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軍神の娘  作者: 雨宮玲音
第壱章 越相同盟
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第17話 文

『拝啓

兄上たちへ。

 私が上杉家の人質として養子縁組されてにはや3ヶ月。最近暑くなり始めておりますが体調はどうでしょうか。氏政兄上、氏照兄上、氏邦兄上やほかの兄弟たちは元気ですか?

 そういえば、最近父上が体調崩して床に伏していると聞き及んでいます。数日後ぐらいに届く荷物は父上の病に良いと我が妻の清殿の妹殿の虎姫様がご用意してくれたものです。虎姫様曰く「そのままでは食べ辛いでしょうから同封した調理法をお試しください」との事です。


 虎姫様はとても料理上手で、よく私と清殿のいる部屋に尋ねては珍しい菓子を届けてくれるのです。彼女が考案したようで「桜餅」や「水まんじゅう」なんて言う氏政兄上が気に入るような菓子ばかりなのです。ぜひ荷物の中にも含めたかったのですが、虎姫様に「これは生物なまものなので腐ってしまうか到着して1日経つまでに食べなければならないので難しいかと」と止められました。非常に残念に感じます。


 虎姫様とはご存知でしょうが私の義父上の上杉輝虎殿のご子女にございます。彼女はまだ歳は5つだと言うのに非常に賢く、もう漢字がかけるそうです。その他にも彼女の側仕えと一緒に鍛錬に勤しんでおり、彼女の側仕え達のまとまりが良いのです。男ならば父親の上杉輝虎殿を超える武将になっていたでしょう。


 最後になりますが、清殿との仲は良好で早速懐妊したようです。まだ小さいですが生まれた際には兄上たちには見て頂きたいものです。


氏秀改め上杉景虎より』

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