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キャラクター紹介

こんにちは、闇堕ちヒーローというものが話題になっているようで、たいへん心が満たされている遊月です。

この物語に登場するヒーローは光を知って立ち上がったヒーローですが、今回はそんな彼らの紹介をさせていただきたいと思います……

予備知識程度に知っておいていただけましたら!

 本エピソードでは、『tendency~殺人鬼は少女に恋をする~』の登場人物の紹介をしていきたいと思っております。少しずつ灰汁の強い?人間模様が明らかになってきましたので、その整理も兼ねての紹介です。



梨田(なしだ)


 本作の主人公。正体は児童を狙って猟奇殺人を繰り返していた、化野義明(あだしの よしあき)であるが、この化野という名前も本名ではない。身勝手な愛情の発露として児童を殺して回っていた彼だったが、逃亡してきた先で美玲に一目惚れしたことで生き方が大きく変わり、それからは彼女を守るために暗躍する、ある種のヒーロー的な存在へと変わる。

 普段は温厚で、近所の住民からの信頼も得ている人物だが、美玲に危害を加えた、あるいは加える恐れのある人物に対しては一切の容赦をせずに行方不明にしてしまっている。また、彼が児童を殺害していたのはあくまで「全身全霊で少年少女を愛でたい」という欲求からくるものであるからか、害意を持って子どもたちに接する大人も許さないし、もちろん自分の所業を目撃した人物も生かしてはおかない。

 身長は186cm、体重は67kg。外見については「海外の二枚目俳優を彷彿とさせる」と語られており、声も「耳をくすぐるような」「艶のある低音」とのこと。

 趣味らしい趣味は特になく、強いて言うなら美玲を見守っていることが彼の趣味である。また、自宅に設置している秘密の部屋には、彼が今まで手にかけてきた子どもたちの泣き顔や死相を写した写真と、美玲の写真や美玲が遊びに来たときに使っていたものが保管されている。


 いつかその欲求が抑えがたいほどに膨らんだとき、きっと彼は愛する少女すらもその手にかけてしまうだろう。そのときまで、名もなき男は少女を守るためだけのヒーローであり続ける。



瀧本美玲(たきもと みれい)


 本作のヒロイン。近所の小学校に通う少女で、年齢は8歳。

 春先に大流行した感染症を伴う外出規制の最中に外に出てしまっていた姉のことが知れわたったことと、担任教師だった丸岡からの贔屓(ひいき)によってクラス内で浮いていた(丸岡が行方不明になったあとは、クラスメイトとの関係もそれなりに良好)。

 家庭では、大手商社で営業職に就いている父に、普段は飲食店勤務だが現在は休業中で家にいる母、都内の高校に通う姉の美香(みか)と4人暮らしである。かなりの美少女らしく、たびたび街のロリコンたちの毒牙にかかりそうになっているが、大体は本人が気付く前に梨田の手によって阻止されている。

 かつて、短縮授業で早く帰った日に母と不倫相手の逢瀬を目撃してしまったことをきっかけに、周囲に向けて怒鳴り散らす大人というものに強い嫌悪感を示すようになり、また、そのときに『お父さんとお姉ちゃんに話したら殺すから』と冷たく言い放った母に対しても強い恐怖を抱いている。同時に、父と姉に対して絶対に言えない秘密を抱えてしまっている苦しさも感じており、外に出掛けがち(外だと地域の人たちが優しくしてくれるから)。

 梨田と出会ってからはより一層外出に対して積極的になり、彼に対して無自覚ながら強い恋心を抱いている。時には自分以外の誰かと話している梨田を見て嫉妬してしまうこともあるが、それを言葉にするのは躊躇われるという理由で、今のところは我慢している状態。

 趣味は家庭用ゲームで、特にハマっているのは『動物の暮らす島を開拓していくゲーム』と『様々な人気キャラクターが登場する対戦格闘ゲーム』。テーマパーク・凍狂(とうきょう)ディストピアで遊ぶのも好きで、月に一度は父にせがんで連れていってもらっている(好きなアトラクションはタートルヘッド・ライディング)。特濃カルピスがとても好きで、喉に絡まるくらいが癖になると言って美香に引かれたことがある。

 身長は125.6cm、体重は平均よりは軽め。子役のオーディションを受けたらどうかと近所のおばさんから言われたことがある程度の容姿である。


 仮に少女が殺人鬼のすべてを知ったとしても、無垢な眼差しはそれを受け入れるだろう。彼女の恋心はその幼さゆえに、他の何を否定しても構わないほどに強く、情熱的なものなのだから。



丸岡公介(まるおか こうすけ)


 第2話「少女と殺人鬼」に登場した小学校教諭。美玲の担任で、美玲を手込めにしようとしたところを梨田に見つかり、排除されている。

 学生時代はとても優秀だったようで、県からの表彰もうけるほどだったという。その後も勉強し続けていくが、次第に周りが「勉強ができる」という理由で彼を尊敬することはなくなり、むしろ彼が見下していたような面々に人気が集まるところを見続けるうちに性格が歪んでいく。相当な肥満体型で、また汗っかきだった(デオドラントケアの類いも一切しなかった)こともあって、むしろ嘲笑の対象となる暗い学生時代を経て教師になった彼の心中には、ある一定以上の年齢に達した人間に対する恐怖心と、自らの優秀さを誇る自尊心と、“先生”という身分の自分に従ってくれる児童たちへの歪んだ支配欲だけが残った。

