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軍神の娘  作者: 雨宮玲音
第弐章 上洛
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第18話 文

『__上杉謙信殿へ


 最近、日々日差しが眩しくなってきてしまいましたが、御身のご健康はいかがでしょうか?こちら、関東では暑さが益々暑くなっていきますが、雪国である越後でも同様でしょうか?くれぐれもご自愛くださいますよう。


 さて、我が息子、氏秀改めて上杉景虎が貴殿の養子となって1年が経ちますが、息災でしょうか?日々世話をかけますが精進をなさっていますでしょうか?貴殿のご好意に、深く感謝致します。景虎の調子はいかがでしょうか?先日、彼に子ができたと彼の文から伺いました。同封しているものは景虎及びその家族への出産祝いになります。


 ところで貴殿にはご息女がおりますが、彼女も息災でしょうか?彼女の聡明ぶりは我が愚息__景虎から伺っていますが、最近彼女から石鹸なるものを頂きました。妻が使ってみたところ肌が綺麗になり、笑顔も戻って参りました。私も使用させて頂きましたが身も心も晴れやかな気分になったような気もします。そこで、病気がちな私や気落ちをしていた妻の心を救ってくれたことを感謝して、直接お会いしたいと考えています。どうかご検討なさいませ。


 末筆ながら、上杉家のますますのご繁栄及び跡取りである上杉景勝殿のご成長を心よりお祈り申し上げます。


__北条氏康』

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