突然の出来事①
【グワン】・【グワン】・【グワン】
【グワン】・【グワン】・【グワン】
【グワン】・【グワン】・【グワン】
不意に、視界が歪んだ。
『貴方は半径３００メートル以内に居る、アン ナブ キ シェア ラからの違法な召還対象者の影響を受けて、次元の壁を越えました。
これより……クルサルと言う、アン ナブ キ シェア ラでの名前となる字を進呈します。
アン ナブ キ シェア ラでは、ムシュ イム アン キでの名前は使用する事が出来ません。
ご了承下さいませ。』
そんな声が頭の中に響いてきた。
なんとなくだけど……
アン ナブ キ シェア ラは異世界で、ムシュ イム アン キとは……
てっ……異世界物の漫画や小説の見すぎだよな……
◇◇◇
『その認識で間違いありません。
申し訳ないのですが、貴方は……ムシュ イム アン キと言う世界から、アン ナブ キ シェア ラという世界に飛ばされる事が決定しました。
本来ならば、早急に、ムシュ イム アン キに戻すべきところなのですが……
アン ナブ キ シェア ラは、今……諸事情で、閉ざされた世界になっている為、我々が介入する事が出来ないのです。
申し訳ございませんが、ご理解の程、宜しくお願いします。』
そんな声が頭の中に響いてきた。
これが、僕の白昼夢でなければ……失踪した人。っていう扱いになるよな……
専業主婦の嫁を残して、それは……困る。
アン ナブ キ シェア ラとかいう異世界は、今、諸事情で、閉ざされた世界になっている為、声の主達が介入する事が出来ない。という事は……
『お気持ちは分かりますが……
現時点で、貴方に頼めるような事は、何一つ、ございません。
それと……貴方の番……って言っても分かりませんよね……
貴方の奥様も、貴方と似たような状況です。
因みに、奥様には……サモナブと言う字を進呈させて頂いております。
アン ナブ キ シェア ラの現状を鑑みますと……ご安心下さいませ。とは言えませんが……
ムシュ イム アン キに奥様を残して、貴方だけが、アン ナブ キ シェア ラからの違法な召還に巻き込まれた訳でございません。』
そんな声が頭の中に響いてきた。
◇◇◇
『貴方の体内のマナの量が規定値を越えましたので、これより変異点のアサグに進化します。
変異点のアサグですので、貴方が望む異能を１つ。ないし、２つ程、進呈させて頂きます。
但し、超越点のアサグ・特異点のアサグ、全く、同じ内容の異能を付与させて頂く事は出来ません。
因みに、貴方の奥様は、特異点のアサグに進化します。
それも踏まえて、欲しい異能を考えて下さいませ。』
頭の中に響いている声の主の言ってる意味が、全く、分からない。
『ごめんなさい。
ムシュ イム アン キの一般の人達は……って……それは……伝えるべき事ではないですね。
取り敢えず、アサグとは不老有死の存在です。
そして、アサグには、超越点・特異点・変異点の３種類のタイプがあるのです。
でっ。超越点のアサグと特異点のアサグとは……って……説明する時間が勿体ないですので、必要な情報をインストールさせて頂きますね。』
【ゴトリ】
頭の中に……何かを入れられた気がした。
◇◇◇
ー特異点のアサグの異能ー
【術式眼】
異能以外の、あらゆる魔法や魔術。呪術等の術式を解析したり、
解析した魔法や魔術。呪術等を再現する事が出来る。
※超記憶を持っている。
※常に、全てのジョブ補正から得られる魔法や魔術に関する知識や技能がアップデートされている。
※時間分解能を大幅にアップされている。
(物事をスローモーションの映像のように見る事も可能。)
※空間把握能力が大幅にアップされている。
◇◇◇
ー超越点のアサグの異能ー
【星の記憶にアクセス】
最上級の鑑定装置(魔道具)以上の鑑定魔法が使える。
鑑定魔法や鑑定装置(魔道具)の鑑定結果を偽装する事が出来る。
他者のジョブ補正の接続を紐付けたり、外したりする事が出来る。
※相手の同意が無い場合、相手の同意がある場合の３倍のマナの量が必要。
電脳空間等の仮想現実の情報を自由自在にアクセスするだけでなく、改変や改竄する事が出来る。
相手の感情を読み取って嘘等を見抜ける。
悪霊を祓ったり、霊を成仏させたりする事が出来る。
催眠術や魅了魔法を施したり、解除したりする事が出来る。
※【星の記憶】とは
知識の泉と呼ばれる、電脳空間等、科学や魔術の力で作られた仮想現実の世界と、
深淵部と呼ばれる、死亡した生き物の持っていた情報が集められた仮想現実の世界。
この２つの仮想現実の世界で構成されている。
◇◇◇
いつの間にか、特異点・超越点のアサグの異能の概要が、記憶として思い出せるようになっていた。
確か……嫁は特異点のアサグだったよな……
てか、ジョブ補正。ってのが何なのか、今一、良く分からないから何とも言えないが……
取り敢えず、チートぽい。って事が分かっただけでも良かった。
てか……僕が超越点のアサグの異能を得られていたら……
『済まません。ジョブ補正についての情報もインストールすべきでしたね。』
【ゴトリ】
また、 頭の中に、何かを入れられた気がした。
◇◇◇
ー【ジョブ補正】ー
ジョブ補正を受ける事で、即戦力の者として、仕事をする事が出来る。
※人口の２０％が適応者。
※到達点⇒ 到達点のジョブ補正と呼ばれる、特別なジョブ補正を受けられる者は人口の３％。
※シングルの異能の影響力は、ジョブ補正カウントの魔法や魔術・呪術の影響力の２０倍 。
※ダブルの異能の影響力は、ジョブ補正カウントの魔法や魔術・呪術の影響力の１０倍。
ー到達点のジョブ補正ー
【賢者】
※全ての魔術と呪術が使えるが魔法は使えない。
【匠の職人】
【祈祷師】
【踏破者】
【武聖】
【物情を繋ぐ者】
いつの間にか、ジョブ補正の概要についても、記憶として思い出せるようになっていた。
到達点のジョブ補正の詳細についても気になるところだな……
『たとえ、ジョブ補正を受けられなくても、努力次第では、ジョブ補正を受けられている方々と同等の仕事をこなす事も可能です。
ですから、そこまで気にされる必要は無いかと思います。
それよりも……
そろそろ、進呈させて異能を決めて頂けませんかね……
でないと……貴方が望まれる異能を進呈する事が出来なくなります。』
そんな声が頭の中に響いてきた。
ヤバい。そうなると……
『タイムアップになった場合、
同じ不老有死の存在ではありますが、アサグよりも格下となる妖人と同等の存在となる異能を進呈させて頂きます。
時間がありませんので、詳細は、インストールさせて頂きますね。』
【ゴトリ】
また、 頭の中に、何かを入れられた気がした。
◇◇◇
ー【ジョブ マスター】ー
全てのジョブ補正と完全に接続する事が可能。
一度に複数のジョブ補正と接続する事は出来ない。
他者のジョブ補正の接続を紐付けたり、外したりする事も出来る。
※ 同意が無い場合、同意がある場合の３倍のマナの量が必要。
いつの間にか、また、新しい記憶が増えていた。
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