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私のお嬢様はうるさすぎる

作者: ワイ

 私の名前はリズ。

 クワイエット公爵家に仕える侍女であり、当家のご息女であるルイン・クワイエットお嬢様の世話役を務めています。



 お嬢様はさすがは公爵令嬢と言うべきか容姿端麗、頭脳明晰と非常に優秀で仕え甲斐のあるお方ということで私も初めの頃は戦々恐々、ずいぶんと緊張したものだったのですが……


 まあ天は二物を与えずという言葉があるようにお嬢様にはなんとも厄介な欠点があったのです。

 それは――


「リィィィイイズゥゥゥウウウ!! どこにいるのぉぉおおおぉお!!」


 ……はぁ、廊下を淑女らしからぬ走り方でやってきたのが私の主であるルインお嬢様。

 今日も腰まで伸びた金髪を振り乱してお元気ですね……皮肉ですよ?

 

 ちなみに私たちがいるのは国中の貴族の子女たちや優秀な人材が学びに訪れる学院です。

 私は貴族ではないのですが公爵家のコネと地頭が良かったこともあってか特待生という形でお嬢様に付き添う形で入学しました。


「あぁ!? いたぁあああ!! もう! どこいってたのよ!! 結構探したんだからね!!」


「申し訳ありませんお嬢様、少し所用がありまして」


 やけに通る、というかデカい声でぷんぷん怒るルイン様。

 そう、私のお嬢様はうるさすぎるのです。

 

 快活と言えるレベルならまだ淑女としてはダメでも人間としては好感が持てるのですが……残念ながらお嬢様はうるさいです、超うるさいです。


 所かまわず大声で喚き散らすため学友からは騒音令嬢だったり、保護者(私)がいないと辺りを駆け回りながらこれまた大声で呼ぼうとするため赤ちゃん令嬢などという不名誉な渾名を裏でつけられてしまっているほどです。


 慣れればこれも結構かわいく見えるものなんですがね。


「ほらほらほら!! クレイド様から呼ばれてるんだから!! 待たせないように早めに行かないと!! 待っててくださいまし!! クレイド様ぁああああ!!」


 お嬢様が口うるさく言っているクレイドという人物はお嬢様の現在の婚約者です。

 たしか侯爵家のご子息で家柄よし、性格よし、顔よしという魅力的な殿方だった記憶があります。


 そのクレイド様がお嬢様とお話がしたいとのことですが、まだ約束の時間までは結構あるというのに早めに行って待っておこうとする健気なお嬢様。

 

 あまりこういうことは言いたくないですが、家柄はこちらの方が上なので遅れていくぐらいでも丁度いいはずなのです。

 なのに相手を慮ることができるお嬢様を見ると非常に微妙な気持ちになってしまいます。

 

 うるさくさえなければお嬢様はとても素晴らしいお方なのですが……まあちょっと他人に嫉妬したりすることはありますけども。


「それにしてもクレイド様は私にお話しがあるとおっしゃっていたけど一体何なのかしら……まさかデートのお誘いかしら!?!? おおおぉおおぉおお!! 遂にデートとかしちゃうのかしら!!!」


 お嬢様うるさいです。

 一人ハイテンションになっているお嬢様ですがいつもの事です。


 今回のクレイド様がどういうつもりでお嬢様を呼びだしたのかは既に何となく想像がつきます。


 どうせ婚約破棄なんでしょう? 実をいうとルインお嬢様は既に二回婚約を破棄されています。

 つまりクレイド様は三人目、ここ最近の彼の動向を探ってみたけれど私の予想はそれなりに堅いと自信があるのです。

 