 休校中に姉が感染症にかかったことでクラス内で遠巻きに見られていた美玲に目を付け、手込めにしようと画策していたが、美玲以前にも数名の生徒に手を出していた模様。動画で撮影して脅すことで、継続的に奴隷扱いしていたようだ。



● 寺山明宏(てらやま あきひろ)


 第3話「空き巣と殺人鬼」に登場した男。家族は妻と息子ひとりで、長年勤めてきた商社を、春に大流行した感染症による収益悪化の煽りでリストラされている。退職金すらろくに支払われなかったことによって生活は困窮、それまで専業主婦だった妻や、難関大学を目指す受験生だった息子にまで負担をかけることに罪悪感を覚えており、ある日、妻からの言葉をきっかけに決意して空き巣に入ることにした。

 若い頃からずっと働き詰めで家族の時間を持てなかったことも少なからず気に病んでおり、可能ならリストラを機に家族の時間を増やすつもりでもあったらしい。そのときには今までの埋め合わせと、長年連れ添ってくれていた妻への感謝を伝えようとしていたようだ。しかし、空き巣に入った先で遭遇した美玲を突き飛ばして気絶させたことで梨田の標的となったため、もうその未来は訪れない。



● 槇原優作(まきはら ゆうさく)


 第4話「殺人鬼はすぐ後ろにいる」に登場する、粗野な言動の目立つ男。典型的な『自分の非を認められない人物』であり、不用意な言葉によって(こうむ)ったことについても全て「大袈裟に騒ぎやがって」「自意識過剰だ」と相手の責任にしてしまう、現実で見かけると困った人物。

 美玲を狙った理由は、周囲を威嚇して悦に浸っていたところを冷ややかな目で見つめられたこと(実際は冷ややかな視線ではなく恐怖を感じていた眼差しでした)。自分の気持ちを晴らすためなら平気で根性焼きをしたり、「大人の怖さを教えてやる」ことに対して期待していた節もあるため、いつか何らかの罪を犯していた可能性が高い。



● ジョン・スミス


 第5話「事案決闘・一番勝負」に登場した、元格闘家。海外で天才格闘家として名を馳せていたが、対戦相手を殺害したことでその人生は転落の一途を辿ることに。しかし、元々彼が格闘技の道を志したのも全ては生まれながらに備わっていた過剰な闘争欲求を満たすためで、格闘家としての道が断たれたからといってそこが変わることなどなかった。

 最初は犯罪者をいたぶることで欲求を満たしていたが、次第にその範囲は広がり、本国にいづらくなったため日本に来ていた。そこで出会った梨田に目をつけて声をかけ、一緒にいた美玲を突き飛ばしたことで梨田の敵意に火をつけることになる。

 歴戦のプロである彼は、梨田に「交通事故に遭った」と言い訳しても違和感のない程度の重傷を負わせることに成功したが、その攻撃の全てを致命傷にならない程度にまで受け流されていたこと、また「弱くて卑屈な民族」であるはずの梨田が執念を絶やさずに向かってきたことに動揺し、それまで経験したことのない『殺してやる』という欲求に頭を切り替えたことによって梨田に敗北。最期に自らと同じ末路を辿るだろう梨田の未来を哀れんで事切れた。

 登場人物のなかで唯一、梨田の本性を探り当てた人物であり、また殺人を目的としない殺人を繰り返していたという点で、梨田との共通点も多い人物である。

 身長は216cm、体重は117kgと大柄である。



● 瀧本奈緒(たきもと なお)


 美玲の母親。現在は感染症拡大の煽りを受けて休業中であるものの、それ以前は近所のガールズバーに勤務していた。年齢のわりに若々しい見た目によって人気を博していたことと元々の気の多さから、常連客と肉体関係を持つことも少なくなく、同僚からの目は冷たいものだった。美玲が遭遇してしまった不倫相手もその店からの流れで関係を続けている大学生であり、彼以外にも複数の男性と関係を持ち続けている(仮に店を辞めることになっても、それは同時に、店にとっても太客を数人手放すのと同義だと本人は開き直っている)。

 しかし不倫のこと自体は家族に知られないようにしており、家族のことも深く愛している。家庭内に何かの不満を持っているわけではなく、あくまで気が多いだけなのである。だが、不倫現場を美玲に見られたときは口止めのために娘相手に殺すと口にしたり、5話では梨田に興味を示す素振りを見せるなど、美玲にとって当面の間、最大の敵でもあることが窺える。

前書きに引き続き、遊月です!

毎度お付き合いありがとうございます!

今回は『tendency~殺人鬼は少女に恋をする~』のキャラクター紹介のエピソードとなりました。少しでも登場人物たちへの理解に繋がりましたら幸いです。

ヒーローの戦いは、あともうすこし続くのです……


また来週、お会いしましょう!

ではではっ!!

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