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第九話;ザガト山 ふもと町

「わあ・・・。すごい人。すごい町・・・。」ルーシィアは、目を輝かせた。ジンは、まわりをきょろきょろ見渡してそれなりに驚いていた。ディークは自慢げに胸を張っていた。

「ほら、先生のおかげだ!」まだ、言っていた。さっきから、この言葉を誰も聞いていないのに言いっぱなしだった。

「おい。もう、わかったから。言うのはやめてくれ。」ジンは、参ったように溜息混じりにいった。ルージィアはそんなことお構い無に一人ではしゃいでいた。

「ねえ、ちょっと。お店見てきていいかな?」その目は、これ以上輝かないほど輝いており、誰にも止められなかった。

「・・・ああ・・。」ジンは、少々驚きながら了解した。そして、その一瞬の内に町の彼方へ消えていった。(はあ・・・。俺だけか?普通って・・・。)ジンは正直参っていた。いっぺんを返せば超エリートの学校教師。と、かわいらしい知的っぽい少女。なのだが、本当の姿を見ると、自分に自信がないが、その当たっていたときの喜びようは以上だった。そして、少女の方は料理が下手で好奇心旺盛のちょっと(?)風変わりな子なのだ。ジンも自分でいっているより普通ではない。今は、けんか腰ではないがいつもは突っ張って意地っ張りで決意を決めたら何も考えずに行動が先に出る。ルージィアより料理が美味い上、何でもこなせてしまう。カンペキに見えてカンペキではないのだ。そう、ジンが考えていると・・・

「おい、ジン。山の方へ行って見るか。」ディークは正常に戻り真面目な顔をしていった。「ん・・・あぁ。」

二人はルージィアを探すついでに山の付近へ行って見る事にした。その町からは山は近く、山と一体になっていた。その山へ行く道のりは、ただの一直線で市場を抜ける山の側面が見えてくるる。ルージィアは、まだ見つからないが、とりあえず行って見る事にした。まだ、日が高い位置にあったので、あまり心配はしていなかった。そして、山の入り口付近の入り口まで徒歩で三十分、黙々と歩いていた。ここの町は、日が落ちるのが早く太陽は赤く染まって今にも沈みそうだった。ジンの表情は少し心配そうにゆがんでいた。今からもどるにしても、三十分は最低掛かるし、それから探すとなると、もう真っ暗の暗闇に空は支配されている。「困った。」(俺は、ルージィアを守ると誓ったはずだ。何故、独りにしたんだ。けして安全でないことはわかっていたはずだ。)心で、とても悔やんでいた。しかし、こうしている間にも日は沈んでく。ジンは、後に戻る方に足を踏み出していた。「ジン・・・心配か?そうだな。戻ろう。」ディークは、明るくそういった。やはり、大人である。冷静にことを運ぼうとジンをなだめているようにも見える。ジンは、短く頷き、早々に足を速めた。


「あー・・・なんかこういうところって初めて・・・。」ルージィアは、独り言を呟き、周りを見渡して、あたりの目ぼしい場所を探していた。その町は、出店が多くあり、祭りのようだった。ルージィアがいた町は、『名がない町』と、言って。ここでは珍しくも何ともない町だったため、この町『ザガト山 ふもと町』と、言う名前があったので珍しく新しく感じた。ルージィアはお金がないため、見ているだけだったが、気前のいい叔父さんが飴などをくれた。

「私って、独りだと何か色々あるのよね・・・?ここの町は治安がよさそうだから何とかなりそうだけど・・・。私の故郷の町は、治安が優れていなかったからな・・・。」本当にそうだった。『名もない町』は、大勢の客人がこないため、物価の流通が一定で景気が良い方ではなかった。そういうこともあって、賊が結成されるなど日中茶飯事だった。ジンや、ディークがいた頃は何とか押さえていたけれど、今はどうなっているか分からなかった。二人は、世界の平和、新発見を、求めていたため、町を去ったが、良く思う人はあまり多くはないだろう。町が、平和なことが『名もない町』の最大の目的だったのだから。

そうこうしているうちに、ルージィアは、一本道の外れまできていた。その目の前には、ザガト山が聳え立っていた。ジンや、ディークの姿はなかった。きっと、ルージィアを探しに言った後だろう。何処かですれ違いになったに違いない。(あれ?山?あ!ザガト山かぁ―。こんなところにあったのね!)ルージィアは、ボーっと立ちすくして山を見ていた。

ガサッ―草を踏みつけたような音がした。(なんだろ?)ルージィアは警戒する様子もなく、その音の方へ近づいていく。其の音は、あまり不自然さをかもちだしていなかった。

「誰?そこにいるのは?」


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