 あまり気は進みませんがお嬢様に心の準備をしてもらうためにちょっと釘を刺しますか。


「お嬢様」


「ふんふんふふーん!! うっふふふふふ!!」


 自分の世界に入っておられるようだ。もう一度声を掛ける。


「お嬢様、聞いてください」


「うへへへへへ!! ぬひひひひ!!」


 聞いてくださいよ。


「お嬢様!」


「ぬわああぁああ!?!? なになに!?!? いきなりなによぉおぉお!?」


「うるさ……ごほん。お嬢様、今回のクレイド様の件あまり楽観しすぎるのも考えものかと、あの時のことを忘れましたか?」


「へ!? いや??? でも??? 今回はもしかしてもしかするかもしれないでしょう!?!?」


「お嬢様、ダメですよ。一応心の準備をしておいてください」


「うっ! うぅぅううう!」


 私の言葉に唸り始めるお嬢様。

 とても良家の令嬢とは思えない姿にため息が吐きつつ私もあの時のことを思い出す。

 あれは確か私たちが一年生だった時の進級パーティーの時だったはず。





 


 パーティーも佳境を迎えるころ、お嬢様は非常にソワソワしながらその場でウロウロし始めました。

 とても挙動不審ですがお嬢様がそうなるのも無理はありません、パーティーの進行予定によるとこの後生徒全員でダンスを行うことになっているのです。


 相手は自由、つまりお嬢様は婚約者と踊りたいがために興奮して変な動きをしてしまっているだけなのです。


 お嬢様の婚約者は男爵家のエリックという殿方。

 彼は驚くべきことに弱冠十二歳の頃に画期的な発明をし、国に多大な貢献をしたということで男爵の爵位を賜ったまさに新進気鋭の貴族なのです。


 クワイエット公爵は娘の問題と彼の将来性を考え、公爵家の威光を餌に彼にお嬢様との婚約を結ばせたのです。


 

 話しが逸れましたね、兎にも角にもお嬢様はエリック様を待っているということなのです。

 そして周りがダンスを始めた頃にエリック様がやってきました、なんだか婚約を結んだ頃と比べてやつれているように見えますが……気のせいでしょうか。


「きたきたきた!! エリック様こちらです!! さあ!! 私とお踊りになってくださいまし!!」


 ギュンっと手を差し出すお嬢様、そしてエリック様をその手をと……らない?

 

 どうしたのでしょうか、お嬢様も困惑したように首を傾げています。

 するとエリック様は深呼吸をし、神妙な顔で話し始めました。


「ルイン嬢。その……僕との婚約を破棄してくれないか?」


「へ?」


 ポカンと口を開けたお嬢様、私もエリック様の突然の宣言に動揺を隠しきれません。


「こ、こっこここここ」


「別に僕は君の事が嫌いになったわけでも――」


「婚約破棄ぃいぃぃいいいいいええぇぇええああああ!???!!?? なんでなんでなんでええぇええ!?!? どぉおうしてえええ!!??」


 とんでもない声量で叫ぶお嬢様。

 周りで踊ってた方々みんな踊るのやめてお嬢様のこと見てるんですが、なんでお嬢様はセルフ公開処刑みたいなことやってんですかねぇ。


「いやその……君は少し賑やかというか、あまり隣で騒がれると研究が進まない――」


「ほんぎゃああああ!?!? おええぇええええうわああぁぁんなななあん!!!!」


 お嬢様がうるさすぎてエリック様が何を言ってるのか全然わからないです。

 でも彼の言わんすることに何となーく覚えはありますね。


 エリック様はよく自分の研究室で色々と役に立つ技術の研究だとかをやっていたのですが、お嬢様は婚約者としてその研究室に乗り込んで色々と手伝おうとしたのです。

 

 エリック様もそんなお嬢様を邪険にはせず、私では理解できないようなありがたい講釈を聞かせていたようなのですが……お嬢様が非常に聡明なことがマイナスに働いたのです。


 なまじ話を理解できるせいかお嬢様はエリック様の一言一句に驚天動地のような反応を示したのです。

 お嬢様の喧しさは知っての通り尋常ではありません、恐らくエリック様はそれで心が折れてしまったのでしょう……お嬢様初心者の方にはよくあることです。


「ああぁああああああぁ!?!? ごめ゛ん゛な゛ざいいぃいいいいい!!! 私が至らない女だったからああぁああああ!! 研究のお手伝いもできなくてえぇえええええ!!!」


