表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死に戻り令嬢に転生しましたが、思ってたんと違う  作者: 九重


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/16

魔法はイメージです!

 しかし、そんなセシリアとエゼルウルフの立場も、冒険者としての活動では逆転する。


『ナイトビジョン』

「からの」

『アイスニードル!』


 セシリアの呪文と同時に闇の中に現れた氷の矢が、オークの群れを正確に貫いた。


 ここは討伐依頼の出たオークの集落だ。

 五十匹近くいた緑色の巨人は、セシリアの呪文だけで壊滅してしまう。


「ナイトビジョンは闇属性の魔法よ。夜の奇襲にとっても便利だから覚えておいて損はないわ。敵の位置を見定めたら氷魔法のアイスニードルでとどめを刺すの。簡単でしょう?」


 いい笑顔で振り返るセシリアに、エゼルウルフは顔をしかめた。


「……簡単とは思えません」


「え、どうして? エルの得意な闇と氷の魔法だもの。ちょっと練習すればすぐにできるようになるわよ」


 右手の親指と人差し指で「ちょっと」を表現するセシリアに、エゼルウルフの顔は、ますますしかめられていく。


「ナイトビジョンはともかく、アイスニードルは、普通どう頑張っても四、五本出すのが限度です」


 それを何十本も出して、しかもそれぞれ一撃でオークを倒すとか――――セシリアの魔法は、規格外なのだ。


「自分の限界を自分で定めちゃダメよ」


「もっともらしいことを言って無茶ぶりするのは止めてください」


 ぶすっと膨れるエゼルウルフの頬を、セシリアは指でぷにっと突いた。


「無茶ぶりなんかじゃないわ。魔法はイメージできるかどうかが大切なんだから。自分ができると思えれば、なんでもできるはずよ」


 少なくとも、セシリアが前世日本で読んだファンタジー小説にはそう書いてあった。


「そんなわけないでしょう」


「あるから大丈夫。あなたの師匠を信じなさい! ……論より証拠、ほら空を見て!」


 セシリアの言葉につられるように、エゼルウルフの顔が上を向く。


『スターダスト』


 セシリアの呪文と同時に、夜空に流星が走った。


「なっ? あれは、神の涙――――」


 神の涙とは、この世界で流星を表す言葉。

 神の涙が落ちるとき、世界のどこかで神に愛された命が消えるのだと言われていて、要するに凶兆だったりする。


「違うわ。あれは()()よ。私は、あれがどうしてできるか知っているし、作り方も明確にイメージできるの。だから魔法で降らせることができるのよ」


 たしか、宇宙を漂う塵だかなんだかが、地球の大気にぶつかって突入、発光したもののはずだ。

 そう言ったセシリアは、もう一度『スターダスト』と呪文を唱え流星を作りだす。


「うわっ!」


「ね、本当でしょう?」


「そ、そんな――――」


「まだ信じられない? エルが納得できるまで、何度だって降らせてあげるわよ」

『スターダスト!』


 セシリアの呪文で、またひとつ星が流れ落ちた。


「わ、わかりました! 信じます。信じますから、もう神の涙を落とさないでください!」


 ついにエゼルウルフは、そう叫ぶ。


「ホント? よかった。信じてもらえて」


 セシリアは嬉しそうに笑った。


「…………もう、とんでもない人ですね。あなたは」


「そんな、褒めてもなにも出ないわよ」


「褒めていません」


「えぇ~」


 セシリアとエゼルウルフの冒険は、だいたいいつもこんな感じだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
連続で凶兆を見た街の人とか宗教関係者が青くなってそう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