝たな」

「寝ましたね!」

「……そうだ、シエラ。朝ごはん肉料理作るぞ。たくさん食べてくれ」

「あ、え、はい」




 今、料理の流れでしたか? FOXの流れな気がしてたのですが……なんか話がそれていってるような……。




「よし、すぐ料理作るからな」

「……え、あ、あの、え」

「え?」

「いいぇ、な、なぁんでも……」





 これが生殺しってやつですか? ミクスさんはそういうつもりがなかったってことですか?



 ……私の方がステータスもう上だし……。もう別に、このまましても。






 は……!? 私は何を考えていたのでしょう。危ない危ない……。




 

 生殺しという貴重な経験をしましたと思いましょう! あ、危ない、そうとでも考えないとマジでやばい気がします。





 そして、その日の朝食は美味しかったのですが大分消化不良でした。









 その後、食事を済ませたあとは、今日も依頼をこなすためにギルドに向かったのですが……









「ミクスさん、Aランク冒険者への推薦が来てます」

「ええ……お、俺が?」






おお!流石ミクスさんです!

SSSSSSSSSランクでもいいとは思いますが、当然の評価ですね。

世間の見る目がついにおいついてきたようです。

今日は素晴らしい日になりそうです。






「アンデッドの時の功績が評価されまして! Aランクになると、貴族から婿入りとかの話とかも来ますし。良いことばかりですよ」








最悪の日ですね。今日は。

 

 

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