 なんかお嬢様が勘違いしてる模様、でもこうなったお嬢様はどうにもならないです。

 落ち着くまで様子を見るしかなさそうですね。


「いやルイン嬢、悪いのは僕であって君はなにも――」


「ぎゃう゛ぅううぅうん!! お父様にはああぁああ!! わ゛だっ わ゛だじから話しておぎますがらぁああああ!! も゛っどいい方と出会ってぐだざいいいいぃいい!!!」


 そう言ってお嬢様はドタバタと会場を走り去ってしまいました。


「いや……もう君の父とは話がついて……いたんだが……」


 大泣きしたお嬢様はとても可哀そうでしたが話を全く聞いてもらえなかったエリック男爵もほんのちょっと気の毒だと思いました。






 なんてことがありましたね。

 結局一晩ワンワン泣いたお嬢様は私お手製のプリンをお腹いっぱい食べてご機嫌を直してくださいましたが、あの時の事件がきっかけでお嬢様が学院中から変な人扱いされ始めたんでしたっけね。


「う~ん、そんなことも――あったわね!!」


「ありましたよ」


 唯一の救いはお嬢様が婚約というのをドライに捉えていることぐらいですかね。

 お嬢様は恋をしているのではなく、将来に夫となる人物を妻として愛そうと本気で努力しているだけなのです。


 泣きわめくのも婚約者に愛を伝えることができなかった自分の無力を嘆くためであって婚約を破棄されたことが悲しいわけではないのです、どうしてこんなにも人間が出来ているのにあんなにうるさいんでしょうね?


「あれはあれよ!! 今度こそ大丈夫だって!!」


「どうですかね? ロウ伯爵の時も同じセリフを聞いた覚えがありますが」


「~~!! 言ってないから!! 多分!!!」


 お嬢様はこう言っていますが……どうでしたっけねぇ。







「エリック男爵のこともありましたし、あまり期待するのはよろしくないと思うのですが……」


「あれはあれよ!! 今度は大丈夫だって!!」


「ならいいんですが」


 私はお嬢様に付き添いながら廊下を歩いていた、これからお嬢様の二人目の婚約者でである伯爵家のロウ様に会いに行くのだ。

 

 ロウ様から会いたいとの知らせが来たときお嬢様はデートの誘いかもしれないと大いにはしゃいでいましたがエリック男爵の前例を考えるとあまり浮かれるのは得策ではないと思う私です。


 まあ一先ずは会ってみない事には何も始まらないということで向かってみるとそこにいたのはロウ伯爵とご学友の方でしょうか? 女性の方がいらっしゃいました。


 お嬢様には悪いですが今回も望み薄なようです、可愛らしい横顔をちらっと覗くと頬をピクピクさせているのがわかります。

 これはお嬢様が感情の爆発を押さえ込んでいるとき特有の仕草です。

 

「ごっご機嫌ようですっロウ様!! ルイン、遅ればせながらも参上しましたわ!!」


 お嬢様はなんとか平静を保っているご様子、貴族平均声量は大きく超えていますがまだまだお嬢様は静まっていらっしゃいます、ロウ様……頼みますよ……。


「ル、ルイン嬢、あの、えっと、わ、わわ私と、えっと」


 ロウ様がものすごくどもっていますね。

 もうわかり切っていますが一応最後まで聞いておきましょうか。


 そう私が腹を決めたところでロウ様が女生徒から背中を思い切り叩かれました。

 ……そういえばあの女生徒はロウ様の幼馴染でしたね、お嬢様の騒音被害の相談をしていて焚きつけられたといったところでしょうか。

 

