柊に問う
〜柊に問う〜
翌日。いつもよりも早くに起きて、柊に聞いてみた。いつもは外見を拭いているが、今日が雨のせいか、車の中の窓を拭いていた。柊はじいさまの専属の運転手だったが、いまでは父さんの運転手だ。
車庫の中とはいえ、声が響く。
「さくらさんのことですか?」
「うん。じいさまが亡くなったときに連れてきたのは、柊だろう。どこに迎えに行ったのかなって思って。」
「公園ですよ。」
「公園?」
「ええ。木見外公園ですよ。」
「なんで、あそこに?」
「いつも、会長とあそこでお会いされていましたから。いらっしゃるなら、あそこだろうと思いまして。」
「そうなの?」
「ええ。」
「他にさくらのことで知っていることない?」
「そうですねぇ……。いつだったか、会長が「まさか、あの子にこんなところで会うとは……。」と、言っていたことがありましたね。」
「じゃ、もともと知りあいだったってこと?」
「さぁ?どうでしょう。あ、おはようございます。」
柊はやってきた父さんに向かって言った。
「おはよう。なんだ、勇太、朝から珍しいじゃないか。」
「うん、ちょっとね。いってらっしゃい。」
「ああ、行ってくる。」
そして、車はゆっくりと走り出していった。
「公園かぁ。」
たしかに、公園はある。しかし、登校のほうにはないせいかすっかり遠のいていた。用もないのに、高校生が公園でうろうろしていたら、怪しいものだ。




