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ポストアポカリプス・オフライン  作者: 名無しのオプ=アート
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第7話 人材不足

「でも、看護婦になるのがあんたの夢だったんじゃないの?」


「……そうなんだけどさぁ。ユカリちゃん、ズーッと寝たきりなのに、『原因不明』でほったらかしなのはヤバいよ。家に帰れなくなるくらい頑張ってたのに、動けなくなったらポイだもん」


「じゃあ、何になるつもり?」


「わかんない。わかんないけど、看護師になるのは怖いよ。ユカリちゃんは、『私、まだマシだから』って言ってたけどさぁ……」


 去年までの娘は、看護師になった従姉妹のユカリちゃんと同じさいたま市にある看護学部を目標にしていたが、そのユカリちゃんが半年ほど体調不良になってからはこうだ。


 mRNAワクチンを最初に接種したのは医療従事者からだったので、看護師のユカリちゃんの3回目接種後の副反応が出たのも早かった。そして、ユカリちゃんの同僚で外見に影響が出た子の話を聞いてからはずっとこんな調子だ。


 『不要不急』『3密』『ステイホーム』を日本政府は解除しようとしているが、武漢症候群を恐れて、誰も外へ出ようとはしない。武漢症候群の患者は狂犬病の猛犬よりも恐れられている。


 武漢症候群患者の隔離施設での恐ろしい噂は、今では誰もが知っていることだ。



 2024年になると、武漢症候群患者への対応とCOVID-19のmRNAワクチン接種問題で、日本の医療システムは完全に崩壊したといっていい。


 医療従事者、福祉従事者の大量離職だけではない。看護師、介護士といった直接対象者に接する医療・介護系の職種への2024年の受験者数も激減していたからだ。医学部医学科でさえ、その例外ではなかった。



 1971年6月、尖閣諸島の領有権問題は、中華民国(台湾)の外交部声明が公式に尖閣諸島の領有権を主張したことに端を発する。半年ほど遅れての同年12月、中華人民共和国も外交部声明で公式に尖閣諸島の領有権を主張した。


 台湾・台湾海峡が、中華人民共和国に抑えられた時点で、日本のシーレーン(SLOCs;Sea Lines of Communication)は終了という意味では、「台湾有事は日本の存立危機事態」という考え自体は当然なものではあるが、中華人民共和国との尖閣諸島問題の原因が、中華民国(台湾)であったことには何の変わりもない。


 2023年8月、時の民主自由党副総裁が、台湾に於いて自衛隊による台湾有事への介入を発言したが、有事への忌避と自衛隊員へのmRNAワクチン接種副反応のダブルパンチで、2024年の現場の人手不足は深刻なものになっていた。景気循環の波では説明できないものがあった。


 COVID-19とCOVID-19のmRNAワクチンの騒動から、日本国民の厳しい目が、在日米軍基地の有機フッ素化合物(PFASs)による東京の水源汚染問題や、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場建設による規制外の金属類やPFASsに向けられ、水道事業民営化への全国的な反対運動のうねりも起きている。



 ロシア連邦との北方領土問題、大韓民国・朝鮮民主主義人民共和国との竹島問題、中華民国・中華人民共和国との尖閣諸島問題という日本の抱えている全ての領土領海で、アメリカは日本以上の当事国であるにも関わらず、日米安全保障条約と失われた30年という最大の矛盾に直面していた。


 COVID-19とCOVID-19のmRNAワクチンは、海外での隠しきれないmRNAワクチン問題の高まりを受けて、日米同盟の根幹をも揺るがそうとしていた。


 そして、中華民国(台湾)などの諸外国に日本が供与したmRNAワクチンも、その全容が解明されるまでは、どう評価されるかわからない。海外で、mRNAワクチンの問題が取沙汰されて国際問題になると、日本国内での報道規制も維持できなくなるのは時間の問題でしかなかった。


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