「ロウ様、ちなみにそちらの方とはどういった関係でして?」


 お嬢様が珍しく弱気な様子ですね。

 もうお嬢様自身察しがついているのでしょう、何とか心を静めて踏ん張っていただきたいところです。


「彼女は私の幼馴染なんだ、名前は――」


「おっ!?!?」


 お嬢様が心臓を吐き出す寸前のようなヘンテコな顔で固まりました。

 綺麗なお顔が台無しなのでそんな状態で停止しないで欲しいのですが、これはダメみたいですね。


「おんぎゃあああぁあああああ!!???!? おさ!? おささ!? 幼馴染ぃいいいいいい!?!? なじ!? なじ!? なじなゃああああああああ!??!」


「ル、ルイン嬢!? 落ち着いてくれ」


 それで落ち着くのならこんなことになってません。


「おち、おち!? おおおおおぉおおおおお!?!! ぎょえあえああああああぁああああ!!! 幼馴染いぃいいいいいい!!! 勝てるわけないいいいいいいい!?!?!? どぼじでぇえぇぇええぇええ!!!!」


 お嬢様、鼻水が出てますよ。


「いや彼女とは別にそういう関係では――」

 

「んごああぁああああ!!! 気心の知れたあぁああああ!!! 二人でお幸せにいぃいいいいいい!!! うぅううおおぉおおおんん!!!!」



 顔面をぐじゅぐじゅにしたお嬢様は走り去ってしまいました。

 当然慰めるために私も後を追います。

 一通り泣いたあと甘いものを食べさせれば落ち着くのが幸いですね。







 なんてこともありました。

 その時は私お手製のアップルパイをお腹いっぱい食べていつもの調子に戻った記憶があります。

 ……やはりあの時も同じようなセリフ言ってますね、これはやはり今回もダメなのでは。


 今回は何を作って差し上げようか考えているうちにクレイド様との待ち合わせ場所に着きました。


 どうやらまだクレイド様は来ていないご様子。


「よし……よし!! 大丈夫! 大丈夫よ私ィ!!」


 うるさいですね。

 そういえば以前やんわりとうるさいという点を指摘したことがありましたが本人に自覚はありませんでした。


 もう今となってはうるさいことがお嬢様のアイデンティティみたいなものなので私個人としては改めて欲しいとは思っていませんけどね。


 まあ好意的に捉えてもうるさいものはうるさいんですが。


「ハッ!! 来たわ! 来たわよォ!!!」


 どうやらクレイド様が来たようですね……隣に少女を伴って。

 やっぱりダメみたいですね。


 お嬢様が顎が外れそうなぐらいにあんぐりと口を開いています。

 すごい間抜けに見えるので閉じて欲しいのですが、多分今のお嬢様には何を言っても通じないでしょうね。


「ルイン……どうやら待たせてしまったらしい、すまない」


「い、いいえいいえいいえええ、ぜんぜぜん待ってなんかないんですわよ??」


 頑張れお嬢様。


「……突然のことで悪いと思っている。だがこれだけは俺から直接伝えなくてはと思ったのだ。君との婚約を解消させてほしい」


「ふっ!!!! ぬっ!!!! んっ!!!!!」


 すごい堪えてますね。 

 お嬢様すごいです、やはり人は成長することが出来るのですね。

 

 私がじんわり感動しているとクレイド様は伴ってきていた女性の紹介をなさるようです。


「彼女はミリーと言うんだ。最初はちょっとした相談をしていたんだが段々とお互いに惹かれ合ってしまった。全ての責は俺にあり、君には一切の咎がないことだけは確かだ、どうか俺を恨んで欲しい」


 お嬢様を話のタネにしていつの間にか懇ろな関係になっていたと、そういう男女の関係を否定するつもりはサラサラないですが毎度振られるお嬢様の気持ちも考えていただきたいところです。


