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⑺『ゴーストに吹く風』
⑺『ゴーストに吹く風』
㈠
やたらと手が、冷たいじゃないか、そうだろ、何だかおかしいよ。しかしどうだ、我々に相応しい、極寒地帯というものがあれば、俺はお前に手を貸すね。つまるところ、ゴーストに吹く風って、小説なんだ、よろしく。
㈡
よろしくって、何なんだってことなんだが、自然と湧き出た、崇高な言葉さ。我々が生き抜くため、人と人とが手を取り合って行くことが、よろしく、何だよ。目も当てられない程の苦痛を知ったら、発狂したように、公園を走り回れば良い。
㈢
さて、どこかで何かを踏み違えたことも考慮に入れた上で、やはりここは、ゴーストに吹く風ってところだから、訳の分からないことを書いても、許されるような気がするよ、だって、もう一度言うよ、ゴーストに吹く風なんだから。