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『エル』、『エス』
二つの生命が、星を作った。一つは、モノを作り出した。もう一つは、作られたモノにココロを与えた。
二つの生命の名は、存在と本能。
存在無くして本能は有らず、本能なくして存在に在らず。無から有を作り出すのは神の芸当。しかし、この生命は神に非ず。
存在と本能は生命の神によって葬られ、神が正しき命を作り出した。それが人間。しかしながら神は、存在と本能が作り出した命を無下にできず、人間と差別化されぬよう、活気を求め、種族を作った。人間の他に、魔族と幻想種の二種族を同じ星の上に作り上げた。
そして、それぞれの種族は独自に進化し、文明を創りあげ、それぞれの領地を築いた。
存在と本能によって作り出された生命は人間達に紛れて生を謳歌し、自然の摂理に則り、種を残すため、人間との子を生した。存在の血族、本能の血族が生まれ、元となった生命は絶滅した。
それぞれの血族は、いわば存在と本能の代行者、存在の血族は物質そのものを操り、本能の血族は物質に眠る本質や力を操る。しかしながら、血族は、存在や本能のように作り出すことは出来ない。それは、二つの生命の特権であるからだ。
そして今も、血族は根絶することなく、人間の中に根付き、血族としての力を目覚めるか否かに関わらず、共存している。