 元はと言えばお嬢様がうるさいのが原因ではあるので強くは言えませんが。


「本当に申し訳ないと思っている。この通りだ」


 クレイド様とミリー嬢が頭を下げるとそれをお嬢様はカッチカチのかったい笑みで応えました、目が全然笑ってませんね。


「え、えへ、えへへへひひひあはははは!!!! ひひゃはははあぁぁああぁぁああ!!! がああぁぁああぁああ!!! おえおえあうあうあぁあああぁあ!?!? なにゆえぇえぇええええ!!!」


 お嬢様は体をガクガク震わせながらクレイド様にお尋ねになりました。

 その甲高い叫びにクレイド様たちは思わず耳を塞いだようですね。

 お嬢様のハイパーボイスは耳がキーンってなるんですよね、わかります。


「俺は……ミリーの物静かで穏やかな部分が好きになってしまったんだっ!」


 お嬢様と正反対ですね。


「うにゃあぁあああ!??!? きれ゛い゛な彼女とぉおおお!!! 二人で一緒にぃぃいいいぃ!!! 末永くぅうぅぅうううぁあぁああああ!!!!!! うわあああぁああああん!!!!」


 お嬢様はお嬢様なりの祝辞を述べたあと廊下を駆けていきました。

 やはり今回もこうなってしまったようですね。


 お嬢様の幸せを考えるとやはりこの喧しさは直してもらったほうがいいのかもしれません、しかし私の我が儘を言えるのならば元気で騒がしいお嬢様のままでいて欲しいとも思ってしまいます。


 本当にどうしたものでしょうか。






 その後お嬢様は部屋に戻ったのですが酷い荒れようでした。

 暴れ猿のように奇声をあげながらベッドに頭を打ち付け床をゴロゴロと転がりドッタンバッタン大暴れの限りを尽くしています。


 声どころか仕草すらうるさいお嬢様ですがこれでも人目のある所ではせいぜいうずくまって地面を殴ったりする程度なのでお嬢様はお嬢様なりに自制することができているのです、流石です。


 


「ねぇリズ、私って魅力ないのかしら」


 力尽き部屋の中でぐったりしているお嬢様がそんなことを聞いてきました。


「いいえ、とても魅力にあふれていますよ。貴方より魅力にあふれた人物を私は存じません」


 こんなこと答えるまでもない自明の理なのですが、聞かれたからにはしっかり言葉に表しますよ。


「またまた……そんなお世辞言わなくてもいいのよ……」


 本音なんですけどね。

 お嬢様は間違いなく魅力にあふれています。

 ただうるさすぎてマイナスに振り切れてるだけなのです。


「さあお嬢様、シフォンケーキが出来ました。召し上がってください」


「はーい」


 お嬢様はむしゃむしゃケーキを頬張ります。

 やけ食いドカ食いと表現できそうな食べっぷりでケーキを貪る姿は非常に下品なものですが傷心を癒すにはこういうのがいいので私から言うことは何もありません。


 とりあえずこれであとはぐっすり眠ればお嬢様は落ち着くはずです。

 ここ最近は旦那様の方もお嬢様を引き取ってくれる方を探すのに力を注いでいるのか婚約がおじゃんになってもすぐに次の婚約の段取りが進むようになってきました。


 クレイド様も婚約破棄をなさるさいに事前に旦那様に連絡をいれているはずなので今週辺りにはまた新しい婚約の予定が伝えられるかもしれませんね。

 

 何はともあれ次こそは上手くいってくれることを祈るばかりです。

 こんな問題児なお嬢様でもいつかきっと受け入れてくださるお方が現れると私は信じています。


 まあ仮に現れなくとも、私はずっと貴方の傍に……


「ふわああああ!!!! このケーキ美味しいぃいいぃいぃ!!!! 十ホールはいけちゃうぅうううぅうう!!! 元気でてきたぁああぁああああぁああああ!!!!」


 はぁ……やはり私のお嬢様はうるさすぎる。


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