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偽自録  作者: そらのいろ
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小学生時代

偽りってダメな事なのでしょうか?

私は偽りでしか生きていけないみたいです...

このままでいいんだろうか...

そんな事をよく考える。

今も昔も。

恐らくこの先もずっと...


「友里ー。今から自転車で公園行くよー!」突然家にやって来た彩華が言った。私は聞こえないフリをしてみた。すると更に大きな声で「早くして!みんな待ってるよ」すると母が「彩華ちゃん呼んでるよ。早く行ってきたら?」と私の部屋に言いに来た。仕方なく、しかし顔はつくり笑いで急いで彩華の元へと行った。「ごめん。今から翠ちゃん達と遊ぶ約束があって...」言い切る前に怒り口調で「何?私たちとは遊びたくないってこと?翠ちゃんとの約束なんか破ったって大丈夫だよ。友里は彩華達の方が気が合うし、ね?」「う、うん」いつも私はこうだ。彩華に言われるとその通りにせざるをえなくなる。

彩華と遊ぶようになったのは小学3年の四月。クラス替えで席が前後になったのがきっかけだ。彩華はクラスでとても目立つタイプで、運動神経もかなりいい。私もどちらかというと運動が得意な方だったから、彩華は私を気に入った?のだと思われる。人見知りな私は友達を作るのがあまり得意ではなかったので、彩華に促されるままに振る舞っていた。

彩華との付き合いはずっと続いた、小学5年の夏の事だった。彩華と周りの友達はませた会話が多かった。「みんな好きな人教えてよー!私も言うから」と彩華。「えー。誰かが先に言ってくれないと言えないよー」と周りが言うと「私はねー、萩原君」と彩華。「あ...私と一緒だ」心の中で呟いた。周りの子数名は声に出して「私もだよ」と言った。他の子達も言い終わり私の番。と思いきや彩華が「友里はいいよー。知ってる橋爪君でしょ。よく話してるもんねー」これはもう「うん」としか言いようがなかった。

こんな調子で小学生の間はずっと彩華と一緒で、彩華の言うとおりの友里になっていた。決して彩華が嫌いな訳ではなく。彩華は私をいじめてた訳でもない。ただ従う方が楽だった、彩華が作ってくれた偽りの自分の方が上手く周りに溶け込めたからそうしてただけ。自分がそうしたかっただけなのだ。

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